マンション管理を通じて人を幸せに――山崎事務所が貫く、住民目線のコンサルティング
山崎事務所 代表 山崎 一成氏
山崎事務所は、マンション管理士の資格を生かし、分譲マンションの管理組合に対する運営コンサルティングを行っています。管理会社での実務経験を持つ代表の山崎一成氏が、理事会や総会に出席し、日常的な管理運営の相談、助言から、管理会社変更、大規模修繕工事に関する支援などに対応。管理組合の立場に寄り添い、本当に必要な提案を行うことを大切にしています。今回は山崎氏に、事業の強みや独立の背景、仕事をする上での判断軸、今後の展望について伺いました。
目次
マンション管理に特化し、管理組合に寄り添う
――現在の事業内容や、山崎事務所の強みについて教えてください。
マンション管理士として、分譲マンションの管理組合に対し、運営のコンサルティングを行っています。理事会や総会に出席し、日常的な管理運営の相談、助言から、大規模修繕工事、管理会社の変更まで幅広くアドバイスしています。
マンション管理士は資格保有者こそ多いものの、専業で活動している人は多くありません。マンション管理に特化し、身近な相談から大きな課題まで対応できることが私の強みだと考えています。
――事業を行う上で大切にしている理念を教えてください。
「マンション管理サポートで人を幸せに」という考え方を大切にしています。
管理会社で働いていた頃、会社の利益を上げるために工事を提案する場面がありました。しかし、管理費や修繕積立金は住民の皆さんの大切な財産です。本当に必要なものだけを提案し、マンションの住環境をより良くすることが重要だと考えるようになりました。
管理会社で感じた違和感が独立の原点に
――独立されるまでの経緯を教えてください。
20代の頃からマンション業界に関わってきました。不動産鑑定事務所でマンション建替に関する仕事を経験し、その後はマンション専業のデベロッパーに転職し、マンション開発や財務に携わりました。その後、収益不動産や賃貸マンションに関する仕事を経験しています。
40代になってから、それまで培ってきたマンション分野の経験や人生経験を生かせる仕事をしたいと考え、マンション管理会社へ移りました。そこでは管理組合を担当するフロントマンとして働いていました。
独立を考えるようになったのは、管理会社に所属する中で、管理組合のためにしたいことと会社の利益を優先する考え方との間に違いを感じることが増えたからです。工事の受注目標があり、マンションにどの程度の修繕積立金があるのかを把握した上で工事を提案するよう求められることもありました。
必要な工事は当然やらなければなりません。しかし、まだ必要ではない工事まで提案することには罪悪感がありました。本当に必要なものだけをアドバイスし、提案する仕事に特化したいと思い、2020年3月に山崎事務所を立ち上げました。
――仕事を受ける際には、どのような基準で判断していますか。
大きく二つあります。一つは、自分自身が「やりたい」と思える仕事かどうかです。もう一つは、管理組合の方々が課題を本気で改善したいと考えているかどうかです。
専門家に任せるだけではなく、管理組合の皆さん自身も主体的に取り組む姿勢がなければ、課題解決は難しいと考えています。
一人で抱えず、専門家やAIとの連携も模索
――今後の体制づくりについて、どのように考えていますか。
現在は一人で事業を行っています。お客様からは「山崎という人間」を信用して依頼していただいている部分が大きい一方で、一人で対応できる範囲には限界があります。
私はできるだけコンサルティング業務に集中したいので、経理や請求書発行などの業務は将来的に切り離していきたいと考えています。また、本業についても、マンションの管理規約の作成など、他のマンション管理士でも対応できる業務については、同業者との連携を進めています。
AIも活用し、自分自身や連携する専門家の負担を減らしながら仕事を進められる仕組みをつくろうとしています。将来的には人を雇うことも考える必要がありますが、自分が培ってきたノウハウは短期間で継承できるものではありません。まずは同業の専門家との連携を構築していきたいと思っています。
――一緒に働きたいと思うのは、どのような方でしょうか。
マンションの課題に本気で向き合える方です。マンション管理は日常生活に密接した仕事なので、管理組合としっかりコミュニケーションを取り、一緒に課題を解決していく姿勢を持つ方と仕事をしたいと考えています。
マンション管理士の認知を高め、外部監事を広げていく
――今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
まずは、マンション管理士という資格や仕事そのものの認知度をもっと高めたいと考えています。そのためにプレスリリースにも取り組んでおり、自分たちが実際に手がけた仕事や活動を発信しています。マンション管理士がどのような仕事をしているのか、より多くの方に知っていただきたいですね。
もう一つ力を入れているのが、外部監事の仕事です。分譲マンションでは住民の高齢化が進み、理事や監事などの役員の担い手が不足しているケースがあります。そこで、マンション外部の専門家として監事を担う仕事に、創業2年目頃から取り組んできました。
現在では事業の柱の一つになっており、今後さらに外部監事業務を積極的に展開していきたいと考えています。
――現在感じている課題は何でしょうか。
マンション管理士という仕事自体の認知度がまだ低いことです。現在、新規の依頼は紹介が中心で、ホームページやプレスリリースだけでは十分な問い合わせにつながっていません。
今後は発信を続けながら認知度を高め、紹介以外からも依頼をいただける状態をつくっていきたいと考えています。
「人生は夢の実現」という言葉を胸に
――これまで影響を受けた方や言葉があれば教えてください。
以前の会社の創業者が話していた「人生は夢の実現」という言葉が強く印象に残っています。
当時はその意味を十分に理解できていませんでしたが、今になって少しずつ分かるようになりました。マンション管理士になること自体が昔からの夢だったわけではありません。しかし、これまでのマンションに関する経験を生かしたいという思いは持ち続けてきました。
そう考えると、今の仕事にたどり着いたことも、自分の中にあった夢の一つだったのかもしれません。「人生は夢の実現」という意味では、ようやくその第一歩を踏み出したところだと感じています。
――休日はどのようにリフレッシュされていますか。
個人事業主なので、メールなどの連絡が常に入ってきて、なかなか完全な休みを取るのは難しいですね。それでも休みが取れた日は、好きなドラマを見たり、映画に行ったりしています。
鉄道も好きなので、仕事がない日に突然行き先を決めて、鉄道で旅行に出かけることもあります。そうした時間で気持ちを整えながら、これからもマンション管理の現場に向き合い、より多くの方の力になれるよう取り組んでいきたいと思っています。