地方の情報発信と特産品づくりを両輪に、地域の価値を外へ届ける挑戦と原点

一般社団法人日本地域価値協奏社 代表理事 重田 直人氏

人口1.3万人台の小さな町・兵庫県佐用町で、地域の価値を外へ届ける仕組みづくりに挑む団体、一般社団法人日本地域価値協奏社。地域メディアの運営と特産品開発を組み合わせ、情報発信と外貨獲得の両面からまちづくりを進める組織です。代表を務める重田直人さんは、大学時代に芽生えた地元への思いを胸にUターンし、2024年に社団法人を設立、事業を本格化。観光資源であるひまわりを活用したクラフトコーラや、同志社大学と連携したクラフトビールなど、地域の資源を形にしながら新たな循環を生み出しています。本記事では、代表の重田直人氏に、現在の取り組みや今後の展望について伺いました。

メディア×特産品でつくる地域発信の循環モデル

――現在の事業内容や特徴について教えてください。

当社では、兵庫県佐用町を拠点に、地域メディア運営や特産品開発を通じた「地域の価値を創出し、外貨を獲得する仕組みづくり」を進めています。

大学時代に芽生えた地元への関心をきっかけにUターンし、2024年に社団法人を設立し本格的な体制を整えました。地域の資源を生かし、持続的な事業を中心としたまちづくりの挑戦を続けています。

――事業の中心となる取り組みについてお聞かせください。

当社は「まちづくり事業」として、地域メディアの企画運営・地方企業のマーケティング支援・特産品開発販売の三領域を展開しています。地域メディア「ええやんサヨウ」では、地域情報や町内事業者の紹介等を行なっており、佐用町の価値を町外の方へ届ける役割を担っています。

それと並行して、ひまわりの種を原料にしたクラフトコーラ「ひまわりコーラ」など、同志社大学の学生と連携したクラフトビールなど、地域素材を活用した特産品の開発と販売も進めています。メディアと商品を連動させることで、地域の魅力を発信しながら外貨獲得につなげる循環を設計している点が、当社の特徴です。

「先義後利」に基づく地域最適の経営姿勢

――経営において大切にしている価値観は何でしょうか。

当社が大切にしているのは、地域に価値の循環が生まれる状態をつくることです。

地域社会や地域事業者が価値を生み出せるようになることで、地域全体の底上げにつながり、結果として経済的な好循環が生まれると考えています。

もともとスポンサーフィーに依存して運営していた地域メディア「ええやんサヨウ」についても、クラフトコーラなど自社事業の収益を運営費に充てる仕組みに転換しました。これは、特定企業に負担を求めるのではなく、より多くの方に公平に使ってもらえる広報媒体にしたいという思いがあったためです。

また、個社最適ではなく地域全体の持続性を重視し、企業や住民が長期的に暮らし働ける環境づくりを目的に事業を設計しています。短期的な売上以上に、関係人口の増加や地域への関心が高まることを成果と捉えている点も、当社の特徴です。

地域で働く力を育てる人材戦略と組織づくり

――組織づくりの方針や、人材に対する考えを教えてください。

現状は、2名の理事と数名の業務委託で構成していますが、最大の課題は「クリエイティブ人材の不足」です。特にweb制作やライティングなど、地域で担える人材が限られているため、外部委託を併用しながら運営している状況です。

今後は佐用町内でライター育成講座を実施し、稼げるスキルを持つ人材を町内に増やしたいと考えています。単に人手を補うのではなく、地域に新しい仕事の循環をつくることを目的とし、学びと実案件がつながる仕組みづくりも視野に入れています。

佐用町を起点にした事業拡大とモデル化への歩み

――これから、どのような事業展開を考えているのでしょうか。

短期的には、特産品のラインナップ拡充と販路拡大・安定化を進め、社団法人としての売上を成長させたいと考えています。その上で、メディアと特産品を連動させた「外貨獲得のサイクル」をモデル化し、他地域にも展開できる形へブラッシュアップしたいと思っています。

持続可能な地域経済をつくるうえで、外部人材の関与、移住希望者との接点づくり、地域外からの需要創出は不可欠です。地元発の価値をどのように外へ届けるかを見据えながら、多角的に成長基盤を整えていきたいと考えています。

地域に根ざし、目的を軸に進む個としての姿勢

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

趣味はゴルフで、時間があればコースに出ています。クラブを自作することもあるくらい、ゴルフが好きです。

自然の中で体を動かす時間は、頭の中をリセットできる大切なひとときになっています。新しい事業のアイデアや、地域の方々との取り組みをどう進めるかなど、自然と考えがまとまる感覚があります。

経営者になること自体を目的にしてしまうと、事業は続かないと思います。自分が何を実現したいのか、その目的をしっかり持つことが本当に大事です。

地域で事業をするからこそ見えてくる価値やつながりがある――この考えを大切にしながら、これからも地方で挑戦を続けていきたいと思います。

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