ダイエットを「知識」で変える――正しい健康づくりを広める日本ダイエットスペシャリスト協会の挑戦

一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会 理事長/医学博士 永田 孝行氏

ダイエットには「体重を減らす」というイメージがありますが、一般社団法人日本ダイエットスペシャリスト協会が目指しているのは、その先にある健康づくりです。食事や運動だけでなく、生活習慣やメンタルまで含めた視点から、正しい知識を身につけるための活動を行っています。代表理事の永田氏は、長年にわたりダイエットや健康分野の研究・教育に携わってきました。現在は資格認定を中心に、企業への健康支援、商品監修、実証研究などにも取り組んでいます。今回は、事業への想いや健康に対する考え方、今後の展望について伺いました。

ダイエットを通じて健康全体を学ぶ

――現在の事業内容について教えてください。

当協会では、ダイエットに関する資格認定や人材育成を中心に活動しています。それと連携して、株式会社TNヘルスプロジェクトでは、企業向けの健康経営支援や社員研修、商品開発に関する実証研究、薬機法に配慮したコンサルティングも展開しています。

健康分野では、正しい知識だけでなく、適切な表現方法を知ることも重要です。法律上、書いてよいことと避けるべきことがあるため、情報発信の方法まで学べるようにしています。

――協会として大切にしている考え方を教えてください。

「ダイエット」と聞くと美容目的と思われがちですが、私自身は健康そのものだと考えています。

健康には食事や栄養、運動だけでなく、生活習慣やメンタルなど、さまざまな要素が関わり合っています。ダイエットを広く学ぶことで、結果として健康全般への理解も深まるんです。その考えを多くの方へ伝えていきたいですね。

研究者としての経験を現在の活動へ

――これまでの歩みについて教えてください。

2001年にテレビ番組に出演し、私が提唱していた「低インシュリンダイエット」が大きな反響をいただきました。同年12月に出版した書籍は約54万部を発行し、その後も国内外を合わせて65冊の出版につながっています。

以前はタニタで研究やダイエット施設の運営に携わり、メディカルチェック、栄養指導、運動指導を組み合わせた健康づくりにも取り組みました。私はもともと研究者なので、利益を追うよりも、研究や知識を広めることを優先してきたんです。そこで培った経験が、現在の協会の教育にも生かされています。

――永田様が考えるダイエットの本質とは何でしょうか。

私は現在の体重を「生活体重」と呼んでいます。今の生活習慣によって、今の体重がつくられているからです。

一時的に減量しても、以前と同じ生活へ戻れば、体重も元へ戻ります。だからこそ、体重だけでなく生活習慣そのものを変えることが大切なんです。

リバウンドを繰り返すと、筋肉量が減ったり、体脂肪が増えたりすることもあります。なぜ戻るのかを理解しながら実践することが、本当の意味でのダイエットだと考えています。

理論を理解し、生活に活かせる資格取得を

――協会ではどのような学びを提供していますか。

ダイエットは「知っているつもり」になりやすい分野ですが、理論を掘り下げると理解できていないことも少なくありません。

以前はカロリーが注目されていましたが、私は早い段階から食後の血糖値の変化が重要だと考え、発信してきました。

また、食事では最初に野菜を食べることを勧めています。血糖値の急激な上昇を抑えやすくなり、不足しがちな野菜(食物繊維など)も摂取できるからです。

夜遅い食事や生活リズムも健康に関わります。単に方法を覚えるのではなく、「なぜそうなるのか」まで理解していただくことを大切にしています。

――資格制度にはどのような想いがあるのでしょうか。

協会では、「ヘルシーダイエッター資格」「ダイエットエキスパート資格」「ダイエットプロフェッサー資格」を設けています。

初級資格には、「一家に一人、正しい知識を持つ人がいてほしい」という想いがあります。家族の中に健康を理解する人がいれば、日々の食事や生活習慣を見直し、家族を支えることができます。

資格取得後も、希望する方にはスキルアップセミナーを行っています。資格は取得した方自身のものなので、維持のための更新料は必要ありません。さらに学びたい方が継続してフォローを受けられる仕組みにしています。

柔軟な姿勢で学びながら組織を成長させたい

――組織運営で大切にしていることを教えてください。

理事は、もともと信頼関係のある方々にお願いしています。それぞれが異なる分野で活動しているため、普段から細かく管理することはありません。必要な時に意見を出し合い、それぞれの専門性や自主性を尊重しています。

一緒に活動する方には、柔軟な考えを持っていてほしいですね。他人のダイエット法を頭ごなしに否定せず、まずは背景や考え方を理解する。その姿勢が大切だと思っています。

――今後の展望について具体的なビジョンはありますか。

会員だけでなく、健康やダイエットについて疑問を持つ方が、気軽に質問できる存在になりたいと考えています。分からないことを何でも相談できる、プラットフォームのような協会にしたいですね。

現在、資格取得者は約4,000名いますが、取得後に交流が少なくなる方もいます。せっかく同じ価値観で学んだ仲間なので、つながりを広げ、継続して学べる環境をつくっていきたいんです。

今後はAIも活用しながらスタッフ体制を整え、より多くの方へ知識を届けられる協会へ成長させたいと思っています。

映画や家族との時間がリフレッシュ

――最後に、休日のリフレッシュ方法を教えてください。

趣味はトレーニングですが、映画館へ行くことも多いですね。家族と買い物をしたり、コーヒーを飲みに行ったりする時間も気分転換になります。予定がない日は、ゆっくり朝食を食べて、のんびり過ごすこともあります。

一方で、国内外での講演やセミナー、商品監修、実証研究の依頼もいただいています。研究者として培ってきた経験を、これからも社会に役立てていきたいですね。

健康は一時的な流行ではなく、一生付き合っていくものです。正しい知識を一人でも多くの方へ届け、自分自身や家族の健康を守れる社会を広げていきたいと思っています。

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