株式会社いなかの洗車屋さん 代表取締役 四家 将大 氏
ホンダディーラーの整備士から、24歳で出張洗車業として独立。現在は「出張洗車」と「オリジナル洗車ケミカルの開発・販売」という二本柱で事業を展開しています。車一台と道具さえあればどこでも仕事ができる「自由さ」に惹かれてこの道を選びました。数多くの商品をレビューし続けた経験から生まれたオリジナルケミカルは、「汚れを落としながらコーティングできる」「最短距離でキレイにする」ことにこだわったものです。現在は、一人で事業を回しながら、全国のユーザーに商品を届けています。
洗車が好きだと気づいた瞬間と、独立の決断
――もともと整備士をされていたとのことですが、どのような経緯で独立されたのでしょうか。
ホンダのディーラーで整備士として働き始めたのは20歳のときでした。仕事を続けるうちに、「自分は整備よりも、洗車している時間のほうが圧倒的に楽しい」と気づいたんです。ちょうどその頃、自動運転やEV化が進めば、整備の仕事は大きく変わるだろうと感じていました。でも、車が道路を走る限り、汚れは必ずつきます。だったら洗車の仕事はなくならないのではないか、と考えたのが出張洗車を始めたきっかけです。
そして、もう一つ大きかったのが、自分の性格的に「固定費がとにかく嫌い」だということです。車一台と道具さえあれば、融資を受けなくてもほぼ開業資金ゼロで始められる。そんなビジネスモデルなら、身軽に自由に働けると思って、24歳のときに独立しました。
最短距離でキレイにする――ケミカル開発へのこだわりと働き方
――オリジナル商品の開発は、どのような経緯で始められたのでしょうか。
出張洗車を始めて一年ほど経った頃、空いた時間でYouTubeチャンネルを立ち上げて、カー用品店に並ぶ洗車ケミカルを片っ端からレビューし始めました。さまざまな商品を比較していくうちに、「どうしてどの商品もここがこうなっていないんだろう」という不満がどんどん出てきたんです。理想の商品に出会えないなら、自分で作るしかない。そう思って工場と提携し、こちらの理想を細かく伝えながらオリジナルケミカルの開発をスタートしました。
一番のこだわりは「どれだけ早く、満足のいく仕上がりまで持っていけるか」です。出張洗車は数をこなす仕事なので、タイムイズマネーの世界です。一般的なケミカルは「汚れを落とす」「コーティングする」が別工程ですが、うちの商品は汚れを落としながらコーティングまで完了させる設計にしています。工程が一つ減るだけで仕上がり時間はぐっと短くなりますし、それでいて撥水も強い。面倒くさがりな人こそ弊社の商品を試してほしいですね。
――仕事をするうえで大事にしていることを教えてください。
働き方としては、以前は社員を雇っていた時期もありますが、今は完全に一人です。もともと自由を何より大切にしているので、社員がいたときも「終わったら午前中で帰っていい」「やった分だけ分配制で給与を渡す」というスタイルで、とにかく縛らないことを意識していました。
ラベル貼りひとつにしても、自分の目の届かないところで雑にされるのが嫌で、最終的にはすべて自分でやるようになり、一人が一番向いていると感じています。
肩の力を抜いて、「自由に楽しく」の感覚を大切にする
――今後の展望について教えてください。
理想だけでいえば、いつか全国のカー用品量販店の棚に自社の商品が並ぶようになればうれしいです。ただ、高い目標に自分を縛りすぎると、かえって苦しくなってしまうことも身をもって学びました。
もともと自由になりたくて始めた事業なのに、いつの間にか目標のためにがんじがらめになっていた時期もあります。今は肩の力を抜いて、「毎日、洗車と商品発送をしながら、自由に楽しく暮らせていればいい」という感覚で仕事をしています。
――プライベートはどのように過ごしていますか。
プライベートでの一番のリフレッシュは、3人の我が子と遊ぶ時間です。
仕事が趣味のようなものですが、子どもの笑顔や寝顔を見ていると、リフレッシュになりますし、「また明日も頑張ろう」と思えます。
「洗車はもっと気楽に、シンプルに」を伝えたい
――読者の皆さんへのメッセージをお願いします。
洗車に対して少し構えすぎている方にお伝えしたいのは、「深く考えすぎですよ」という一言です。毎回完璧を目指そうとすると、洗車そのものが億劫になってしまいます。お手持ちのタオルでサッと拭くだけでも十分ですし、「時間をかければいい」というものでもありません。
もっとシンプルで、もっと気楽で大丈夫です。困ったときは、弊社のホームページや動画をのぞきに来てください。「洗車って、こんなに簡単でいいんだ」と感じていただければ嬉しいです。

