営業と教育の力で、可能性を引き出す――トミーコンサルタンツが目指す課題解決
株式会社トミーコンサルタンツ 代表取締役 大矢 斗夢氏
株式会社トミーコンサルタンツは、営業代行を中心に、オンラインフリースクールやキャリア支援などの事業を展開しています。大矢斗夢氏がこれまで培ってきた教員としての教育経験と、人材紹介会社での営業・マネジメント経験を生かし、業務代行のみではなく、企業の中に再現性のある仕組みを残すことを大切にしています。本記事では、創業の背景や事業の強み、経営で大切にしている価値観、組織づくり、今後実現したい未来について伺いました。
目次
営業と教育を掛け合わせ、企業の成長を仕組みから支える
――現在の事業内容と、御社ならではの強みを教えてください。
現在は営業代行を主軸に、オンラインフリースクール、キャリア支援の3つを軸として事業を行っています。
営業代行で大切にしているのは、アポイントを取って終わりにしないことです。一般的な営業代行では、どうしても担当者個人の力に依存したり、アポイント獲得そのものが目的になったりするケースがあります。でも本来の目的は、その先にある企業の成長ですよね。
私たちは、営業活動で得られた成功体験やノウハウを言語化し、マニュアルに落とし込むところまで取り組みます。最終的に、クライアントの社内に再現性のある営業の仕組みを残しています。
私自身、教員として人を育ててきた経験と、前職で営業やマネジメントに携わってきた経験があります。個人として成果を出すことよりも、チーム全体が持続的に成果を出せる体制をつくることに以前からやりがいを持っていました。点として一時的な売上をつくるだけではなく、組織そのものを強くしていく。そこまで踏み込めることが、私たちの強みだと思っています。
教員から営業の世界へ、異なる経験が創業につながった
――これまでのキャリアと、会社を立ち上げた経緯を教えてください。
大学卒業後は、私立高校で英語教諭をしていました。担任として生徒の進学指導やメンタリングのほか、授業のDX化などにも携わり、一連の流れを経験しました。
教員時代に特に得意だったのが、保護者とのコミュニケーションでした。生徒と接するだけではなく、保護者と話しながら理解を得たり、クラスの運営方針を提案したりする。そうした経験から、大人を対象とした教育・育成領域への関心が高まりました。
一方で、以前からビジネスの世界で挑戦したい気持ちがあり、医療系の人材紹介会社へ転職しました。転職支援を経験した後、法人営業統括グループへ異動し、営業戦略やマネジメントにも携わりました。そこで強く意識するようになったのが、自分の営業ノウハウを仕組みに変え、チームへ還元することです。
教育と営業は一見すると異なる仕事ですが、振り返ると「人の可能性を引き出す」という部分ではつながっていました。この2つの経験が、現在のトミーコンサルタンツの土台になっています。
――創業時に悩んだことはありましたか。
一番悩んだのは、何を主軸の事業にするかです。教育、営業、キャリア支援のどれも、自分が取り組みたい領域でした。
そのうえで、会社を継続して成長させていくことを見据えると、まず営業代行を主軸にすることが第一優先だろうと判断しました。理想だけでは事業を続けられません。会社としてしっかり基盤をつくり、その先でやりたいことを実現していく。その順番は大切にしています。
一つの「型」に縛らず、それぞれの可能性を生かす組織へ
――経営するうえで、大切にしている価値観を教えてください。
理念として掲げているのが、「社会に無限大の可能性を」という言葉です。クライアント企業だけではなく、当社にもこれから広がっていく可能性があると思っています。
創業して間もないフェーズだからこそ、まずはできることをとことんやる。学べるものは学び、経験できることには積極的に取り組む姿勢を大切にしています。最初から質だけを求めるのではなく、まず量を積み重ね、そこから経験を得て質へ転化していく。このプロセスが必要だと捉えています。
同時に、経営者自身が属人的な存在にならないことも重要です。営業の仕組み化を支援している人間が、「自分にしかできない仕事」ばかり抱えていては説得力がありません。だからこそ、自分の行動や考え方はできる限り記録し、AIも活用しながらナレッジとして残すようにしています。
――これからどのような組織をつくっていきたいですか。
現在は少人数の協働スタッフと事業を運営しており、今後の組織拡大に向けた仕組みづくりを進めている段階です。
ただ、組織が拡大しても、私と同じ価値観の人材ばかりの会社にはしたくありません。あえて細かな行動指針を決めすぎないのもそのためです。
自分にはない視点や考え方を持った人が加われば、事業の可能性はさらに広がります。「社会に無限大の可能性を」という軸は変えず、その中で一人ひとりの個性を生かせる組織にしていきたいですね。
年齢や立場を問わず、「困ったら相談できる」存在を目指す
――今後、会社として実現していきたいことを教えてください。
合計特殊出生率が年々低下し、人手不足が深刻になるなか、営業リソースの確保に悩む企業は今後さらに増えていくと見ています。世の中にサービスがある以上、営業とマーケティング機能が必要です。だからこそ私たちは、外部の営業代行としてだけではなく、クライアント企業にとって外部の最高戦略責任者(CSO)のような存在を目指しています。
人にも組織にも、本来はさまざまな可能性があります。それでも「サービスが良いのに売れない」「人が足りない」「教育コストも時間も割けない」といった課題によって、その力を十分に発揮できないことがある。そこを営業力と仕組み化によって解決し、事業成長を最短距離で後押ししていきたいです。
同時に、教員経験があるからこそ、次世代の教育課題にも引き続き取り組んでいきます。高校年代への学習支援、若い世代へのキャリア支援、企業への営業支援。一見すると別々の事業ですが、私の中ではすべて「可能性を引き出す」という一本の線でつながっています。
中高生から社会人、企業経営者まで、年齢や立場に関係なく、「困ったときにトミーコンサルタンツへ相談すれば、何らかの解決の糸口が見つかる」。そんな存在になれたら理想ですね。
まず動き、学び続けることが自分自身の原動力
――仕事をするうえで、日頃から意識していることはありますか。
特に意識しているのは、意思決定と実行のスピード感です。何か相談や課題があれば、できるだけ早く動くことを大切にしています。
会社としてはまだ始まったばかりですから、今はとにかく経験を積む時期です。受けられる仕事に向き合い、勉強できるものはすべて吸収する。まず行動してみることで見えてくるものも多いので、一つひとつの経験を次に生かすことを意識しています。
一方で、経験したことを自分だけのものにしないことも重視しています。自分の行動や判断、そこから得た知見を記録し、将来的に誰かへ引き継げる状態にしておく。「自分は知っているが他人は知らない。」といった属人化を徹底的に避けたいと考えています。自分がいなければ機能しない会社ではなく、蓄積したものを次の人につなげられる会社にしていきたいです。
まだ取り組むべきことも、学ぶべきこともたくさんあります。だからこそ、今は目の前のことに一つずつ向き合いながら、事業としてできる可能性を増やしていきたいですね。