熱量を力に変えて――重量鳶から広げる新たな事業と組織への挑戦
株式会社OSR 代表取締役 大崎 純氏
2022年3月に設立された株式会社OSR。代表の大崎純氏は個人事業として約3年間活動した後に法人化し、重量鳶を中心とした事業を展開しています。実力がものを言う世界で技術を磨きながら、顧客との関係づくりや営業、組織づくりにも自ら向き合ってきました。現在は現場を社員に任せ、自身は営業やメディアへの出演など、会社の認知度を高める活動にも注力しています。創業までの歩みや組織運営への考え、そして新たな事業への挑戦について伺いました。
機動力と信頼で選ばれる会社
――現在の事業の特徴について教えてください。
現在は、重量鳶を中心に事業を行っています。重量鳶は、技術や経験が仕事の成果に直結する、実力がものを言う世界だと考えています。
仕事は基本的に、その日の作業が終われば終了です。夕方まで必ず働くというわけではなく、現場によっては非常に短い時間で仕事が終わることもあります。そのため、技術を身につけて仕事を効率良く進められるようになれば、早く仕事を終えることもできます。
実力次第で働き方も変わり、しっかり稼ぐこともできる。そこが重量鳶という仕事の特徴であり、魅力の一つだと思っています。
――貴社ならではの強みはどこにありますか。
一つは機動力です。それに加えて、お客様に対するコミット力も強みだと思っています。昼夜を問わず動いていることもあり、お客様とは夜でも連絡を取り合える関係があります。夜9時頃に電話をいただくこともありますが、それだけ普段から近い関係を築けているということでもあります。
自分自身が営業に行き、電話をして直接会いに行くことも今でも続けています。そこから紹介をいただいたり、同業の会社から直接ご連絡をいただいて仕事につながったりすることもあります。
――会社として大切にしている考えを教えてください。
シンプルに、自分の周りにいる人たちに良い暮らしをしてもらいたいという思いがあります。
そして、仕事をただ働くためのものではなく、「生きがい」にしてもらいたいという思いもあります。やりがいを見つけることで仕事の楽しさにつながり、それが結果として会社にとっても良い方向につながると考えています。
自分を変えるために踏み出した道
――経営者になったきっかけを教えてください。
もともとの自分は、今とは真逆と言っていいような状態でした。このまま人生を進んでいったらまずいなと思ったことが、起業した大きなきっかけです。ただ、変わろうと思ってすぐに変われたわけではありません。むしろ、自分自身を変えていくことの方が大変でした。それは今も同じだと思っています。
個人事業として始めて約3年間活動し、その後法人化しました。自分で仕事を始めてから考えると、約8年になります。
――これまでで特に苦労したことは何でしょうか。
最初は、人を集めることも大変でしたし、資金繰りでつまずいたこともありました。仕事がなかったので、自分で仕事も取らなければならず、それをすべて一人でやっていました。
特に大変だったのは、約600万円の入金がされなかった時です。その時は自分で回収に行き、振り込んでもらいました。誰かに頼るのではなく、自分でどうにか乗り越えてきました。
――経営判断で大切にしていることはありますか。
自分の直感ですね。全部が当たるわけではありませんが、自分がなんとなく感じたことや、その時に覚えた違和感は、結果的に当たっていることが多いと感じています。
また、自分を曲げることができない性格でもあります。例えば、相手に合わせることで仕事につながるとしても、自分が違うと思えば正直になってしまいます。それが経営者として正しいかどうかは別として、自分の中では大切にしている部分です。
熱意をつなぐ仲間づくり
――社員との関わりで意識していることを教えてください。
今一番意識しているのは、仕事を任せることです。
以前は何でも自分でやってしまうタイプでした。任せる勇気がなかったのかもしれません。ただ、今はできるだけ社員に任せるようにしています。実際に任せることで、社員のモチベーションが上がっていることも感じますし、成長のスピードも変わりました。自分自身も、その空いた時間で別の仕事に取り組めるので、会社全体として効率が良くなったと感じています。
――どのような人と一緒に働きたいですか。
熱量が高くて、真面目で、目標を持っている人ですね。そこに誠実さがあれば、ぜひ一緒に働きたいと思います。
自分自身も熱意を大切にしています。その熱量を世の中に発信した時、「この人と一緒にいたら大変そうだ」と感じる人もいると思います。ただ、同じような熱量を持った人にはきっと伝わると思っています。そういう仲間が集まることで、結果的に長く働いてもらえる組織にもつながっていくのではないかと考えています。
知名度を高め、次の舞台へ
――今後の目標を教えてください。
売上としては、まず5億円、その次に20億円という数字を漠然と目標にしています。その先にも目標はありますが、まずは近いうちにそこまで行きたいと思っています。
そのために、現在は自分が現場に出ることをやめて、社員に任せています。自分自身は営業をしたり、さまざまなメディアに出たりと、会社や自分自身を知ってもらう活動に力を入れています。知名度が上がることで、仕事だけでなく採用のきっかけにもなると考えています。
――新たに挑戦したい事業について教えてください。
重量鳶に加えて、デジタルサイネージにも取り組みたいと考えています。まだ本格的に走り出している段階ではありませんが、今後の新しい柱として考えています。
以前から興味があり、韓国を訪れた際に街並みを見て衝撃を受けたこともきっかけの一つです。日本ではまだ通常の看板も多い中で、デジタルサイネージには可能性があると感じました。
重量鳶とデジタルサイネージ、この二つの軸を強くすることで、会社としてさらに成長していきたいと思っています。
仕事そのものを楽しみ、挑戦を続ける
――休日はどのように過ごしていますか。
自分には、あまり「休み」という感覚がありません。休みが欲しくないわけではありませんが、ずっと仕事をしていたいんです。逆に仕事をしていないと不安になるのかもしれません。仕事の中にやりがいがあるからこそ、続けられているのだと思います。
社員にも同じように、仕事の中でやりがいを感じてもらいたいです。そのためにも、まだ早いと決めつけずに仕事を任せていきたいと思っています。
自分自身も、これからさらに多くの媒体に出て、知ってもらう機会を増やしていきたいです。実際に「令和の虎」に出演した時も、関係者に自分からSNSで連絡を送り、出演につながるきっかけをつくりました。
まだまだこれからだと思っています。自分にできることは自分で動きながら、会社を知ってもらう機会を増やし、新しい仲間や仕事につなげていきたいです。