最強のビジネスマン集団で挑む人材業界の革新――“リスジョブ”が描く成長戦略
ライフワンズメディア株式会社 代表取締役社長 中村幸平氏
ライフワンズメディア株式会社は、「1人1人の人生を豊かに彩る基盤を構築し、日本に明るい未来を創造する」という理念を掲げ、人材不足が深刻な医療・福祉業界を中心に求人広告サービス「リスジョブ」を展開しています。人材会社に対して大量の求職者を送客できる独自の事業モデルを強みに、人材ビジネスを裏側から支えてきました。本記事では、代表の中村氏に会社の強み、組織づくり、そして挑戦し続ける理由を伺いました。
目次
人材会社を支える「裏側の集客ソリューション」
――現在の事業内容と、その特徴について教えてください。
当社の主力事業は、求人広告サービス「リスジョブ」を用いた集客支援事業です。
一般的な求人広告サービスは、採用したい企業と求職者を直接つなぐ仕組みですが、当社は人材紹介会社や人材派遣会社に対して、大量の求職者を送客する点が特徴的です。
人材会社にとって、事業の大きな課題となるのは求職者の集客です。リスジョブは、そこを担うサービスとして、介護職や看護師、ドライバー、調理師、美容関連など、幅広い職種の求職者を集め、予算に合わせて数名から数千名規模で送客できるサービスとなっています。
人材ビジネス拡大の為に、「安定的に集客できる仕組み」を提供できるところが、他社では真似できない当社独自の特徴です。
――一般的な求人広告サービスとの違いはどこにありますか?
一般的な求人広告サービスでは、具体的な求人情報を求人サイト上に掲載して応募を集めるというのが通常です。一方で当社の主力サービスは、求人サイトではなくランディングページ(LP)を用いて人材会社への応募を獲得することができる、というサービスとなっています。
イメージ的には引越の一括見積や自動車の一括査定のようなサービスです。一人の求職者が最大3社の人材会社に纏めて登録し、登録先の各人材会社から求職者へ連絡を取って求人のマッチングを行う、という流れになります。
超大手の人材会社でも当社のサービスを利用しており、大規模な予算で広告運用を行い、大量の求職者を集めて送客できる点が、他社との大きな違いです。
――なぜ人材紹介会社向けに特化したモデルを選んだのでしょうか?
もともとは、親会社であるライフワンズ株式会社が医療・介護領域に特化した人材紹介事業を展開していました。そして、他社が求職者の集客に苦戦している中でも、ライフワンズではWEBマーケティングのノウハウを蓄積し、圧倒的な数の求職者を集められるようになりました。
その集客力を活用して他の人材会社にも役立てようと、2016年に親会社内で人材会社向けの「送客ビジネス」を開始したのがきっかけです。その後、2017年に広告事業を切り出して分社化したのが今のライフワンズメディアとなります。
経営者になるまでのキャリアと転機
――代表に就任された経緯を教えてください。
ライフワンズメディア株式会社は、人材会社であるライフワンズ株式会社を母体とするグループ会社として2017年3月に設立されました。設立を担ったのは、私の中学・高校時代の同級生で、当時は親会社のナンバー2だった人物です。
私はそれまで12年間、大手SIerのオービックでソリューション営業に携わってきました。設立のタイミングで声をかけてもらい、前職で培った営業ノウハウを活かす形でナンバー2として参画しました。
その後、2021年に前代表が親会社へ戻ることになり、そのタイミングで私が代表を任されることになり、現在に至ります。
――就任から現在までを振り返って、印象的だった出来事はありますか?
代表に就任した瞬間は、やはり強く印象に残っています。経営の最終判断を担う立場になると、物事の重みや責任の質が一段階変わります。
また、今年初めて社員旅行を実施し、山梨へ行ったことも印象に残っています。会社として初めての取り組みだったこともあり、記憶に残る出来事でした。
――大手企業での営業経験は、現在どのように活きていますか?
前職で学んだのは、短期的な成果よりも、長期的な関係づくりです。一度取引が終わってもフォローを続け、状況が変わったタイミングで再び声をかけていただく。その積み重ねが、現在の事業にも活きています。
組織を支える「人ありき」の経営思想
――現在の組織体制について教えてください。
現在は正社員のみでまだ20名に満たない組織です。営業メンバーが全体の6〜7割、マーケティングが3割ほどを占めています。
事業の性質上、営業の増員が最重要タスクですが、事業拡大とともに今後はマーケティングチームも段階的に強化していく考えです。
――社員の主体性を引き出すために意識していることは何ですか?
私がよく使う言葉に「能動的受信力」という言葉があります。受け身で指示を待つのではなく、自ら考え、質問し、情報を取りにいく姿勢を大切にしています。
また、社員には会社に対するイノベーション提案を日々促し、内容に応じてインセンティブも支給しています。刺激を与えながら、発信する文化を根付かせてきました。
――営業人材の育成で重視しているポイントはどこにありますか?
