OpenWill Inc. 代表 佐藤 正憲 氏
素材メーカーで24年間にわたり広報・宣伝・マーケティングを経験した佐藤氏。独立から1年足らずで、企業のパーパスやコンセプト策定からWEB・広告施策の実行支援まで、トータルなコミュニケーション支援を手がけています。経験を基盤にしつつ、幅広い領域へ挑戦する佐藤氏に、事業の強みやこれまでの転機、組織づくりの工夫、今後の展望について伺いました。
企業の強みを言語化し戦略に落とし込む
――事業内容について教えてください。
当社は企業コミュニケーション全般を支援しています。具体的には、ターゲットの明確化から価値の言語化、メッセージ開発、そしてそれをクリエイティブや施策に落とし込むまでを一貫して伴走しています。単なるWEB制作会社ではなく、上流の戦略から関わる点が特徴です。
強みは、前職で素材メーカーの広報・宣伝・マーケティングに長年携わった経験です。炭素繊維やテキスタイルなど「伝わりにくい素材の価値」を世の中に届けるため、ユニクロや航空機メーカーと共に価値を再定義する取り組みを行ってきました。その経験を活かし、今はホテルやゲストハウス、住宅や物流関連企業など異なる業界でも「体験価値」「事業価値」として訴求する支援をしています。クライアントの潜在的な強みを掘り起こし、未来につながるブランド戦略へと変換することが当社の役割です。
人生100年時代に選んだ独立という道
――独立の経緯をお聞かせください。
前職は恵まれた環境でしたが、「人生100年時代、1社だけで終えていいのか」という思いが次第に強くなってきました。日本企業の99.7%を占める中小企業に、自分のスキルや知見を役立てたいと考えはじめたことが大きなきっかけです。
自信をつけるためにビジネススクールでマーケティング全般や経営を学び直し、準備を整えてから独立しました。創業当初はボランティアで湘南のホテルイベントを企画し、体験価値を高める機会を提供しました。全国から50名以上が集まり、地域や宿泊施設の魅力を再発見してもらえたことが印象的でした。その経験が今の事業の方向性につながっています。
パートナーと描く共創型の組織づくり
――組織運営で意識していることは何ですか。
現在は代表の私と、数名の業務委託パートナーで活動しています。制作を依頼する外注先ではなく、対等な「パートナー」と位置づけ、共通のゴールを描きながら意見を出し合うスタイルを大切にしています。
デザインやWEB制作でも「指示する」のではなく「共に考える」。そうすることでメンバーの主体性が引き出され、より良い成果につながっています。小規模ながらも風通しの良い体制を築くことで、挑戦に柔軟に対応できる組織を目指しています。
コーチングも取り入れて未来を切り拓く
――今後の展望を教えてください。
中期的には組織を拡大し、3年で事業規模10倍を目指しています。そのための仕組み化と人材採用が最大の課題です。交流会や経営者コミュニティを通じて優れた人材に出会い、共に成長できる仲間を増やしたいと考えています。
また、マーケティングやブランディング支援に加えて、コーチングスクールで得た知見をベースとした個人向けコーチング事業にも注力しています。マネージャーや経営者が抱える育成の悩みや、自分のあり方に迷うビジネスパーソンに寄り添い、本来のポテンシャルを引き出す支援を継続していきたいです。
「未経験の領域でも挑戦することでできることが増えていく。私自身がそうだったように、誰もが自分のありたい姿に近づけるはずです。これからも挑戦を続け、企業と人の可能性を広げていきたいと思います」
サーフィンで心を整え新たな発想を得る
20年来の趣味であるサーフィンが、心身のリセットに欠かせません。月に2〜3回は千葉や湘南の海に入り、波と向き合う中で思考が整理され、新しいアイデアも生まれます。海に行く前日は今でもワクワクするほどで、自分に合った生涯スポーツだと思っています。
サーフィンを通じて得た仲間も大切な財産です。挑戦を続ける経営姿勢と同じように、趣味の世界でも向上心を持ち、仲間と切磋琢磨しながら続けていきたいです。
これからも仕事と趣味を両立し、柔軟に未来を描いていきます。

