AIとローコードで企業の未来を切り拓く――ユニブルーが目指す新たな価値の創造
株式会社ユニブルー 代表取締役社長 高 文博氏
株式会社ユニブルーは、ローコード開発を活用したシステム開発支援やコンサルティングを手がけるIT企業です。現在はローコード事業を経営の基盤としながら、AIを活用した業務効率化にも取り組み、自社で実践した仕組みを新たなサービスとして展開することを目指しています。本記事では、代表の高文博氏に、事業の特徴や経営に対する考え方、今後の展望などについて伺いました。
ローコードとAIを二本柱に企業の課題を解決
――現在の事業内容について教えてください。
当社は、ローコード開発プラットフォーム「Pega」を活用した技術者支援やシステム開発、コンサルティングを中心に事業を展開しています。単に技術者を提供するだけではなく、お客様の課題を整理し、業務全体を見据えたソリューションを提案していることが特徴です。
現在は、このローコード事業を安定した基盤としながら、AIを活用した事業にも力を入れており、総務や営業、税務、労務などの業務をAIで支援する仕組みを自社で運用し、実際の業務を通じて改善を重ねています。担当者しか分からない業務を減らし、会社の知識として蓄積できる環境を整えることで、生産性の高い組織づくりを進めています。
――御社ならではの強みは何でしょうか。
ローコード事業では、技術者を派遣するだけではなく、お客様と一緒に課題を整理し、最適な形でソリューションを提供できることです。Pegaは専門性が高い分野ですが、その知見を活かしながら、開発だけでなく業務改善まで支援しています。
AIについても、単にツールを導入するだけではありません。企業ごとの業務に合わせて活用できる仕組みを構築し、自社で検証しながら実用性を高めている点が当社の強みです。
技術者として歩んだ経験が、経営の原点に
――会社を立ち上げた経緯を教えてください。
私は中国出身で、2006年に来日しました。大学ではコンピューターを学び、その後は20年以上にわたってIT業界に携わっています。
エンジニアとしてキャリアをスタートし、ブリッジSEやプロジェクトマネージャー、営業、事業運営など、さまざまな立場を経験しました。前職では人材採用や組織づくりにも携わり、経営に近い立場で会社運営に携わる機会もありました。
そうした経験を重ねるなかで、「自分ならどんな会社をつくるか」と考えるようになりました。目指したのは、売上だけを追う会社ではありません。技術者が成長でき、社員が安心して働ける会社をつくること、そして、新しい技術にも積極的に挑戦してくこと――こうした想いを形にするため、株式会社ユニブルーを立ち上げました。
――経営で大切にしている考え方は何でしょうか。
大切にしているのは、現在の事業を着実に成長させながら、未来への挑戦も続けることです。
事業の安定だけに注力してしまえば会社の未来はつくれませんが、新しい事業だけを追いかけても、会社を継続していくことは難しいでしょう。現在の事業で得た利益や技術、人材、お客様からの信頼を、次の挑戦へつなげることが重要だと考えています。
AIで人の価値を高め、組織の可能性を広げる
――AIについて、どのような可能性を感じていますか。
AIは人の仕事を奪うものではなく、人の価値を高めるものだと考えています。定型業務をAIが担うことで、人は判断や改善、新しい提案など、より付加価値の高い仕事に集中できるようになります。
実際に自社でAIを活用するなかでも、「ここまでできるのか」と驚く場面が数多くありました。税務や労務、社員管理など、これまで人が対応してきた業務もAIで支援できることがわかり、新たな可能性を実感しています。
しかし、AIを導入したからといって人材が不要になるわけではありません。AIによって生産性が高まれば、その分、人にしかできない新たな仕事に挑戦できるようになります。
当社では、人とAIがそれぞれの役割を担いながら成長できる組織を目指していく方針です。
――組織づくりで意識していることを教えてください。
当社では、働く場所や時間よりも、一人ひとりが成果を発揮できることを重視しています。在宅勤務が効率的であれば、その働き方を選んでもらって構いません。大切なのは、決められた時間働くことではなく、責任を持って成果を出すことです。
社員の多くはエンジニアで、お客様先や社内、リモートなど、それぞれの環境で業務に取り組んでいるため、日々のコミュニケーションはオンライン会議やチャットが中心です。また、社員もAIツールを積極的に活用しており、現場から出たアイデアを取り入れながら、新しい仕組みづくりを進めています。
人材育成と製品化で次の成長へ
――今後の展開についてはどのようにお考えですか。
今後は、ローコードとAIを軸に、企業の課題解決を幅広く支えられる会社を目指しています。そのために、2つの事業を会社の成長を支える柱として強化していく考えです。
ローコード事業では、技術者支援に加え、業務分析やコンサルティングまで支援の領域を広げていきます。さらに、これまで培ったノウハウの製品化にも取り組む方針です。
AI事業では、自社で構築した仕組みをテンプレートやナレッジとして整理し、中小企業でも活用できる形へ展開したいと考えています。将来的には、ローコードとAIを組み合わせたソリューションとして、多くの企業へ届けることが目標です。
――今後の課題を教えてください。
現在の課題は、人材不足です。特にPegaのような専門性の高い分野では経験を持つ技術者が限られており、経験者の採用だけでは組織を広げていくことは難しいと感じています。
そのため、若手を育成できる仕組みづくりを進めています。経験者が持つ知識やノウハウをAIに蓄積し、提案書や設計書、教育資料の作成などにも活用することで、経験を会社全体の資産として残せる環境を整えたいと考えています。
これからも、AIも活用しながら人材育成の仕組みを充実させ、技術や知識を次の世代へ着実につないでいける組織を築いていきたいです。