合同会社Shinzaki/男性美容専門店EPIR 代表 新崎みのり氏
男性美容専門店EPIRを運営する合同会社Shinzakiは、メンズ脱毛・フェイシャル施術に加え、全国の個人サロンに向けた技術指導や理論教育を行うエステティック企業です。代表の新崎氏は、「正しい理論」と「誠実な施術」を軸に、現場の課題解決と業界全体のレベルアップに取り組んできました。本記事では、事業の特徴、経営の考え方、そして今後の展望について伺いました。
正しい理論で結果を生む男性美容サロンとして
――現在取り組んでいる事業内容と特徴について教えてください。
男性美容の専門店として、メンズ脱毛とフェイシャルエステを軸にサービスを展開中です。
さらに個人サロン向けの技術指導・理論教育にも注力しており、現場に赴いて施術の改善をサポートするほか、月10回のZoom勉強会を通してサロンですぐに活用することができる皮膚理論や解剖生理学など基礎知識を学べる環境を整えています。
感覚的な施術に頼るのではなく、理論を理解して結果に結びつけることを大切にしています。
――業界内での強みやポジションはどのような点にありますか。
一般社団法人エステティックグランプリで常務理事を務めており、技術と理論の両面から相談を受ける機会が多い点が強みです。
EPIRとしてはBtoCの施術提供、代表としてはBtoBの技術指導に関わることで、現場の知見を循環させながらサービスの質を高めています。
技術者から経営者へ――理論と誠実さが原点
――エステティック業界に入ったきっかけを教えてください。
20代の頃から「いつかエステティシャンになりたい」と思っていましたが、30歳手前になって「まだ間に合う」と感じ、専門学校へ進学しました。
学びをそのまま仕事に活かせる喜びが大きく、理論を理解したうえで施術すると結果が劇的に変わることに魅了されました。理論に弱いまま現場で苦労している人が多い現状を知り、力になりたいと思ったことが原点です。
――経営する上で大切にしている価値観は何でしょうか。
「正直に、誠実に、真っすぐに」という姿勢です。
美容業界は誇張表現や曖昧な訴求が残りやすい領域ですが、私たちは真正面から向き合い、本当に必要な施術や回数だけを提案しています。信頼は一朝一夕では築けませんが、誠実な姿勢が長期的な関係に繋がると考えているからです。
――これまでのキャリアで特に印象に残っている出来事はありますか。
広告費をかけずに、口コミだけで関西の人気サロン1位に選ばれたことです。
予約が数カ月先まで埋まり、「見え方が変わるだけで人の流れがここまで動くのか」と強く感じました。良い意味でも大変な意味でも、転機になった出来事です。
理論教育と男性美容で広げる事業の可能性
――組織運営の特徴や現在の体制を教えてください。
現在の従業員は正社員1名、パート1名の少人数体制です。
男性専門店として運営しており、スタッフも全員男性に統一しています。デリケートな施術が多い領域だからこそ、安心して利用いただける体制づくりを重視しています。
――今後の展望や挑戦したい取り組みについてお聞かせください。
まずはEPIRのメンズ脱毛・フェイシャルをさらに広めるため、サロンの稼働を強化しながらスタッフ増員にも取り組んでいきます。加えて「エピルスターターアカデミア」を通じた技術・理論教育を拡大し、潰れてしまう個人サロンを減らすことが目標です。
さらに自社のオリジナル化粧品の開発を進めており、「イケメン量産」というコンセプトをより多くの人に届けたいと考えています。
――現状の課題として感じている部分はありますか。
施術改善サポート、Zoom勉強会ともに必要としているサロンへどう届けるかが大きな課題です。
SNSと紹介が中心ですが、認知を伸ばすには仕組みがまだ不十分だと感じています。また専門性の高い職種のため採用も容易ではなく、こだわりを共有できる人材を見つけることにも苦労しています。
美容を「楽しみ続ける」ためのリフレッシュ方法
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
休みの日もエステに行くことが多く、仕事とプライベートの境目があまりありません。
知らないサロンにこっそり訪れて技術を観察することもあれば、知り合いの施術を受けて学ぶこともあります。どんなサロンにも学びがあり、私にとっては半分趣味で半分仕事のような時間です。
――中小企業の経営者やこれから起業を目指す方へのメッセージをお願いします。
どの業界でもやり方はさまざまですが、最後に残るのは誠実さだと思います。
まっすぐ向き合い、嘘をつかず、丁寧に積み上げていけば、困ったときに手を差し伸べてくれる人が自然と周りに集まります。ひとりで抱え込まず、誠実に取り組む仲間とともに進んでいってほしいです。

