デジタル時代にあえて対面で向き合う――香川県発!“人”から始まるWebマーケティングの本質
株式会社WEBREX 代表取締役 佐野 倖弥氏
株式会社WEBREXは、香川県を拠点にWebマーケティング支援を行う企業です。デジタル集客を軸としながらも、対面でのコミュニケーションを重視したスタイルで企業の課題解決に取り組んでいます。佐野氏はSNS集客をきっかけにマーケティングの道へ進み、現在は地方における働き方や移住のあり方にも視野を広げています。本記事では、事業の特徴や価値観、今後の展望について伺いました。
目次
地方に根ざしたWebマーケティング支援の全体像
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
香川県を中心に全国、Webマーケティング領域で企業のWeb戦略やデジタル集客の伴走支援を行っています。
単に一部の施策を提供するのではなく、全体の戦略設計から関わる点が特徴です。企業ごとの状況に合わせて、中長期の目線で集客の流れを構築していくことを意識しています。
――他社にはない強みはどのような点にありますか?
全国対応は行っていますが、軸としているのは香川県を中心とした地方のWebマーケティングです。特に地元である香川県については土地勘があるため、市場の理解や調査の精度には強みがあると感じています。
また、可能な限り現地に足を運び、直接コミュニケーションを取る点も特徴です。オンラインで完結するケースが増えている中でも、対面でのやり取りを大切にすることで、より深い理解と信頼関係の構築につながっていると考えています。
SNS集客から広がったキャリアと起業の背景
――法人設立に至った経緯を教えてください。
Webマーケティングは2016年頃から取り組んでいて、最初は副業として続けていました。そこから4年ほど経つ中で徐々に成果に喜んでいただける方が増え、「事業として成立している」という実感が出てきました。
その流れで2020年に法人化しました。当時はフリーランスブームの直前で、20歳での創業でしたので、色んな感情で心が震えたのを覚えています。
――マーケティングに取り組み始めたきっかけは何ですか?
中学校卒業後、美容業界に携わりながら、その中でSNSを使った集客に触れたことが大きなきっかけです。
当時はX(旧Twitter)での集客が主流で、自分自身それが得意だと感じていました。その経験から、「集客方法を他の企業にも教える方が価値があるのではないか」と漠然と思い、そこからマーケティングについて追求し始めました。
実際に知人の飲食店や宿泊施設に対して、無料でInstagram運用を行うなど実践を重ねていく中で成果が出始め、仕事として成立する手応えを感じるようになりました。
ただ、SNSだけでは集客として不十分だと気づき、DRMや広告なども取り入れていくことで、より総合的なマーケティングへと広げていったという流れです。
意思決定の基準と譲れない価値観
――経営判断の軸になっている考え方は何ですか?
マーケティングの考え方が、そのまま意思決定の基準になっています。具体的には、かけたコストに対して3倍以上の売上や粗利が見込めるかどうかです。それが見込めない施策については、自分自身でも取り組まないですし、当然お客様にも提案しません。
集客や採用はどうしてもコストがかかる領域なので、まずは現状の費用が適切かどうかを見直すところから入ることが多いです。そのうえで、短期だけでなく中長期の視点も含めて、「本当にその投資に見合う成果が出るのか」を判断しています。
この基準は、どの提案においても一貫して大切にしているポイントです。
――経営の中で「これだけは譲れない」という想いはありますか?
一番は人だと考えています。Webマーケティングを扱っているものの、最終的に価値を生むのは人です。
情報化が進み、AIなど便利な技術が増える一方で、人同士の関わりが薄くなっているようにも感じています。だからこそマーケティング施策の先には必ず人がいる。という当たり前の意識を忘れず、コミュニケーションを大切にする姿勢は欠かせません。
この考え方はどんな場面でも譲れない部分です。
人を起点にした組織づくりと今後の課題
――どのような人と一緒に働きたいと考えていますか?
マーケティングに興味があり、根拠のない自信を持っている人です。自分自身がそうだったので、そういうタイプの方の方が気が合いそうです。
――現在直面している課題と、その向き合い方について教えてください。
マーケティングの技術面やディレクション、育成については、自分自身がプレイヤーとして関わっていることもあり、対応できていますが、一方で課題になっているのはアウトバウンド営業の部分です。
Webマーケティングはすべてをオンラインで完結できると思われがちですが、実際には取りきれない領域もあり、そこはオフラインの営業が必要になります。そのため、営業代行の方と連携する機会も増えていますが、方向性のすり合わせや進捗管理、マネジメントといった部分に難しさを感じています。
今後は、そうした外部の方々と同じ方向を向いて進める体制づくりや、アウトバウンド営業の仕組み化を整えていくことが重要だと考えています。
コミュニティ展開と地方に広げる新しい働き方
――今後、挑戦していきたいことはありますか?
現在、「NIG(Next Innovation Group)」という香川県限定のオフライン経営者コミュニティを運営しており、毎月マーケティングのセミナーと交流会を行い、実際に使っているマニュアルやチェックリストなども提供しています。
立ち上げてから約1年で、現在は30名ほどの会員がいますが、まずは100名規模まで広げることが目標です。香川県内でしっかり成果を出せれば、そのモデルを全国にも展開できると考えています。
将来的には、自社で展開するのか、フランチャイズのような形にするのかも含めて、47都道府県への普及を視野に入れています。
――中長期的に実現したいビジョンについて教えてください。
長期的には、香川県への移住者数を増やし、それが継続していく状態をつくりたいと考えています。会社の形としては社員を大勢抱えるのではなく、フリーランスや業務委託を中心にした組織をイメージしています。
今後はフリーランスという働き方がより一般的になっていく中で、都市部に集まるのではなく、地方移住する方が増えて行くと予想しています。その際に香川県が選ばれる場所になるよう、独立しやすい環境や仕事を得やすい仕組みを整えていきたいと考えています。
NIGのような取り組みも、その基盤づくりの一つとして位置付けています。
――お休みの日のリフレッシュ方法を教えてください。
特別なことはしていませんが、普段お世話になっている方と食事に行くことが多いです。仕事と切り離してリフレッシュするというよりも、人と会う時間そのものが大切だと感じています。