大栄産業株式会社 代表取締役 山本 康雄 氏
「工場に必要なものは、すべて揃う」。そんな言葉が似合うのが、大産業株式会社です。工作機械や切削工具をはじめ、測定機器、物流機器、さらには清掃ロボットまで、幅広い製品を扱う専門商社として、製造業の現場を支え続けています。単なる物品販売にとどまらず、お客様の利益を第一に考えた伴走型の提案を行う同社。今回は代表に、事業内容や創業の背景、組織づくり、そして今後の展望について伺いました。
お客様に求められるものはすべて揃う
—— 御社の事業内容について教えていただけますか。
当社は、製造業を中心としたお客様に向けて、工作機械や切削工具、測定機器、物流機器などを幅広く提供する専門商社です。自動車や航空機の部品加工現場を支える工具・機械を中心に、工場で必要とされるあらゆる設備や消耗品を取り扱っています。
具体的には、鉄や非鉄金属を加工するためのドリルやエンドミルといった切削工具、完成品の品質を保証するための測定機器、さらには工場の稼働を支えるフォークリフトやロボットなど、何万点にも及ぶ品目をラインナップしています。
「お客様に求められるものはすべて揃う」ことを強みとし、単なる販売業ではなく、お客様の利益を考えた提案型の商社であることを心がけています。ときには「今は購入の必要がない」とお伝えすることもあります。そこには、長期的に信頼されるパートナーでありたいという思いがあります。
ものづくり産業を支えたい
—— 創業の背景や、事業を続ける上で大切にしていることを教えてください。
私は創業者ではありませんが、受け継いでいる精神は、「ものづくり産業を支えたい」という強い想いです。製造業の現場は、日本経済を支える根幹でもあり、一人ひとりの生活を豊かにする基盤でもあります。そこに関わる人々が安心して働けるように、必要なものを迅速かつ確実に届ける。それが当社の使命だと考えています。
また、当社では「Sharing Happiness!」という理念を掲げています。これは、取引先や社員、お客様など、関わるすべての人と幸せを分かち合いたいという想いを表しています。人と人との信頼関係を大切にし、長く付き合える存在でありたい。その姿勢こそが、私たちの事業の根底に流れる考え方です。
自分がお客様の立場だったら
—— 組織づくりや人材育成において意識されていることはありますか。
お客様に寄り添う姿勢を徹底するためには、社員一人ひとりが「自分がお客様の立場だったらどうか」と考えることが欠かせません。そのため当社では、単なる商品知識にとどまらず、課題解決の視点を持った人材育成に注力しています。
たとえば、新人研修では取扱商品の基礎を学ぶだけでなく、実際にお客様の現場に足を運び、どのように使われているか、お困りごとは何か?を体感することを重視しています。現場を知ることで、机上の知識ではなく「実際に役立つ提案」ができる人材に育っていきます。
AIやIoTを活用した支援体制を
—— 今後の展望についてお聞かせください。
まずは既存事業の基盤をより強固にしつつ、中古機械やリサイクル事業といった取り組みも拡大していきたいと考えています。資源を有効活用し、環境負荷を減らすことは、これからの時代に不可欠です。
また、デジタル化や自動化が進む製造業において、当社が果たすべき役割も進化していきます。オンラインでの受発注体制を整備し、AIやIoTを活用した生産支援にも取り組むことで、お客様の生産現場の効率化にさらに貢献していきたいと思っています。
最終的な目標は、現場の生産性工場だけでなく、組織の問題から、人の問題まで「大産産業に相談すれば解決できる」と思っていただける存在になることです。製造業の頼れるインフラとして、これからも挑戦を続けていきます。
支えてくれる仲間を、これからも信じて
—— 最後に、読者やこれから経営を目指す方にメッセージをお願いします。
新しい挑戦をするときは、不安や迷いもつきものです。しかし「お客様のために」「社会のために」という確かな目的があれば、必ず支えてくれる仲間が現れます。私たちもその積み重ねでここまで歩んでこられました。これから起業を志す方や、新しいステージに挑む方にとって、当社の取り組みが少しでもヒントになれば嬉しいです。

