宇宙開発という夢をロボット技術で現実へ。自社製品の実現を目指す挑戦
時空ロボティクス合同会社 代表 武内 晋哉氏
時空ロボティクス合同会社の主軸は、ロボットや組み込み分野における外部企業向けのソフトウェア開発です。その一方で、自社製品の開発にも取り組んでいます。その先に描くのは、人間とロボットが協力しながら宇宙開発を進めていく未来です。未来の発展への貢献を目指す武内氏に、独立に至った経緯や事業への思い、現在の課題、今後実現したい構想について伺いました。
目次
人とロボットが協力し、未来の発展に貢献する
――現在の事業内容について教えてください。
現在は、外部企業から依頼を受け、ロボットに関するソフトウェア開発や組み込み分野の仕事に取り組んでいます。外部の案件で収益を得ながら、自社製品の開発も少しずつ進めているところです。
自社開発に活かせる知識や経験を蓄積したいと考えているため、ロボットや組み込みに関係する仕事を重視しています。
――企業として掲げている理念を教えてください。
私は、人類の発展や宇宙を含めた未来の発展に貢献したいと考えています。そのなかで思い描いているのが、人間とロボットが協力して宇宙開発を進める社会です。将来的には、宇宙に人が住み、街がつくられる未来につながればよいと思っています。
大きな夢ではありますが、その夢を実現するために起業しました。ロボットを通じて新しい価値を生み出し、未来の発展に関われる企業にしていくことが目標です。
やりたい開発を追い続けた先にあった、独立という選択
――経営者になったきっかけを教えてください。
もともと独立したいという気持ちはありました。ただ、当初は起業の方法がわからなかったため、まずはベンチャー企業に入り、企業がどのように動いているのかを見ようと考えたのです。
その後、システムやソフトウェアを扱う企業、機械寄りのロボット関連企業など、複数の企業を経験しました。しかし、いずれの環境でも、自分が望む形でロボット開発に取り組み続けることには難しさを感じていました。
転機となったのは、転職を考えていた時期に、案件を獲得してフリーランスのように活動する方法があると教えてもらったことです。実際に案件紹介サイトへ登録したところ、比較的金額の大きな案件を獲得できました。そこで、自分でもやっていけるかもしれないと考え、2023年1月に独立したのです。
――仕事を選ぶ上で大切にしていることは何ですか。
ロボットや組み込みに関わる仕事を続けることです。Webサイトなども技術的には制作できますが、私は自社のロボット開発につながる知識や経験を積みたいと考えています。
そのため、案件についても、できる限りロボットや組み込み分野とのつながりを意識しているところです。宇宙開発につながるロボットをつくりたいという目標は、独立した当初から変わっていません。
――創業後、特に難しさを感じていることはありますか。
創業直後は、今振り返るとかなり順調でした。当時は比較的スムーズに案件を獲得できていましたが、最近は案件を取る難しさを感じています。
短期間で終了する案件が続いたこともあり、現在は半年や1年ほど継続できる案件を獲得し、実績を積み重ねる必要があると考えています。そのため、交流会にも参加し、名刺交換をした方との面談につなげるなど、自分自身でも営業活動を行っている状況です。
必要な力を見極めながら、組織の土台をつくる
――現在の組織体制について教えてください。
現在は私が中心となって業務を行っています。必要に応じて業務委託の技術者に依頼しており、多い時期では2人の技術者と仕事をするといった体制です。そのほか、営業代行にも依頼しています。
日常的なやり取りには、Teamsなどのチャットツールや、Zoomなどを使ったWeb会議を活用しています。
――今後、採用する考えはありますか。
人材を増やしていきたいという考えはあります。ただ、現時点では技術者を採用するのか、営業を採用するのかまでは決めていません。まずは案件を安定して獲得することが優先です。その後、状況を見ながら、どのような役割の人が必要なのかを判断していきたいと考えています。
一緒に働く相手とは、心理的安全性が高く、安心して仕事ができる関係が理想です。必要以上に相手より優位に立とうとするのではなく、お互いに安心して関われることを大切にしたいと思っています。
技術力に営業力をかけ合わせ、自社製品の実現へ
――現在、企業の成長に向けて力を入れていることは何ですか。
現在、特に力を入れているのは営業です。技術面については、ロボット業界の方だけでなく、異なる分野の方からも評価していただくことがあります。
一方で、営業力が課題だと言われることも多く、私自身も改善が必要だと感じています。交流会への参加や営業代行の活用を進めていますが、面談から契約につなげる部分は、さらに磨いていきたいです。
メールをどのように返すのか、商談の場でどのように判断するのかといったことも含め、対人での営業力を身につけることが現在の課題です。自分の営業力が高まれば、案件獲得にもつながると考えています。
――自社製品について、どのような計画を描いていますか。
自社製品のプロトタイプ開発を進めています。以前、補助金申請の書類を作成した際には、2年目にプロトタイプをつくり、3年目に販売するという計画を立てました。現在は機械的な部分に課題があるため、ものづくり分野の伴走支援なども活用しながら開発を進めようとしているところです。
また、組み込みやロボットに関わる団体を通じて、企業とのマッチングを図ることも選択肢の1つだと思っています。まずは自社製品を形にし、実際に販売できるところまで進めることを目指していきたいです。
宇宙とものづくりへの興味を、事業のその先へ
――宇宙開発に興味を持っている理由を教えてください。
私は宇宙そのものだけでなく、開発によって世界が発展していくことに興味があります。例えば、宇宙に人が住めるようになり、そこに街をつくることです。タイムマシンのような、時間や空間に関する技術にも関心があります。
すぐに実現できるものではないと思いますが、そうした未来につながる技術には以前から興味を持ってきました。
まずは自分が関心を持っているロボット開発や組み込み技術を1つずつ積み重ね、自社製品を形にしたいと考えています。その先で、人間とロボットが協力して宇宙を開発していくという目標につなげていくことが、私の描いている未来です。