「毎日でも食べられる薬膳麺」を全国、そして世界へ広げる未来風土の成長戦略

株式会社未来風土 代表取締役 児玉 和之氏

東京発の進化系薬膳豚骨ラーメンを軸に、直営店の運営からセントラルキッチンの構築、代理店・フランチャイズ展開までを見据える株式会社未来風土。児玉氏は、訪問販売、通信販売、インターネット通販、化粧品OEM、飲食店のEC化など、時代の変化を捉えながら新たな事業モデルを築いてきました。現在は「年齢を重ねても毎日食べられるラーメン」を起点に、店舗の枠を超えた食品ビジネスの構築に取り組む児玉氏に、提供している商品の特徴や事業を始めたきっかけ、これからの目標について伺いました。

直営店で成功モデルを築き、全国展開につなげる

――現在の事業内容について教えてください。

当社はラーメン店の直営店を2店舗運営しています。1店舗目は昨年6月に立ち上げ、2店舗目を今年1月に開きました。2店舗を運営するなかで、事業として展開できる感触を得られたため、2月に法人化して株式会社未来風土を設立。現在は、今後の事業拡大に向けたビジネスモデルを構築している段階です。

まずは直営店を4店舗から5店舗ほどまで増やし、同時にセントラルキッチンを開設する計画です。直営店で成功モデルを確立した後、全国へ代理店・フランチャイズ展開していきます。

目指しているのは、商品を流通するだけの仕組みではありません。直営店で得た経験や成功事例を共有し、加盟する方々が成長できる仕組みを提案したいと考えています。

――提供しているラーメンには、どのような特徴がありますか。

提供するラーメンのテーマは、罪悪感なく毎日でも食べられることです。薬膳は体に良い素材を使える一方で、薬くさい、苦い、食べづらいという印象を持たれがちです。そこで、薬膳素材を調合しながら、鶏と豚と野菜などのスープを組み合わせました。豚骨のくどさと薬膳の癖を抑えた東京発、進化系。薬膳豚骨ラーメン「僕の、薬膳麺。」として提供しています。

店舗だけでは、席数や営業時間によって売り上げの上限が決まってしまうものです。その枠を超えるため、イートインに加え、デリバリー、テイクアウト、ECの4つの市場を活用するモデルを構築しています。

時代の変化を読み、昨日の成功にとらわれない

――経営者として歩む原点はどこにありますか。

私が社会人として最初に就いた仕事は、訪問販売です。勤務先から教えられたことを素直に実行した結果、商品を売る力が身につきました。その後、時代の変化に伴い、新聞広告や折込チラシを使った通信販売が広がり始めたことをきっかけに、大手通販企業へ転職。訪問販売から通信販売の世界へ移りました。

2000年頃には、これからインターネットで商品が売れる時代が来ると考えるようになりました。同時に、広告表現に関する規制が厳しくなるなかで、国が効能効果を認める医薬部外品に可能性を感じたのです。国立国会図書館や厚生労働省に通い、制度や法律について調査を重ねました。2005年頃には起業を決意し、医薬部外品に特化したインターネット通販事業の準備を始めました。

その後、2008年に某企業を買収し、社名を変えて起業しました。インターネット通販に特化した化粧品OEM企業として、商品開発、販売方法、受注サイト、物流までを一気通貫で提供する仕組みを構築しました。

そして、2019年に海外展開など事業拡大のために某大手企業へ売却しました。いったんは引退しましたが、コロナ禍に入り、苦境にある飲食店を支援する目的で焼肉店の事業に関わることになったのです。

焼肉店では、店で1枚ずつ焼いた肉を瞬時に冷凍し、家庭で電子レンジを使って店の味を再現できる通販モデルを立ち上げました。この取り組みはさまざまなメディアで紹介され、複数のテレビ番組にも出演しました。

――ラーメン事業を始めたきっかけを教えてください。

ラーメン事業を始めたもっとも大きなきっかけは、私自身がラーメンを好きだったことです。以前は家系や二郎系のような濃いラーメンを好んでいましたが、年齢的に段々と重く感じるようになりました。

それでも麺類は好きなので、自分が年齢を重ねても食べられるラーメンをつくりたいと考えたのです。そこに、さっぱりで罪悪感のないラーメンをつくりたいという料理人のパートナーとの出会いが重なり、1号店の開業につながりました。

任せる仕組みを整え、2030年に月間10万杯を目指す

――現在、どのような役割分担で事業を運営していますか。

現在、私は集客など認知を高める役割を担い、パートナーはこだわりのラーメンをつくる役割を担っています。互いに信頼関係があるため、店舗運営はパートナーに任せ、私は経営や次の事業構想に注力しています。主な役割は、各店舗を認知してもらうためのブランディング、広報、販促、マーケティングです。

直営店が繁盛しなければ全国FC展開は出来ないと考えているため、最初は自ら取り組み、ノウハウをつくるようにしています。Instagramも自分で立ち上げました。開設から約2か月で、フォロワーは500人を超えています。

意識しているのは、個人的な友人を増やすのではなく、ラーメンや食品に関心を持つ方との接点です。今後はフォロワー1万人を目標にしながら、インフルエンサーとの関係づくりや店舗の情報発信を進めます。

――直近では、どのような事業展開を計画していますか。

事業面では、まず年内に直営3店舗とセントラルキッチンを整える計画です。セントラルキッチンで調理したものを各店舗で提供できる仕組みをつくります。セントラルキッチンは、2店舗だけでは効率を十分に発揮できません。機能させるには5店舗ほどが必要だと考えているため、来年の春から遅くとも夏頃までに直営店を5店舗へ増やす予定です。

その後は代理店5店舗を加え、10店舗体制を目指します。2028年には、セントラルキッチンと併設した1店舗をモデル店として残し、ほかの直営店は代理店に任す計画です。以降は、セントラルキッチンと卸売りに軸足を移します。2029年に40店舗、2030年までに約60店舗の展開を想定しています。

――これからの目標について教えてください。

もっとも重視している指標は店舗数ではありません。私が具体的な目標としているのは、2030年までに月間10万杯を出荷することです。店舗ごとに規模や販売数は異なります。ワンオペスタイルの都市型小型店舗もあれば、郊外に大型店を出す代理店も現れるかもしれません。そのため、店舗数よりも、セントラルキッチンから何杯を出荷できるかを重視しています。

同時に、オリジナル調味料の卸売り、冷凍したラーメンのEC、カップラーメンの開発にも取り組みたいです。店舗、通販、小売りを組み合わせ、薬膳麺をより多くの方へ届けられる仕組みを整えます。

2030年頃には、現在のパートナーへ社長職を継承する考えです。私は引退するのではなく、オーナーとして事業に関わりながら、次の活動へ進みます。

日本で独自に発展してきたラーメンと、その背景にある食文化を世界へ広げることが、私の最終的な目標です。現地の方々が日本発のラーメンを日常的に食べられる未来を目指し、これからも新たな仕組みづくりに挑戦していきます。

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