偏差値ではなく「学びたい」を選ぶ――動画で変える大学選びと、クラビジが描く未来
株式会社クラビジ 代表取締役 COO 松本 琉路氏
大学選びにおいて、偏差値や知名度だけでは見えてこない魅力があります。株式会社クラビジは、高校生が動画を通じて大学を知り、自分に合った進学先を選べるWebサービスを展開しています。大学側にとっても、従来の進路情報サイトにはなかったデータ取得を可能にする仕組みを備え、新たな価値を提供しています。
今回は、代表取締役 COOの松本琉路氏に、事業を立ち上げた背景や経営理念、組織づくりへの考え方、今後の展望について伺いました。
動画で広がる新しい大学選び
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
当社では、高校生が動画を通じて大学を探せるWebサービスを運営しています。高校生が無料で動画を活用しながら大学を比較・検討できるサービスは、これまでほとんどありませんでした。その点が大きな特徴だと考えています。
また、このサービスは会員登録制となっているため、大学側は利用者の詳細なデータを取得できます。従来の進路情報サイトにはなかった情報を把握できることも、大きな強みの一つです。
現在掲載している動画は、大学が公開している動画コンテンツを集約したものです。高校生はキャンパスの雰囲気や授業の様子などを事前に確認しながら大学を比較できるため、オープンキャンパスへ参加する前に志望校を絞り込みやすいという評価をいただいています。
――この事業を始めようと思ったきっかけを教えてください。
私自身の経験が原点になっています。中高一貫校に通っていた頃は、多くの生徒が偏差値を重視して大学を目指す環境にありました。しかし私は、その考え方に違和感を覚えました。本当に大切なのは、自分が学びたいことを見つけ、それを学べる環境を選ぶことではないかと考えたのです。
その後、通信制高校へ進学し、ビジネスやITスキルを主体的に学びました。その経験を通じて、大学進学でも自分に合った学びを選ぶことの重要性を強く実感しました。
偏差値だけで進学先を決めるのではなく、自分が学びたいことを軸に大学を選び、ミスマッチのない進学を実現してほしい。その思いが、この事業を立ち上げたきっかけです。
「すべての学びが未来につながる社会」を目指して
――経営理念やビジョンについて教えてください。
当社のビジョンは、「すべての学びが未来につながる社会をつくる」です。
大学では多くの教育資源が用意されていますが、進学後にミスマッチが生じることで、その学びを十分に活かせないケースも少なくありません。それは学生だけでなく、教育機関にとっても大きな機会損失だと考えています。
一人ひとりが本当に学びたいことを学び、その経験が未来へつながる社会を実現したいという思いを、このビジョンに込めています。
――経営判断の軸となる価値観を教えてください。
私たちが大切にしている価値観は「知行合一」です。知識だけあっても行動しなければ意味がなく、反対に行動だけで知識が伴わなくても良い結果にはつながりません。
事業計画や財務計画については十分に準備を行い、多方面からフィードバックを受けたうえで、本当に実行できると判断した段階で一気に行動へ移します。知識と行動、その両方を大切にする姿勢が、会社として譲れない価値観です。
学び続ける組織づくりと新たな挑戦
――組織運営で意識していることを教えてください。
現在は社員4名と業務委託2名の体制で事業を進めています。それぞれ得意分野や挑戦したい業務が異なるため、本人が学びたいことや力を発揮できる業務を担当できるよう意識しています。
単に業務を割り振るのではなく、それぞれが成長できる環境を整えることを大切にしています。
――一緒に働きたいと思う人物像を教えてください。
「知行合一」の価値観に共感し、学習意欲のある方です。新しい事業に取り組む中では、分からないことが数多くあります。そのたびに自ら学び、知識を吸収しながら行動できる人と一緒に仕事をしたいと考えています。
――今後の展望や課題について教えてください。
現在は本業に加えて、SNS支援事業にも取り組んでいます。クラビジのSNS運用をAIで効率化する仕組みを構築しており、そのシステムを企業や学習塾などへ提供しています。今後はこの事業をさらに拡大し、契約数を増やすことで、本業への投資も強化していきたいと考えています。
現在の課題はリソース不足です。限られた人員と時間の中で取り組むべきことが多くあるため、AIを積極的に活用し、一人あたりの生産性を高めることで課題を解決していきたいと考えています。
お笑いでリフレッシュし、考えたら一歩踏み出す
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
休日は家でお笑いを見ることが多いです。特に王道の漫才やコントが好きで、テレビやYouTubeでさまざまな芸人のネタを楽しんでいます。たくさん笑うことで気持ちを切り替え、リフレッシュしています。
――これから経営を目指す方へメッセージをお願いします。
やはり大切なのは「知行合一」の考え方です。ただ勢いだけで進むのでもなく、考え続けるだけでもありません。しっかりと事業計画を立て、周囲の人や創業支援などから意見をもらい、十分に考えたうえで実際に行動してみることが重要です。
最終的には、やってみなければ分からないことも多くあります。だからこそ、しっかり考えた結果として一歩踏み出すことが、何より大切だと考えています。