ライブ配信で、女性が自分自身として輝ける場所をつくる

株式会社USAGI relation 代表取締役 小川 啓氏

株式会社USAGI relationは、TikTokを中心とするライブ配信事務所です。所属ライバーの支援に加え、ライブコマースや、低身長の方向けアパレルブランドの立ち上げも進めています。女性がキャリアの変化に左右されず、挑戦を続けられる場所をつくる小川氏に、実現したいことや事務所を立ち上げた経緯、休日の過ごし方などについて伺いました。

ライブ配信を起点に、女性のキャリアの選択肢を広げる

――現在の事業内容について教えてください。

当社の主な事業は、TikTokのライブ配信事務所の運営です。法人化したのは昨年ですが、個人事業主として活動していた期間をあわせると、事業開始から約3年になります。

現在は、投げ銭を中心に活動するライバーの支援に加え、TikTok Shopを使ったライブコマースも始めています。また、低身長の方向けアパレルブランドも立ち上げています。9〜10月ごろのローンチを予定しており、TikTok Shopでの販売にもつなげたいと考えています。

――事業を通じて実現したいことは何ですか。

私は、女性が自分自身として輝ける場所をつくりたいと考えています。女性は、結婚や妊娠、出産などによって、キャリアが変化することがあります。自分だけではコントロールできない部分もありますが、ライブ配信なら環境が変わっても続けやすいのが魅力です。

実際に、当社に所属するライバーにはママも多くいます。ママや妻という肩書きだけではなく、自分自身として挑戦できる場所にしたいです。何者でもない女の子でも、キャリアに関係なく輝ける環境をつくることを大切にしています。

自らのライバー経験を、事務所づくりの原点に

――経営者になったきっかけを教えてください。

私は、企業に所属して働いた経験がほとんどありません。アパレルのショップ店員をした後、20代は夜の仕事をしていました。その後、コロナ禍に、当時交際していた現在の夫の仕事の都合で、京都から沖縄へ引っ越しました。

ライブ配信に出会ったのは、沖縄でInstagramとTikTokを始めた頃です。自分が顔を出してSNSで発信し、それを仕事にできると知ったことが、事業を始めるきっかけです。

――ライブ配信事務所を立ち上げた理由は何ですか。

私は最初、事務所に所属してライバーとして活動していました。サポートやアドバイスはありましたが、事務所内のイベントや、ほかのライバーとの関わりがもっとあれば、さらにモチベーションを保てたのではないかと感じていたのです。

約2年半活動した後、自分が必要だと感じた環境をつくろうと考え、事務所を立ち上げました。ライバーが一人で数字を追い続けるのではなく、互いに刺激を受けながら活動できる場所にしたいと思ったことが原点です。

――ライバーを支える上で、大切にしていることは何ですか。

私は、一人ひとりに明確な目標があることを重視しています。ロレックスの時計を購入したいという目標でも、シングルマザーとして子どもに苦労をさせたくないという目標でも構いません。

内容ではなく、自分なりの理由があり、言葉だけでなく行動で示そうとしているかを見ています。

競い合いながら支え合える、事務所ならではの環境

――事務所ならではの強みを教えてください。

当社では、マネージャーが全員ライバー経験者です。マニュアルだけに沿うのではなく、自分たちの経験をもとに、それぞれのライバーに合わせたアドバイスができます。

事務所独自のイベントも企画しています。例えば、一定の投げ銭額を達成した人全員が、新宿のサイネージ広告に掲載される企画を実施しました。順位だけを競うのではなく、基準を達成すれば全員に機会がある仕組みです。成果が形に残る企画を心がけています。

――所属ライバーとは、どのようにコミュニケーションを取っていますか。

私は、LINEや電話での相談回数を基本的に制限していません。毎日配信する人も多いため、悩みを抱えたままではなく、頭を整理した状態で次の配信に臨んでもらいたいと考えています。随時相談を受けるほか、月に2回、面談専用の日も設けています。

以前は、スカウトからマネジメントまで担う部分が多かったのですが、そのままでは組織としての上限が見えてしまいます。現在はマネージャーを3人ほど置き、少人数から担当してもらい、管理体制を整えています。

――事務所内の雰囲気づくりで意識していることは何ですか。

以前は、ライバーのメンタルへの影響を考え、ランキングをあまり出していませんでした。しかし、週間ランキングを公開したところ、所属ライバー同士が刺激を受け、配信への意識が高まりました。努力している人の姿が見えることで、「自分もがんばろう」と思える雰囲気が生まれています。

動画を投稿しているライバーは、公式Instagramで紹介しています。所属ライバーにも互いの活動を知ってもらうためです。来年1月には懇親会と表彰式も開催し、実際に顔を合わせられる環境をつくる予定です。

300人の組織と、表彰の舞台を目指せる育成力へ

――今後、事務所をどのような状態にしていきたいですか。

現在の所属者は100人を超えていますが、今後は300人を目指しています。人数を増やしたいのは、単に規模を大きくしたいからではありません。所属者が増えれば、実力や目標に合わせたチーム分けや、事務所内イベントの設計がしやすくなります。

所属して良かったと思える企画やサービスを充実させるためにも、一定の人数が必要です。同時に、TikTokの年末の大きな表彰イベントに、所属ライバーを送り出せる事務所にしたいと考えています。人数と育成の質の両方を高めることが目標です。

――目標の実現に向けて、現在取り組んでいることを教えてください。

所属者を増やすために、InstagramなどのSNSを通じたスカウトを強化しています。ホームページと公式LINEも新しくし、問い合わせしやすい導線を整えました。

現在は、私自身がInstagram、TikTok、Threadsを運用しています。ただ、更新に十分な時間を取れないこともあり、発信体制の整備は課題です。理想は、事務所の発信を見た人から自然に問い合わせが来る状態です。

観劇や外出で気持ちを切り替え、次の挑戦へ

――休日はどのように過ごしていますか。

明確な休日が決まっているわけではなく、連絡が来ることもあります。ただ、外出して気分を切り替える時間はつくっています。サファリパークへ行く予定があり、トイ・ストーリーの映画も見に行きたいです。

また、私は宝塚歌劇が好きで、観劇にも行きます。仕事とは異なる世界に触れる時間が、気持ちを切り替える機会になっています。

――これから、代表としてどのような姿を見せていきたいですか。

ライブ配信は、自分が動かなければ収入につながりにくい仕事でもあります。そのため、ライブ配信だけで数字を追い続けるのではなく、次のキャリアも示せる事務所でありたいと考えています。

ライブコマースやアパレルブランドへの挑戦も、その道筋の1つです。所属ライバーが次の選択肢を考えるきっかけをつくれるよう、私自身が新しい事業に取り組む姿を見せていきたいです。

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