「地域の助け合い」と「中小企業・個人事業主に寄与する」2つのインフラ――iki-ikiインフラシステムが広げる新たな事業構想
iki-ikiインフラシステム株式会社 代表取締役 大場 航期氏
iki-ikiインフラシステム株式会社は、地域住民同士の助け合いを仕組み化したマッチングプラットフォームを展開する企業です。医療機関を起点に、支援を必要とする人と地域で力を貸したい人をつなぐことで、利用者とサポーターの双方を集めやすい仕組みを構築しています。本記事では、代表の大場航期氏に、事業の特徴や経営の考え方、今後の展望などを伺いました。
医療機関を起点に、地域の支え合いを広げる
――現在の事業内容について教えてください。
高齢者をはじめ、日常生活で支援を必要とする方と、地域でサポートしたい方をつなぐマッチングサービスを運営しています。公的な制度やシルバー人材センター、地域のボランティア活動と同じように地域住民同士で支え合う仕組みですが、当社では、医療機関を起点にサービスを展開している点が特徴です。
――事業の強みは何でしょうか。
最大の強みは、医療機関を起点に利用者とサポーターの双方を集められる仕組みです。
医療機関には、オンライン予約・問診サービスを提供しています。アプリを利用できる方はオンラインで、操作に慣れていない高齢者は電話(コールセンターを設置)で予約できるため、競合のWeb予約システムにはない最大の差別化になるとともに、幅広い世代が利用しやすい点がポイントです。
また、来院した患者には、待合室などを通じて地域のライフサポートサービスを案内します。支援を必要とする方は利用者として、地域で力を貸せる方はサポーターとして参加できるため、1つの導線で双方へアプローチが可能です。
プラットフォーム事業では、利用者と提供者をどう集めるかが大きな課題ですが、当社は医療機関を入口にすることで解決しました。広告宣伝費を抑えながら利用者を増やし、地域のなかで自然にサービスが広がる仕組みを構築しています。
――収益の仕組みを教えてください。
医療機関から、加盟金と月額費用をいただくBtoBモデルです。利用料金とサポーターへの支払額の差額で利益を上げるのではなく、医療機関の加盟を地域ごとに増やし、継続的に事業を展開することを重視しています。
誰もが恩恵を得られる「全体最適」を目指す
――会社の理念についてお聞かせください。
誰もが恩恵を得られる仕組みをつくることです。一部の人だけが得をするのではなく、関わる人全体に価値が行き渡る「全体最適」を目指しています。
社名に「インフラシステム」と入れているのも、地域住民同士の助け合いを、日本全国に根付く社会インフラにしたいという思いがあるからです。
――起業のきっかけは何でしたか。
私は長年パナソニックに在籍しており、長く働くなかで、少子高齢化という社会課題をどのようにすれば解決できるのかを考えていました。
転機となったのは、地元で両親と話したときです。年齢を重ね、庭の手入れなどを地域の方へ依頼していると聞き、「行政だけではなく、地域で支え合う仕組みが必要だ」と確信しました。
その想いから事業化を決意し、これまで培ってきたプラットフォーム開発の経験を活かすことで、構想からわずか9日でサービスの仕組みを形にしました。
利用者視点を徹底し、すぐに動く
――経営判断で大切にしていることは何でしょうか。
利用者の立場に立って考えることです。サービスは作り手や提供側の視点で設計されがちですが、それでは本当に利用者が満足できるとは限りません。だからこそ、常に顧客視点に立ち、使いやすさや必要な価値を意識しながら改善を重ねています。
判断の基準は、「利用者にとって価値があるかどうか」です。提供する側の都合ではなく、利用者が求めるものを形にすることが、結果としてよりよいサービスにつながると考えています。
――経営において譲れない姿勢を教えてください。
「即断、即決、即実行」です。考えるだけで立ち止まるのではなく、決めたことをすぐ行動に移します。この姿勢は会社員時代から変わっていません。
起業を決意したのは着想から形を創れた9日後です。約3週間で登記できました。専門家に頼むことなく、全て自分で行いました。
アイデアは実行して初めて価値が生まれるものです。スピード感を持って挑戦し、改善を重ねながら前へ進むことを大切にしています。
認識をそろえ、自律的に動ける組織を目指して
――社内コミュニケーションで意識していることは何でしょうか。
認識のずれを防ぐことです。
現在は社員を置かず、業務委託の方々と進めていますが、進捗や業務内容はクラウド上で共有し、同じ資料を見ながら確認します。必要に応じてZoomで話し合い、その都度目的や方向性をそろえています。
それぞれが正しいと思って進めていても、認識がずれれば手戻りは避けられません。だからこそ、共有するのは進捗だけではなく、判断の背景や目的まで一つひとつの認識をていねいに擦り合わせることが、円滑な業務につながると考えています。
――一緒に働きたいのはどのような人ですか。
自ら考え、主体的に行動できる人です。指示を待つのではなく、先を読んで必要な仕事を見つけ、自分なりの最善策を提案できる方と一緒に仕事がしたいと考えています。
新たな事業基盤への挑戦
――既存事業の課題を教えてください。
最大の課題は、医療機関へのアプローチです。日々の診療で多忙なため、電話がつながりにくく、サービスの概要を十分にお伝えする機会を得ることも容易ではありません。資料をお渡ししても、目を通していただくまでには至らないケースもあります。
そこで現在は、医療機関との信頼関係を築いている方々と連携し、サービスの概要を事前にご紹介いただく体制づくりを進めているところです。
――今後の新しい展開についてもお聞かせください。
新たな柱として、事業運営に必要な機能を一元化したAI事業基盤「OBELIS」の提供を開始しました。
「Xの半自動運用」機能、見込み客を自社の診断ページに誘導しバックエンドLPへ動的に誘導する動線設計、提案型CRM/売上管理、フルスペックのメール機能、カレンダー(Google/Outlook連携)、外部とのスケジュール調整やミーティング自動発行、そして本格的なLPから名刺・チラシ・メニュー表・各種SNSのカバー画像やプロフィール画像などが制作し放題という、あったらいいなというものを全て有機的に統合し25業種に最適化した、中小企業・個人事業主向けのデジタル業務全てを賄える、文字通りのインフラです。
業界の常識はサブスクですから、サービスを解約すると手元に残るのはCSVデータだけになります。私はこの常識を壊すため、あえて「OBELIS」を買い切りプロダクトとしました。事業者の「資産」になるからです。また、あらゆる方に購入いただけるよう、24回のカード分割払いを導入しました。月々わずか33250円(別途カード会社の分割手数料はかかります)で上述の機能が全て使える。資産として使い続けられる。アップデートも無償で提供します。私は、日本を支える99.7%の中小企業・個人事業主の下支えになることで、国力の再興に寄与したいと考えています。
当社は「少子高齢化」という社会課題解決のために、弱者である高齢者支援の仕組みを整えました。そして「助け合いの第5の社会インフラ」にしたいとの想いから、社名を「iki-ikiインフラシステム株式会社」に変更しました。「OBELIS」は、中小企業・個人事業主のための、当社にとって2つ目のインフラです。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
失敗を恐れず、まずは行動していただきたいと思います。成功するまで挑戦を続ける限り、途中の失敗は次につながる経験です。挑戦を途中で諦めてしまえば、そこで可能性も途切れてしまいます。
想いは、行動に移して初めて形になります。私自身も「即断、即決、即実行」を軸に挑戦を重ねながら、地域の助け合いを社会インフラとして広げ、新たな事業の成長にも取り組んでまいります。