音楽の力で子どもたちの可能性を広げる――株式会社音育が目指す未来

株式会社音育 代表取締役 真野 宏樹氏

2025年3月に設立された株式会社音育は、保育園や幼稚園などの子ども向け施設を中心に、音楽を通じた教育活動を展開しています。代表の真野宏樹氏は、音楽家として活動を続けながら、自身の経験と技術を生かし、子どもたちへのワークショップやコンサート、保育士への指導など幅広い取り組みを行っています。今回は、会社設立の経緯や事業への想い、今後の展望について伺いました。

音楽を通じて子どもたちに新しい体験を届ける

――現在の事業内容について教えてください。

会社を設立したのは今年3月です。保育園や幼稚園など、子ども向け施設を中心に、これまで培ってきた音楽の知識や技術を生かした活動をしています。子どもたちへの音楽ワークショップをはじめ、運動会で和太鼓を取り入れたいという園には和太鼓の指導も。

また、自分自身も音楽家として演奏活動を続けているので、保育園へ伺って子ども向けコンサートを開催したり、企業から依頼をいただいてコンサートの企画・運営を行ったりすることもあります。

――他社にはない強みはどのような点でしょうか。

同じような活動をしている会社自体が非常に少ないことも特徴です。最近では保育園にも英語や体操など外部講師が入る機会は増えていますが、音楽の外部講師はまだ多くありません。

以前は保育士がピアノを弾く文化がありましたが、現在はピアノを演奏できる先生も減ってきています。そのため、保育現場から生の音楽に触れる機会が少なくなり、タブレットなどから流れる音楽が中心になりつつあるんです。

私はピアノだけでなく、現在も打楽器奏者として活動しています。保育園にはタンバリンやカスタネット、トライアングルなど多くの打楽器がありますが、十分に活用されていないことも少なくありません。そうした楽器の活用方法を保育士へ伝えたり、子どもたちと一緒にリズム遊びや演奏を楽しんだりできることが、自分ならではの強みだと考えています。

音楽家として歩んできた経験を子どもたちの未来へ

――会社を立ち上げた経緯を教えてください。

私は岡山県出身で、ピアノを始めたのは4歳のころです。中学校では吹奏楽部に入り、音楽大学への進学をきっかけに東京へ出てきました。

卒業した時期がちょうどコロナ禍だったこともあり、音楽家として活動していくことの難しさを感じるようになったんです。その中で、自分は演奏することだけでなく、人に教えることがとても好きだと気付きました。

その後、保育園を運営する法人へ就職し、音楽講師として働き始めることに。でも、一つの法人だけでは関われる子どもの数に限りがあります。もっと多くの子どもたちと関わりたいという気持ちが強くなり、独立を決意しました。

これまで積み重ねてきた音楽の経験や指導技術を生かして、自分自身の会社を立ち上げたいと思い、株式会社音育を設立しました。

――会社の理念やビジョンについて教えてください。

子どもたちは一人ひとり違いますし、今はさまざまな特性や個性を持つ子どもたちも増えています。

どれだけ大人が頑張っても、将来の日本をつくるのは今の子どもたちです。だからこそ、音楽を通して子どもたちの可能性を少しでも広げたいと思っています。

音楽はリズム感だけではなく、運動能力にもつながりますし、人と一緒に演奏することでコミュニケーションや社会性も育まれます。そうした経験を積み重ねながら、将来につながる力を育てていける存在でありたいです。

急成長の中で見えてきた新たな挑戦

――今後取り組みたいことを教えてください。

昨年は個人事業主として1年間準備を進め、売上はゼロでしたが、ボランティア活動を通じて人とのつながりを広げてきました。

その積み重ねもあり、現在は10園の保育園と契約することができています。今後は保育業界の園長先生や関連企業、代理店などとのつながりをさらに広げ、多くの保育園へ活動を届けられるよう挑戦を続けていきたいですね。

――現在の課題について教えてください。

想像していた以上のスピードで事業が広がっているため、現在はすべて一人で対応しています。保育園での活動は午前中が中心になるため、予定が埋まると新しい依頼を受けられない状況なんです。

そのため、今年中には一緒に現場を回れる講師を増やしたいと考えています。また、営業面でも現在は人とのつながりによって仕事が広がっていますが、さらに事業を拡大するためには営業体制も整えていく必要があるかなと。

同じ想いを持ち、音楽を経験してきた方、特に打楽器の演奏ができる方と一緒に活動できれば嬉しいですね。

音楽があふれる保育園と子ども食堂を実現したい

――今後実現したい夢を教えてください。

最終的な目標は、自分らしい保育園をつくることです。音楽だけに特化するわけではありませんが、園の中に自然と音楽が響き渡るような環境を実現したいと思っています。

もう一つの夢は、子ども食堂をつくることです。

実は高校生の頃、人間関係の悩みから1年間不登校になった経験があります。また、家庭も決して裕福ではありませんでした。

だからこそ、子どもたちが安心してご飯を食べられ、音楽を楽しみながら過ごせる場所をつくりたいと思っています。自分が経験してきたことや想いを形にし、子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくることが、これから叶えたい大きな夢です。

音楽も仕事も、人とのつながりを大切に

――最後に、休日の過ごし方やリフレッシュ方法を教えてください。

基本的に休むことはあまりありませんが、キャンプが好きです。

また、TikTokでドラム演奏の配信も行っています。仕事にもつながる活動ですが、休日には一日中配信することもあります。

仕事の合間には散歩をすることが多く、果物が大好きなので、近くのスーパーやコンビニまで歩いて買いに行く時間が良いリフレッシュになっています。

これからも音楽を通して一人でも多くの子どもたちと出会い、その可能性を広げられる存在でありたいですね。

将来は音楽が自然にあふれる保育園や子ども食堂を実現し、自分自身の経験も生かしながら、子どもたちが安心して成長できる環境づくりに挑戦し続けていきます。

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