伝統のだし文化を次世代へ!ヤマキウ株式会社・鈴木氏が描く「食」と「未来」の経営道

ヤマキウ株式会社 8代目アトツギ 鈴木彰 氏

創業1892年(明治25年)、130年以上にわたり「節」や「だし」を扱ってきたヤマキウ株式会社。飲食店、ホテル、旅館、給食センター、さらには全国の人気ラーメン店まで、数多くの食の現場を支えてきました。本記事では家業を継ぐ道を選び、時代の変化に挑みながら伝統を次世代につなぐ鈴木氏に、事業の歩みと経営の思想を伺いました。

創業明治25年から受け継ぐ伝統事業を次世代へ

——御社の事業内容を教えてください。

弊社は、創業明治25年の「鰹節屋」「だし屋」と呼ばれる会社です。かつお節や昆布だけでなく、煮干しや雑節など幅広い素材を扱っており、お客様に合わせたブレンドを提案しています。まるでコーヒー豆のように「配合」を変えられるのが特徴で、飲食店、ホテル・旅館、給食センターなどに加え、最近では人気ラーメン店でも弊社のだしが活用されています。

歴史の深さが唯一無二の強み

——会社として大切にしている理念は何でしょうか。

私たちの強みは「歴史の深さ」です。明治25年に創業し、130年以上続いてきました。短期的な利益はもちろん大切ですが、私たちが最も重視しているのは「未来の子孫が健やかで豊かな食生活を送れるかどうか」です。

食の世界は完全栄養食や化学調味料をはじめ便利な選択肢が増えています。増えること自体は多様性の時代に合っていると思いますが「食卓を囲んで楽しむ」という体験が失われてはいけない、と考えています。

人口爆発や気候変動、戦争といったグローバルな課題に直面する中で、「人が増えても健康で楽しい食生活が送れる社会」を実現すること。だしを扱う私たちの役割は、その基盤を支えることだと信じています。

少数精鋭で事業を展開

——業界内での御社ならではのポジションや強みはどこにあるのでしょうか。

従業員は約10名と小規模ですが、その規模感こそが強みです。大手のように画一的な商品ではなく、一方で小規模すぎて供給力が足りないということもない。「ちょうどいい規模感」で多様な素材を扱い、お客様に最適な提案ができます。

たとえば、ラーメンチェーンが成長期にあった頃に弊社のだしを活用いただいた実績もあります。すしチェーンも同様で、規模が拡大する中でコスト優先に切り替わったケースもありますが、成長の節目に寄り添える会社であることを誇りに思っています。

さらに原料の仕入れから加工、提案までを一貫して行うことで、「柔軟さ」と「安定供給」を両立できるのも大きな強みです。

伝統と革新のバランスを問い続ける日々

——ご自身の経歴と、家業を継ぐ決意に至った経緯を教えてください。

子どもの頃から「いつかは継ぐのだろう」と思っていました。高校生の頃には30歳前後で家業を継ぐイメージを持っていましたね。

大学では明治大学商学部に進学し、卒業後は電子部品の専門商社でプロジェクトマネージャーとして経験を積みました。その後、老舗企業の弱点でもある「デジタル分野」に挑戦するため、自らデジタルマーケティング会社を立ち上げました。

とくにコロナ禍の経験は大きく「事業は能力だけでなく、運やタイミングによって左右される」と実感しました。起業を通じて培った経験は、現在の家業にとっても大きな財産になっています。家業を継ぐ際に「伝統と革新をどう両立するか」という課題意識を持てたのも、外の世界で修行を積んだからこそだと感じています。

新しい時代に合った「老舗だからできる戦い方」を

——今後の展望について教えてください。

「老舗=伝統に縛られる」というイメージを変えていきたいです。弊社は提案力と守備範囲の広さを武器に、より多様な飲食店やブランドに寄り添える存在を目指します。

また、未来における食料問題や食文化の変化に対応しつつも、「楽しい食卓」を守り続けること。これが私たちの一番の目標です。たとえば、今後はデジタル技術を活用して「だしの魅力を可視化」し、消費者や若い世代に伝えていく取り組みも強化していきたいと考えています。

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