人の力でつなぐ中国会計税務――中国ビジネスの現場から描く新しい経営支援のかたち

上海MTAC企業管理諮詢有限公司 董事長兼総経理 太田 早紀氏

上海MTAC企業管理諮詢有限公司は、中国・上海を拠点に日本企業の現地法人を対象とした中国における会計記帳や税務申告の支援を専門とする企業です。2008年の設立以来、制度と現場の両面から中国に進出した日本企業の経営を支えてきました。

日本の税理士事務所と連携し、中国現地における法改正や行政対応に柔軟に対応しています。AIや自動化が進む今だからこそ、“人が動く力”を重視し、現地の実務に寄り添う支援を続けています。

本記事では、董事長兼総経理の太田早紀氏に、経営の歩みと今後の展望を伺いました。

中国に進出した日本企業を支える会計・税務支援の専門家として

――事業内容を教えてください。

当社は、上海を中心に、日本企業の現地法人を対象とした中国における会計記帳や税務申告の支援・代行を行っています。

法人設立や登記変更、清算手続きなどにも対応し、中国進出企業がスムーズに経営できるよう包括的にサポートしています。

中国は法改正や行政手続きの変更が頻繁に行われる国です。現地制度に精通したネットワークを活かし、スピーディかつ正確な対応で企業の安心を支えています。

――上海で事業を始められた経緯を教えてください。

大学で歴史を学んでいた頃、旅先で訪れた中国の勢いに強く惹かれました。

卒業後は迷わず中国へ渡り、語学留学を経て日系の現地法人に就職しました。その後、会計業務に携わる中で、数字の裏にある経営の仕組みや人の動きに興味を持つようになりました。

現場で培った実務経験が、現在の仕事の基盤になっています。

従業員から経営者へ――事業承継に込めた想い

――経営者になられたきっかけを教えてください。

当社はもともと関西の大手税理士法人が投資して設立した会社です。創業者の引退に伴い、事業を引き継ぐこととなりました。

突然の依頼に戸惑いもありましたが、長年現場で培ってきた知識や経験を絶やしたくないという思いから、経営を担う決意をしました。

経営者となった現在は、協力企業や現地スタッフに支えられながら、実務に根ざした“等身大の経営”を大切にしています。

――経営者として大切にしている考え方は何でしょうか。

「楽しいが生きる原動力」です。

難しい局面でも、面白そうだからやってみようという気持ちを忘れないようにしています。

会計や税務といった一見堅い分野の中にも、新しい発見や工夫の余地があります。好奇心を持って仕事に向き合うことが、自分らしい経営のスタイルです。

信頼と実務力で築くグローバルネットワーク

――メキシコ企業との連携や海外ネットワーク構築の背景を教えてください。

メキシコで同様の事業を展開するパートナー企業とは20年来の関係があります。

国が違っても、会計・税務の課題は共通しています。地域ごとに異なる制度を補い合うため、信頼できる仲間との協力体制が欠かせません。

中国、メキシコ、日本それぞれの専門家と連携し、偏りのない情報共有を続けています。

――御社の強みや他社との違いはどのような点にありますか。

最大の強みは、私自身が中国現地における会計や税務の実務を深く理解し、すべての業務に携わっていることです。

現地スタッフに任せきりにせず、税務や会計の動きを自ら把握しながら業務を進めています。そのため、日本企業のニーズを的確に捉え、安心してご依頼いただける体制を整えています。

変化に対応する軽やかな経営モデル

――「ノンプレゼンス維持パッケージ」とはどのようなサービスですか。

近年は、中国子会社の人員を縮小する企業が増えています。

そうしたニーズに応えるかたちで、現地に常駐スタッフを置かずに法人を維持する「ノンプレゼンス維持パッケージ」を提供しています。

固定費を抑えながらも、中国における会計記帳や税務申告などの実務を代行することで、法令遵守とコスト削減の両立を実現しています。
日本本社からの指示のみで、中国法人を効率的に運営できる仕組みです。

――今後の展望をお聞かせください。

このサービスを、より多くの企業に知っていただくことが今後の目標です。

現在の課題は営業力の強化ですが、日本国内で税務業務を行う税理士法人や会計事務所との連携を通じて、紹介案件の拡大を図りたいと考えています。

また、グローバル市場の変化に対応しながら、中国現地での支援に特化した、柔軟かつ小回りの利くサポート体制を整えていきます。

AI時代の経営に向けて――挑戦を続ける理由

――今後のビジネスにおいて注目しているテーマはありますか。

注目しているのは「AIの活用」です。特に翻訳やコミュニケーションの分野では、すでに導入を進めており、中国現地とのやりとりをより円滑に行えるようになりました。

AIを活用することで、人的リソースを最小限に抑えつつ、精度の高い業務支援を実現しています。

――経営者として、これから挑戦したいことを教えてください。

グローバルビジネスにおいて最も大切なのは、人とのつながりと信頼関係だと考えています。

AIなどの新しい技術を積極的に取り入れながらも、「信頼は人が築くもの」という原点を忘れずに、日本企業が世界で安心して挑戦できる環境づくりに貢献していきたいと考えています。

仕事も人生も“楽しむ”が原動力

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

フラメンコを続けて約20年になります。情熱的な音楽に身を委ねる時間は、心を整え、仕事への集中力を取り戻す大切なひとときです。

積み重ねと調和を大切にするフラメンコの精神は、経営にも通じるものがあります。これからも、自分らしいテンポで、一歩ずつ前へ進んでいきたいと思います。

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