I&U DESIGN 代表 伊藤 恵理子氏
I&U DESIGNは、WEB制作と教育という二本柱で事業を展開しています。未経験からWEBの世界に飛び込み、現在は制作の現場と教育の場を行き来しながら、自身の経験を受講生にも還元する伊藤恵理子代表。家族との移住をきっかけに起業し、短期間で確かな実績を積み重ねてきました。本記事では、事業内容や経営の背景、組織運営への想い、今後の展望、そしてプライベートの一面について伺いました。
WEB制作と教育、二本柱の事業展開
――現在の事業内容について教えてください。
当社の事業は大きく分けて二本柱があります。ひとつはWEB制作で、中堅・中小企業や個人事業主向けにホームページ制作やLP制作を行っています。ブランディングやマーケティング施策に必要な戦略設計、各種撮影手配など、付随するご依頼にも柔軟に対応しています。
もうひとつが教育事業です。自ら主催している「WordPress講座」では、主に在宅で働きたい女性、特に子育て中のママさんを対象に、未経験からでも自分でサイトを作れるようになる講座を行っています。また、業務委託で参画している「ママウェブオンラインスクール」ではコーディングの講師を務め、企業やチームで活躍できるスキル習得を支援しています。
昨年は制作が売上の8割を占めていましたが、今年は教育が6割に増加しており、事業比率が大きく変化しています。制作と教育の両輪で、社会に価値を提供できる体制を築いています。
移住と育児を経てたどり着いた経営の道
――起業に至ったきっかけを教えてください。
東京で約10年間会社員として働いた後、夫が家業を継ぐため福岡へ移住することになり、前職を退職しました。ちょうど子育てで育休を取っていた時期でもあり、このままでは自分のキャリアを続けられないと感じました。そこで「育児と両立しながら家でもできる仕事」としてWEBデザインを学び始めたのが最初の一歩です。
未経験からの挑戦でしたが、試行錯誤して完成させたwebサイトが世に出る感覚がとても楽しく、本格的に学習にのめり込んでいきました。思った以上に自分に合っており、スキルが家業にも役立つと確信。2023年に事業を本格的にスタートしました。
最初はオンラインで全国から案件を獲得し、徐々に地域の顧客にも広がっていきました。実績を積む中で自信を得られたことが、経営を続ける大きな原動力になっています。気づけば教える立場にもなっていて、「学ぶ側から教える側へ」移行していく過程は自分としても印象的でしっくりくるものでした。
顧客に寄り添う制作と、社員に代わる信頼関係
――組織運営やお客様との関係性で意識していることを教えてください。
I&U DESIGNは私一人で運営していますが、制作では外部のデザイナーやコーダー、撮影者や動画編集者などと協力する体制を取っています。すべての窓口は私が担うため、情報の齟齬やタイムロスがなく、クライアントの思いを最後まで一貫して形にできることが強みです。
また、前職でシステム開発企業の人事部門を経験していたことから、社内課題の解決に寄り添う視点を持っています。単に「見栄えの良いデザイン」を提供するのではなく、採用や業務効率化といった経営上の本質的な課題に応えるデザインを意識しています。
顧客層は音楽教室やダンス教室、学童保育など教育関連が多く、最近では住宅系の案件も増加しています。SNSを活用した採用支援など、顧客のニーズに合わせた総合的なWEB戦略の提案も始めています。
音楽と家族の時間がリフレッシュの源
――プライベートでの趣味やリフレッシュ方法を教えてください。
趣味は音楽で、20代の頃にジャズバンドを組んでいたこともあり、ピアノを弾いたりライブを聴きに行ったりする時間が大切です。音楽に触れることで気持ちが整い、新しい発想も生まれます。
また、家族との時間も大切にしています。関東から引っ越してきたばかりなのですが、福岡は食文化が豊かで、イカやブリといった新鮮な魚や水炊きなど、家族や友人で地元の味を楽しむことが日常のリフレッシュになっています。子どもが通うアート教室を通じて、デザインや創作に触れる機会も多く、仕事との良い相乗効果を感じています。
マーケティング領域への挑戦
――今後の展望についてお聞かせください。
これからは制作に加えてマーケティング分野を強化していきたいと考えています。SNS広告やMEO対策、AI対策、保守運用など継続的なサポートへの需要が高まっているため、デザインだけでなく集客全体を支援できる体制を築くことが目標です。
特に最近力を入れている住宅分野ではWEB戦略が企業成長に直結するため、デザインから導線設計、広告運用まで一貫して提案できるようにしていきたいと思います。さらに、教育事業で育成した生徒をプロジェクトに参画させ、実践経験を積ませながらチームを強化する仕組みづくりも進めています。
3年後には売上を3倍にすることを目指し、制作と教育、そしてマーケティングを融合させた事業モデルを確立していきたいです。

