知識と実体験を武器に、「時間持ち」を目指す資産形成を支える
株式会社TCL 代表取締役 大谷 陸氏
「知識こそ人を救う」という考えを軸に、ファイナンシャルプランニングを通じて顧客の資産形成を支援する株式会社TCL。情報があふれる時代だからこそ、自ら現地へ足を運び、一時情報をもとにした提案を重視しています。今回は代表取締役の大谷陸氏に、事業へのこだわりや経営に対する考え方、組織づくり、そして今後の展望について伺いました。
目次
一次情報を追い続け、知識で価値を届ける
――現在取り組まれている事業内容や、他社にはない強みについて教えてください。
当社では、ファイナンシャルプランニングを中心としたファイナンシャルアドバイザー業務を行っています。
事業を進める上で最も大切にしているのは「一次情報」です。現在はGoogleやAIなどを活用すれば、多くの情報を簡単に得られる時代ですが、それだけでは十分ではないと考えています。
そのため、月に一度は大阪や東京へ足を運び、メガバンクで活躍するエコノミストの話を直接聞く機会を設けています。また、日本だけではなく時には海外にも目を向け、現地で金融に携わる方々から直接話を聞き、世界中の金融商品について学んでいます。自分自身の目で見て、耳で聞いて得た情報を、お客様への提案に生かすことを大切にしています。
――会社の理念やビジョンには、どのような思いが込められていますか。
ホームページを作成した当時と考え方は少し変化していますが、現在強く意識しているのは「お金持ちではなく時間持ちを目指す」という考え方です。
仕事を始めた当初は、収入や数字に強くこだわる時期もありました。しかし、実際に収入が増えた経験を通して、お金だけでは幸せは頭打ちになることを実感しました。
本当に大切なのは、健康や仕事のやりがい、仲間とのつながりなど、お金では買えない価値です。そして、その中でも「時間」は非常に大切な資産だと考えています。資産形成によって労働から一部解放され、自分の時間を増やすことは、私たちの仕事を通じて実現できる可能性があります。そのため、お金を増やすことだけではなく、時間という豊かさを提供することを目指しています。
消防士からファイナンシャルプランナーへ
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
私はもともと石川県で消防士として勤務し、救急救命士として働いていました。しかし、努力や成果が十分に評価される環境ではないと感じる場面がありました。
さらに、大学時代はコロナ禍と重なり、複数のアルバイトを掛け持ちしながら生活するほど経済的に厳しい状況を経験しました。その経験から、お金に対する不安や恐怖を強く感じるようになりました。
消防士時代には、家族を持つ先輩方の給与を知る機会もあり、自分が将来同じ働き方を続けることに大きな不安を抱きました。仕事に熱心に取り組むほど負担が増え、それに見合う評価や待遇を得られない現実を見たことで、独立や転職を考えるようになりました。
転職先として金融業界を選んだのは、金融そのものに興味があったからではありません。尊敬できるメンターと出会い、その方がファイナンシャルプランナーだったことがきっかけです。金融業界にもさまざまな考え方がありますが、自分が出会った金融の考え方に強く共感し、この道へ進むことを決めました。
――経営判断で大切にしている価値観は何でしょうか。
最も重視しているのは「知識」です。
救急救命士として働いていた経験もあり、感覚ではなく事実に基づいて判断することを大切にしています。お客様に提案する内容についても、本当に役立つと確信できる知識や商品だけをお伝えし、その裏付けが取れるまで徹底的に調べます。扱っているのは商品ではなく知識であり、その知識がお客様の利益につながることを何より重視しています。
相手に寄り添う組織づくりを目指して
――組織運営で大切にしていることを教えてください。
現在は業務委託スタッフ6名と事務担当1名で事業を進めています。
以前はトップダウン型の組織運営をしていましたが、それではうまくいかず、組織づくりで多くの失敗も経験しました。その反省から、現在はまず相手の話をしっかり聞くことを大切にしています。
スタッフが将来どうなりたいのか、どれくらい収入を目指したいのか、それぞれの人生設計やライフスタイルを理解した上で、目線を合わせながらコミュニケーションを取るよう心掛けています。
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか。
真面目で気持ちよく仕事ができる人です。その上で、内面には向上心や「もっと成長したい」「もっと成果を出したい」という熱意を持っている人と一緒に働きたいと思っています。
また、自分の利益だけではなく、相手や社会のためになることを本気で考えられる人であることも大切にしています。
自ら実践することで、お客様に本当の価値を届けたい
――今後の展望や挑戦について教えてください。
まず目指しているのは、自分自身が資産家として経験を積むことです。これは先輩方から教わった考え方でもあります。
実際に資産運用や投資を経験し、その中でお金との向き合い方や心の在り方まで含めて学ぶことで、初めて本当の意味でお客様に寄り添えると考えています。営業利益を優先するのではなく、お客様のためだけを考えて提案できる状態を目指すには、自分自身が経験を積み、成長していくことが欠かせません。
一方で、現在の課題として感じているのは人材育成です。自身も先輩方に育ててもらった経験があるからこそ、今度は自分が人を育て、組織として成長していけるよう、チームビルディングに取り組んでいきたいと考えています。
常に成長できる環境を選び、未来へ知識を伝える
――経営者として譲れない考え方を教えてください。
常に自分にとって居心地の悪い環境に身を置くことを意識しています。
自分よりも高いレベルの人たちと交流したり、早起きなど本来は負荷に感じることにも積極的に挑戦したりすることで、自分自身を成長させ続けたいと考えています。また、自分がこれまで触れてこなかった考え方や分野についても積極的に学び、視野を広げることを大切にしています。
AIの進化など社会は大きく変化していますが、将来がどう変わるかは誰にも分かりません。だからこそ、さまざまな可能性を想定しながら早い段階で準備を進めることが重要だと考えています。
今後も、関わる人たちが将来困ることのないよう、自分が学んだ知識や経験を積極的に発信し、一人でも多くの人に伝えていきたいと考えています。