当たり前の水準を徹底的に引き上げることです。他社で営業経験があっても、当社に入ると最初は通用しないことが殆どです。
顧客目線、提案の精度、フォローの継続。こうした基本を徹底することで、営業としての力が積み上がっていくと考えています。
黒字経営を支える価値観と営業哲学
――経営において最も大切にしている価値観は何でしょうか?
「人ありき」の考え方です。武田信玄の「人は城、人は石垣、人は堀、~」に近い考え方だと思っています。
最強のビジネスマン集団をつくることが、当社が目指す方向性です。優秀な人さえいれば事業はいくらでも生み出すことができますが、人は簡単には育ちません。
だからこそ、日々の業務で「当たり前の水準」を上げ続け、個の力を底上げすることに時間を投資しています。結果として、その積み重ねが事業を支える土台になっている感覚です。
――顧客との関係づくりで意識していることを教えてください。
とにかく誠実に誠意を持って向き合い続けることです。
求人広告業界には、過去に不誠実な対応をする会社が一定数あったと聞いています。だからこそ、私がこの業界にきてからは徹底的に、目先の売上よりも長期的な信頼を重視してきました。
一度解約になってしまっても、その後も長期的にフォローし続けて新しい情報提供をすると、再び利用していただけるケースもあります。そうした顧客との関係が、結果として事業を成長させる一因になっていると感じています。
――競合が増える中でも優位性を保てている理由はどこにありますか?
単純にサービスの仕組みだけを真似することはできても、当社と同じような営業対応をし続けることは簡単ではありません。誠実な顧客対応を積み重ねる文化そのものが、結果的に大きな差になっていると考えています。
事業拡張を見据えた中長期の成長戦略
――今後、注力していきたい事業領域を教えてください。
短期的には、求人広告サービス「リスジョブ」を医療・福祉領域における集客サービスとして国内トップシェアのポジションに引き上げることが最優先です。
介護分野では既にトップクラスのシェアを獲得していますが、看護やその他の職種領域でも、最大手を含めた多くの人材会社から継続的に予算を預けていただける状態をつくっていきたいと考えています。
そのために、まずは人員の採用と教育にしっかりリソースを割き、組織としての対応力を高めることが重要です。その上で、当社が強みとするマーケティングノウハウと営業力を活かし、新しいビジネスモデルにも段階的に挑戦していきます。
求人メディアに限らず、「集客して送客する」という仕組みは、さまざまな領域に応用できると見ています。
――3年後の事業規模について、どのようなイメージを描いていますか?
正直なところ、現在のビジネスモデルだけでは売上を数倍にはできても10倍以上にするのは難しいと考えています。10倍の売上規模を目指すのであれば、やはり新しい事業を立ち上げることが前提になります。
その為には今の人員構成のままでは不可能なため、現在のメンバーの成長と合わせて、新たに事業を任せられるレベルの人材が入ってくるかどうかが、重要になってくると考えています。
――現在直面している課題と、その向き合い方について教えてください。
創業以来ずっと課題となっているのが、採用と教育です。
当社の営業は業務の難易度が高く、営業経験者であってもすぐに通用するとは限りません。そのため、一定のポテンシャルや強い意志を持った人材に絞って採用し、入社後は既存メンバーと一緒に成長できる環境づくりを重視しています。
また直近では、より多くの若い方々に当社を知っていただけるように、広報活動も力を入れ始めています。
――最終的にどのような会社を目指していますか?
とにかく「最強のビジネスマン集団」となって、社会貢献性の高いビジネスを次々と生み出していくような会社を目指しています。
当社が今手掛けている医療・福祉業界における人材不足は、国レベルの課題だと捉えています。理想を言えば、当社が全ての人材会社から信頼される存在となり、人材の需給調整を円滑にする基盤を提供したいと考えています。
それ以外の事業の順番や形にこだわりはありません。それよりも「人ありき」という考え方を大切にし、プロフェッショナルな人材が力を発揮できる事業に着手していきたいと思っています。
人が育てば、その先どんな事業にも挑戦できる会社になれると考えています。
経営の緊張をほぐす時間
――仕事以外での趣味やリフレッシュ方法を教えてください。
お酒を飲むのが好きで、終業後にメンバーと飲みに行ったりもします。プライベートでも気軽に交流する関係性が、組織の一体感につながっています。
また、最近はゴルフにも挑戦し、父や兄とラウンドする時間が良い気分転換になっています。
――最後に、中小企業の経営者やこれから起業を考えている方へメッセージをお願いします。
私は35歳で大手企業からベンチャーへ飛び込みました。決断には勇気が必要でしたが、動いてみると「やってやれないことはない」と実感しました。
挑戦する人が増えることで、国や社会は強くなります。迷いの中にいる方は、まず一歩踏み出してほしい。そしていつか何かのビジネスでご縁があったら嬉しいなと思います。