全国の職人ネットワークを生かし、看板施工から新たな事業へ――株式会社ラッドクルーの挑戦

株式会社ラッドクルー 代表取締役 野田 剛司氏

株式会社ラッドクルーは、看板制作・施工を中心に、全国の職人ネットワークを生かしたサービスを展開しています。デザインデータの調整や印刷、現場でのシート施工までを管理し、特に全国のコラボカフェにおける壁面シートの貼り替えを数多く手掛けていることが特徴です。近年は看板事業に加えて、レンタルスペース事業やオンラインオリパ事業にも取り組んでいます。今回は、野田剛司氏に事業の特徴や経営に対する考え方、今後の展望について伺いました。

全国の職人ネットワークを生かした看板施工

――現在の事業内容と、その特徴について教えてください。

看板制作・施工を中心に、ビルなどの看板を新しく制作したり、既存の看板のシートを貼り替えたりしています。お客様からいただいたデザインデータをこちらで調整し、印刷したものを現場で施工する仕事が主です。依頼によっては、デザインから対応することもあります。

特に強みになっているのが、全国の職人さんとの横のつながりです。当社では社員が直接施工するのではなく、各地域の職人さんに現場をお願いしています。全国に職人さんのネットワークがあるため、遠方の案件でも対応できる体制を整えています。

――全国に職人さんがいることは、大きな強みになっているのですね。

そうですね。看板の施工、とくにシートを貼る職人さんは数が少なくなっています。高齢化も進んでいて、できる人がなかなかいない。その中で、当社は全国に職人さんがいるので、施工の際に職人さんを探すことに困りにくいというのは強みだと思います。

スピードと一貫対応で現場を支える

――コラボカフェでは、どのような施工を行っているのでしょうか。

コラボカフェでは、内装工事の段階でシートを貼り替えられるようにしてあります。コンテンツが切り替わるタイミングに合わせて新しいシートを印刷し、職人さんに貼ってもらいます。1店舗につき2~3人で施工し、大体3~4時間ほどで終わります。

――施工には専門的な技術も必要になるのですね。

クロス貼りとは違って、シートはもともと糊が付いているものを貼っていきます。一度貼ると簡単には剥がれないので、きれいに施工する技術が必要です。

当社では、デザインデータを確認して印刷できる状態に調整し、印刷は協力会社に依頼します。その後、現場に職人さんを集めて施工してもらい、社員が全体を管理します。社員は3名ほどで、そのうち2名が現場管理を担当しています。

また、仕事のスピードとレスポンスも大切にしています。商業施設の現場は閉店後に施工することも多いため、夜間に連絡が来ることもあります。そうした場合でも、できるだけ早く返信し、トラブルにも迅速に対応することを心がけています。

社員を大切に、横のつながりを守る

――会社として大切にしている考え方を教えてください。

一番は、社員を大切にすることです。社員がいないと会社は回りませんから、頑張ってくれている社員には、もっと給料を上げてあげたいと思っています。

現在の社員は昔から知っている人や、これまでのつながりの中で入ってきた人が中心です。仕事を一緒にしてきた関係性があるからこそ、信頼して任せることができます。新しく採用した人についてももちろん大切にしたいですが、最初は仕事ぶりなどを見ながらという部分はあります。

――社員とのコミュニケーションでは、どんなことを意識していますか。

現場管理の社員は会社にいる時間が少なく、常に動いています。そのため、毎日連絡を取るようにしています。予定を把握する意味でも、社員のスケジュールを確認しながら、日々コミュニケーションを取っています。

基本的には一人ひとりに自由に動いてもらっています。個人事業主のような感覚で、それぞれが責任を持って仕事をしてもらうイメージです。それができるのも、これまで築いてきた信頼関係があるからだと思います。

技術と営業を経験し、独立へ

――経営者になられたきっかけを教えてください。

もともとは印刷の出力オペレーターとして、大手の会社で10年以上働いていました。色合わせなど、印刷に関する技術を現場で身につけ、10数年から20年ほど経験する中で、技術的には学べることが少なくなっていきました。

そこで営業をやってみたいと思い、営業に移りました。3~4年ほど営業を経験し、金額のことやお客様との関係など、技術とは違う部分を学びました。その中でお客様とのつながりも広がり、独立してもいいのではないかと思うようになりました。

――仕事をする上で大切にしている価値観は何でしょうか。

自分たちがやってきたことを、ぶれずに続けることです。そして、横のつながりを大切にすることですね。もちろんお客様も大切ですが、職人さんにも気持ちよく仕事をしてもらえるようにしたい。お客様に迷惑をかけず、職人さんにも気持ちよく仕事をしてもらう。その両方を大事にしています。

看板事業に加え、新たな柱を育てる

――今後の目標や挑戦について教えてください。

コラボカフェの仕事は、もっと広げていきたいと思っています。会社としては、現在の年商が2億円に届かないくらいなので、まずは年商10億円を目指したいです。3年くらいで10億円に到達できればと思っています。

そのためには新規開拓も必要です。ただ、看板の営業は単純に物を売ればいいという仕事ではなく、経験がないと難しい部分があります。今後は看板業界の経験がある営業人材なども必要になってくると思います。

また、看板事業だけに頼らないために、現在はレンタルスペース事業とオンラインオリパ事業にも取り組んでいます。レンタルスペースは、ダンススタジオ、パーティールーム、会議室、フォトスタジオなどを運営しています。現在は4店舗ほどです。

オンラインオリパは、ポケモンカードなどのカードを使ったオンライン上のくじのようなサービスです。自分でカードのラインナップやガチャの設計、利益率などを考え、運営しています。高額カードも仕入れており、在庫を持っているため、当選したカードを比較的早く発送できることも特徴です。

――今後、特に伸ばしていきたい事業はどちらでしょうか。

伸ばしていきたいのは、やはりオリパです。今は自分と社員一人で運営しているため、Xの運用などで手一杯なところがあります。まずは知ってもらうことが重要なので、フォロワーを増やしている段階です。

新規事業については、何でもうまくいくわけではありません。10個新しいことを始めて、1個当たればいいくらいの感覚で考えています。だからこそ、足を止めずに新しいことを考え続けることが大切だと思っています。

現在の課題は、昔からのお客様からいただく仕事が中心で、新規開拓が十分にできていないことです。看板事業では新規顧客の開拓、新規事業では、いかに認知を広げて成長させるかが課題です。これからもこれまで築いてきた横のつながりを大切にしながら、新しい事業にも挑戦していきたいと考えています。

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