株式会社Spring Knowledg 代表取締役 春山 正翔 氏
大学編入や大学院入試、そして医学部学士編入など、「人生の再スタート」を目指す人々を支援する株式会社Spring Knowledge。
代表の春山正翔氏は、自らの体験を原点に教育の価値を信じてサービスを立ち上げました。
今回は、事業のビジョン、組織づくり、そして今後の展望についてお話を伺いました。
目次
再チャレンジを支える、プロ講師による専門特化型指導
──現在の事業内容と、その特徴について教えてください。
弊社では、大学編入試験や大学院入試、医学部学士編入といった“再挑戦型”の受験対策に特化したサービスを提供しています。大手予備校が手掛けにくいニッチな分野ですが、プロ講師による高品質な個別指導をオンラインで提供することで、多くの方の人生の再出発を支援しています。
指導にあたるのは、大学教授経験者や博士課程修了者、弁護士・公認会計士など、専門性の高いプロフェッショナルばかり。
一般的な学習支援ではなく、専門科目に深く踏み込んだ個別指導ができることが、他社にない強みです。
自らの経験をもとに、社会の隙間を埋めたい
――起業のきっかけを教えてください。
大学2年生のときに、自身の編入試験の体験を通じて「こういうサービスがあれば」と感じたことが出発点です。一方で、研究者が専門外のアルバイトで生計を立てる現状にも問題意識がありました。
学びを必要とする受験生と、知見を活かしたい研究者。双方をつなげる仕組みがあれば、社会の一部を変えられるのではと考え、起業に至りました。
今でも一貫しているのは、「学びを通じて人生を好転させる支援がしたい」という想いです。合格だけでなく、プロとの出会いや、努力のプロセス自体が人生の財産になると信じています。
働き方の自由と、感謝を伝える社風を両立
――社員との関係づくりで意識されていることはありますか?
個々の性格や得意分野に応じた配置を大切にしています。マニュアルに縛るのではなく、得意を活かして120%の力を出してもらう。それが弊社の基本方針です。
実際に、営業担当が自発的にSEOを学び、マーケティングに活躍の場を広げた例もあります。こうした“越境的な成長”を支える柔軟な体制が、ベンチャーならではの醍醐味です。
また、社内では「ありがとう」を言い合う文化を重視しています。報連相に加え、感謝を伝え合うことで、リモート環境でも信頼と安心のあるチームづくりができています。
日本の研究者が社会で輝ける未来を目指して
――今後の展望を教えてください。
今後は教育事業にとどまらず、企業研修や投資家向けセミナーなど、研究者が社会に直接知見を還元できる新たな取り組みも構想しています。大学や学問と実社会をつなぐ“橋渡し役”となり、研究成果を経済活動や社会課題の解決にダイレクトに活かす仕組みをつくりたいと考えています。
具体的には、企業内でのアカデミックな問題解決型研修や、投資判断における学術的なアドバイスの提供など、研究者の知見を実務に結びつける新たな活用法も模索中です。日本が「知」を起点とした競争力を高めていくためには、こうした取り組みが不可欠だと感じています。
また、学びの場を通じて、専門家と一般の人々が自然に交わる機会を増やすことにも価値があると考えています。研究者の知識を一部の専門領域に閉じ込めるのではなく、日常の延長線上に届けることで、社会全体の知的好奇心を刺激し、学習意欲や文化的な土壌を育てていきたいと願っています。
全力投球の今と、視野に入れる次のステージ
――日々のコンディションを整えるために意識していることや、今後やってみたいことがあれば教えてください。
サウナやジムで心身を整える時間を大切にしています。デスクワーク中心の仕事なので、意識的に体を動かし、温浴でリラックスすることでバランスを保つようにしています。
正直なところ、今は仕事以外に情熱を注げる余裕はあまりありません。それだけ、この事業に本気で向き合っているという証でもあります。
ただ、将来的には少しずつ心と時間にゆとりを持ち、仕事以外の領域でも新たな挑戦や学びに取り組んでいきたいと考えています。
人生のステージごとに情熱の注ぎ方は変わるもの。これから先、どんな景色が見えるのかを楽しみにしながら、一歩ずつ前に進んでいきたいと思っています。