機能を整え、本来の美しさを引き出す――株式会社ailesが追求する顔と身体へのアプローチ
株式会社ailes 代表 山本 翼氏
株式会社ailesは、顔や身体の矯正を中心とした施術を提供しています。一般的に認知されている「小顔矯正」という言葉を用いながらも、目指しているのは単に顔を小さく見せることではありません。顔の歪みや顎関節症、食いしばりなど、一人ひとりが抱える悩みに向き合い、身体の機能を整えることで、見た目の美しさにもつなげています。本記事では、代表の山本翼氏に、施術の特徴や経営に対する考え方、組織づくり、今後の展望について伺いました。
機能の改善から美しさを引き出す施術
――現在の事業内容について教えてください。
当社では、顔の矯正と身体の矯正を中心に施術を行っています。ホームページなどでは「小顔矯正」という言葉を使用していますが、小顔にすることだけを目的としているわけではありません。「小顔」という言葉は多くの方に認知されているため、施術を知っていただくきっかけとして用いています。
実際には、顔の歪みや顎関節症、食いしばりなどへの施術が中心です。顔や顎の状態を整えた結果として、顔がすっきりと見えることがあります。見た目だけではなく、その背景にある機能面にも目を向けていることが特徴です。
――他社との違いや、施術へのこだわりはどのような点にありますか。
一つは、施術前後の変化を確認するための検査機器を導入していることです。毎回、顔の位置や顎の高さ、撮影する距離などの条件をそろえたうえで記録しています。感覚だけではなく、同じ条件で比較できるようにすることで、お客様にも変化を確認していただきやすくしています。
もう一つは、口腔内から顔の筋肉にアプローチする施術です。一般的には顔の外側から行う施術が多いと思いますが、当社では口の中から筋肉に触れて整える方法も取り入れています。スタッフは全員が国家資格を持っており、歯科医師も在籍しています。噛み合わせや食いしばり、歯列矯正などに関する知識も共有しながら、施術に生かせる体制を整えています。
――理念やビジョンに込めている思いをお聞かせください。
理念として掲げているのは、「機能が良くなれば、見た目も美しくなる」という考え方です。健康的な状態に近づくことで、その人が本来持っている美しさも引き出されると考えています。
一人ひとりの悩みに合わせることは、施術を提供するうえで当然のことです。そのうえで、身体だけではなく、口腔内や噛み合わせなど、他では見落とされやすい部分まで含めて総合的に見ることを大切にしています。状態を幅広く確認し、その方にとって適切な施術を選択して提供できるようになることを目指しています。
お客様の立場から考える経営判断
――開業を目指したきっかけを教えてください。
柔道整復師の国家資格を取得する段階から、開業は目標の一つでした。これまで美容関係の現場や整骨院で働き、けがへの対応を含めて経験を積んできました。
美容分野に携わる中で、自分が学んできた知識や技術を、ほかの施術者にも広めていきたいと考えるようになったことも、開業を決めた理由です。現在は依頼をいただいた際に、個人サロンの方々に向けたセミナーを年に数回行っています。今後は、会社としてセミナーを主催する機会も増やしていきたいと考えています。
――経営判断をする際に大切にしていることは何でしょうか。
何かを決めるときは、まず自分がお客様や患者様の立場だったらどう感じるかを考えます。そのうえで、本当に相手にとってメリットがあるのか、いま取り組むべきことなのかを判断しています。
新しい機械を導入するか迷ったときも、費用だけを見るのではなく、導入によってお客様にどのような価値を提供できるのかを考えました。経営では収益も重要ですが、それだけを基準にするのではなく、受け手の立場に立ち返ることを大切にしています。
一人ひとりの意見を生かす組織づくり
――スタッフとのコミュニケーションで意識していることを教えてください。
スタッフとは、できるだけ一人ひとりと話すようにしています。何か意見や話したいことがあるときは、必ず一度聞くことを心がけています。表面的な言葉だけで判断するのではなく、なぜそう考えたのか、本人はどのように感じているのかまで掘り下げて話します。
現在はまだ人数が多くないため、全員の意見を聞きながら、より良いものをつくっていきたいと考えています。代表だからと一方的に決めるのではなく、フラットに話し合い、一緒に成長していける組織を目指しています。
――採用では、どのような人と働きたいと考えていますか。
経歴だけではなく、何かに強い興味を持っている人や、「これをやってみたい」という突出した部分がある人に魅力を感じます。身体に関わる仕事であるため、できる限り国家資格を持つ方を採用したいと考えていますが、本人の意欲も重視しています。
また、個人だけではなく、チーム全体で成果を出すことも大切にしています。現在は、会社全体の売上目標を一定期間で達成した際に、小さな手当を支給しています。全員で同じ目標に向かい、その成果を共有することで、モチベーションにつなげたいと考えています。
海外での施術と2店舗目への挑戦
――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
現在、海外での施術が少しずつ始まっています。Instagramを見た海外の方が日本で施術を受け、その後「自分の国でも施術をしてほしい」と声をかけてくださったことがきっかけです。今後は海外で施術を行う機会も増やしていきたいと考えています。
ありがたいことに予約も埋まってきているため、人材を増やし、2店舗目を展開することも検討しています。
――現在感じている課題は何でしょうか。
最も大きな課題は教育です。口腔内から顔の筋肉にアプローチする施術は特殊な技術であり、国家資格を持っていても、口の中や顔について一から学ぶ必要があります。習得までに時間がかかるうえ、技術には感覚的な部分もあるため、同じことを伝えても再現性に差が出ることがあります。
技術水準の平均を高めるため、研修内容や基準を整え、マニュアル化も少しずつ進めています。ただ、目の前のお客様への対応が優先となるため、十分な時間を確保できていないのが現状です。今後の成長には人材採用が欠かせないため、まずは自社のSNSなどを活用し、考え方に共感してくれる方との出会いを増やしたいと思っています。
お客様にとって無駄な施術はしない
――経営を続けるうえで、譲れないことを教えてください。
お客様や患者様にとって、無駄なことはしたくないと考えています。仕事である以上、ビジネスとして考えることは必要ですが、収益だけが目的になってしまえば、この仕事である必要はないと思っています。
必要のない施術や提案を行うのではなく、本当にその方にとって良いものを提供することが大切です。「良くなった」「変わった」という声をいただけることにやりがいを感じています。これから会社が成長しても、その声を大切にしながら、お客様にとって価値のある施術を提供し続けていきたいです。