株式会社トリニティボイス 代表取締役 宮 智美 氏
声や話し方、言葉の選び方で成幸を掴む。成功ではなく、しあわせという意味を込めた成幸を。株式会社トリニティボイスの宮 智美氏は、自身の経験から声色や話術をほんの少し意識するだけで、その先の未来が変わると想いを語りはじめました。個人事業主から現在はひとり社長。日本とタイを行き来しながら事業を織りなす宮 智美氏に今回は事業への想い、立ち上げまでのヒストリー、今後の展望を伺います。
カラダ、ココロ、声の三位一体をととのえるボイスコーチング事業
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
カラダ、ココロ、声。これらの三位一体がそろって初めて人は成幸するものだと思っています。私はボイスコーチング事業をしていますが、単なる話し方の先生ではなく、メンタルやあり方など内側からも整えるお手伝いをしています。具体的には発声や活舌などの外側のスキルとメンタルやあり方など内側からのアプローチを一緒にやっています。
たとえば、「伝えたいことがある」とき。
ただ声を張り上げれば届くわけではありません。
どんな言葉を、どんな表情で、どんな“音色”で届けるか
——その設計によって、相手の心に響くかどうかが決まります。
声は体にとって「楽器」です。楽器だって、メンテナンスは必要ですよね。そして、大きく奏でれば演奏がきれいに聞こえるわけではなく、強弱をつけたり、音高低さをだしたりと、さまざまな工夫を演奏者が考えます。声も楽器と同じなのです。
言語化で、一人ひとりの未来を変えていく
――経営者を目指されたきっかけを教えてください。
ボイスコーチング事業は、個人事業の活動として最初はスタートしました。息子が小さいときに主人を亡くしていて、そこから奮起することを考えたときにまずは家族を支えることを一番に考えて、自分がやりたいことというよりもお金のために働きはじめました。
その中で、思うように言語化できずに伝えたいことが伝わらず、そのうちに結果がでないジレンマを抱える人たちをたくさん見てきました。ですから、現在の事業ではそういったプレゼンのように重要な局面でパフォーマンスを発揮できるようにと、声や話し方をコーチングすることによって、一人ひとりの人生を変えていけたらと思っています。
日本とタイを行き来しながら、声で人生を創造するお手伝いを
――日本とタイを行き来されながら事業を展開しているとお伺いしましたが、今後の展望は?
基本的にはタイにいながら、会社が日本にあるので何回か日本に来ます。オンラインミーティングがほとんどですが、細かく出張を入れるというよりも長期滞在を何回か予定として入れるようなイメージです。もちろん、日本以外の海外にもよく仕事で出かけます。ホームページには載せていませんが、国連の司会もさせていただきました。世界的に活躍されている方々が一堂に会するので、私にとっても良い経験となりました。
日本の子どもたちは今、不登校やいじめが問題になっています。自殺率も高く、自己肯定感が低いと耳にしたこともあります。
これは個人的な意見ですが、いじめられる側もつらいけれど、いじめる側もなにかつらさを抱えていると思います。「うざい」「ヤバい」で感情表現が完結する時代ですが、物事の本質を言語化できていません。同じように怒るとしても、私はどんなことに怒りを感じていますとは、今の子どもは言えないのではないでしょうか。
次世代の道を声や話し方という観点から光を照らしていく。話し方を一つ意識するだけで、これだけ世界が変わるのだとボイスコーチング事業を通してお伝えできたらと思っています。
どんなときも「軸のある人間」でいたい
――なにかプライベートで大切にされている価値観はありますか?
人の声には、心の姿勢が映し出されます。
だからこそ私自身、どんな時も“声の在り方”を大切にしています。
姿勢が整い、声が通ると、人生の流れも整っていく。
私はその奇跡のような瞬間を、これからも見届けていきたいのです。
声と話力を通して、人が自分らしく生きる未来をつくるために。

