株式会社GSN 代表取締役 朴 恵鈴 氏
日本全国に約2200ヵ所あるゴルフ場。その多くがバブル期に建設され、今では経営に苦しむ施設も少なくありません。そんな中「まだ知られていない日本のゴルフ場を海外に伝えたい」という想いで活動を続けているのが株式会社GSN代表の朴氏です。SNSを起点にインバウンドゴルフツアー事業を展開し、韓国を中心とした海外ゴルファーに日本の魅力を発信しています。今回は、朴氏に創業の背景や事業への想い、今後の展望を伺いました。
ゴルフの魅力を世界に向けて発信
──御社の事業について伺わせてください。
株式会社GSNは、外国人向けのゴルフ場紹介・ツアー企画運営を中心に、YouTubeやSNSを活用した情報発信を行う企業です。韓国語と日本語の両方で配信を行うことで、海外のゴルファーと日本のゴルフ場をつなぐ橋渡し役を担っています。
日本に住んでいる外国人が、自国に向けて日本のゴルフ場を発信するチャンネルはあまりありません。その点が弊社の大きな強みです。弊社では、ゴルフ場紹介だけでなく、現地撮影、ツアー企画、宿泊や移動の手配なども一貫して対応いたします。まだ知られていない地方の素晴らしいゴルフ場を、海外の方に体験してもらいたいという想いで、日々SNSを通じた情報発信に力を入れています。
最初は趣味で始めたSNSでの発信活動
──起業に至るまでの経緯を教えてください。
弊社の始まりは、私自身の趣味で始めたYouTube配信でした。ゴルフ場の映像を紹介するうちに、韓国のフォロワーから「もっと詳しく知りたい」「予約をしてみたい」という声が増え、それが正式な事業立ち上げのきっかけとなったのです。
最初はただ楽しく配信していただけでした。でも、視聴者からの反応が大きくて、“これは本格的にやるべきだ”と思ったのです。コロナ禍を機に前職を退職し、YouTubeでの反響をもとに起業。その根底には「日本のゴルフ業界に貢献したい」という想いがあります。
ひとりで自由に活き活きと働くスタイル
──現在の運営体制で工夫されている点はありますか?
現在、ほぼ私一人で事業を運営しています。動画編集の一部を外注しながらも、問い合わせ対応や予約手配などはすべて私が行います。韓国語と日本語の両方で対応できる人材が少ないので、どうしても自分でやる範囲が多くなりますね。
事業拡大に伴い社内の環境をととのえることから
──今後の展望は何かありますか。
今後は、業務のシステム化と人材拡充を進めたいと思っています。問い合わせ対応がとにかく多いので、予約や見積もりを自動化できるシステムを構築したいと思っています。現在は1件ずつ丁寧に対応しているのですが、海外のお客様も増えてきており、スピードと正確さの両立が今後の課題です。
システム化によって業務効率を高めることで、より多くの顧客に柔軟に対応できる体制を整える狙いがあります。単なる効率化ではなく、データを活用して“お客様一人ひとりに合った提案”ができるようにしていきたいと。たとえば、プレーの傾向や滞在エリアの好みを分析して、最適なプランを自動的に提案できるような仕組みを考えています。
今はゴルフ場を中心に発信していますが、今後は宿泊施設や飲食店、観光スポットなども紹介していきたいですね。ゴルフをきっかけに、日本各地の魅力を発信できるようにしたいのです。単なるスポーツの予約代行にとどまらず、地域と旅行者をつなぐ観光促進のハブとしての役割を担いたいという考えです。
仕事も趣味もゴルフ一色
──経営するうえで大切にされていることはありますか。
私が経営で大切にしているのは行動すること。何もしなければ何も起きません。アイデアが浮かんだら、まずは動いてみる。それが結果につながると信じています。
尊敬するのは、以前勤めていた会社の社長で、その社長にゴルフを教えてもらったことが今の自分の人生を変えました。心から感謝しています。プライベートの楽しみもやはりゴルフですね。仕事でも趣味でもゴルフ。ラウンドしている時間が一番リラックスできます。
日本のゴルフ場は本当に素晴らしい。まだ知られていない魅力を海外の方にももっと伝えていきたいと思います。

