アスリート発の事業創造――スポンサー戦略から変えるスポーツの未来

株式会社RISE EIGHT 代表 草野佑太氏

株式会社RISE EIGHTは、プロスポーツチームの運営から企業のスポーツ支援まで幅広く携わってきた代表・草野佑太氏が、2025年8月に新たに立ち上げた事業体です。8年間のチーム経営とバスケット選手経験で培ったスポンサー戦略やマネジメントの知見を生かし、スポーツ領域を中心に顧問事業を展開しています。本記事では、草野氏のキャリアの歩みと、業界の未来を変えるための挑戦について伺いました。

スポーツ経営の経験を生かした「顧問事業」という新たな挑戦

――現在取り組んでいる事業内容と特徴について教えてください。

現在は、プロスポーツの運営で培った知見を生かした顧問事業を中心に活動しています。

スポンサー獲得の考え方や収益設計は、多くのチームやアスリートが課題を抱える部分です。選手兼経営者として8年間チームを運営してきた経験から、「スポンサーにどうロイヤリティを返すか」を徹底して考えてきました。

広告に価値が出にくい時代だからこそ、1万円のスポンサーを頂いたとしたら最低でもも1万1円にするような“回収設計”が重要です。依存関係をつくらず、立場に偏らない中立的な視点で戦略やアイデアを提供できる点が、現在の事業の強みだと感じています。

――スポーツ領域以外の企業とも関わる理由は何でしょうか。

現在の顧問先には、不動産や人材、AI、採用支援など、スポーツとは関係のない企業も多くあります。スポーツで得た知見は、実は異業種との掛け合わせでより大きな価値を生むと感じています。

スポンサーの課題を自分だけで解決する必要はなく、他社や他業種とつなげることで、スポーツとビジネスが両方成長できるモデルをつくれます。競技の枠を超えて価値を設計できる点は、私の経験が最も生かせる部分だと思っています。

異色のキャリアが導いた“経営者という選択”

――選手から経営者へ転身したきっかけを教えてください。

最初のきっかけは、スペインへ渡った際に個人アスリートとしてスポンサーを自力で集めた経験です。

異文化に触れ、多様な業種の方と関わる中で、自分で環境を切り開く楽しさに気づきました。その後、5人制バスケから3人制に転向したのも、より自由に動けるフィールドを求めたためです。

チームに所属するより、自分でチームを立ち上げた方が理想の活動ができると判断し法人化しました。また、人と同じ道に進むことに抵抗があり、AかBかではなく“Cをつくる”ことに価値を感じる性格が、自然と経営へと向かわせた理由だと思っています。

――ビジネスで大切にしている価値観は何でしょうか。

意思決定の速度と、成長に対する貪欲さです。

成長が止まる人には共通して、決断が遅いという特徴があります。時間のロスは、最終的にはお金のロスにもつながります。

また、ロールモデルは近くではなく、あえて距離のある人に置くようにしています。身近すぎると欠点が見えすぎてしまい、尊敬の純度が保てません。一定の距離感を保ちながら学ぶ方が、自分の成長につながると感じています。

組織に頼らない働き方と、外部連携が生む価値

――組織体制や外部パートナーとの関わり方について教えてください。

RISE EIGHTには正社員がおらず、ほとんどが業務委託やパートナー企業です。映像、クリエイティブ、制作物などの専門領域はすべて外部に任せています。

自身がすべてを抱えるのではなく、能力を持つ人が力を発揮できる環境をつくることが重要だと考えています。外部のプロと組むことで、関われる事業の幅も広がり、顧問先企業にもより良い提案ができるようになります。

――顧問先が増える中で、どのような課題を感じていますか。

事業開始から1カ月で顧問先は14社に増えましたが、まだ足りないと感じています。

顧問先が増えるほど、スポンサー同士のマッチングや、スポーツと異業種を掛け合わせた企画など、提供できる価値が大きくなります。初動でどれだけ数を集められるかが、今後の事業の可能性を左右すると考えています。

スポーツ業界の未来を変えるために

――今後の事業展望や、挑戦したい取り組みはありますか。

スポーツが「トップ選手だけが稼げる世界」から脱却し、ビジネスとして成立する産業へと変えていきたい思いがあります。

私はユニフォーム広告を一切使わずにスポンサーを獲得する方法を確立し、マイナースポーツでも数千万円単位の売上をつくりました。影響力のあるアスリートが同じ戦略を持てば、業界全体が変わる可能性は十分あります。

同時に、私自身が社会に対してどのようなアイコンになっていくのかも、今後2年ほどで模索したい部分です。コンサル業や顧問業はあくまで裏方の役割であり、もう一段上の“旗印”を見つけていきたいと考えています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

課題に直面したときほど、外部の力を借りてほしいと思います。内部だけで解決しようとすると判断が鈍り、時間もお金も大きなロスを生みます。

異なる領域とのつながりからこそ、新しい価値やチャンスは生まれます。

私自身の失敗や経験を踏まえても、外部と手を組むことがこれからの時代を生き抜く鍵になると感じています。

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