共鳴を広げ、事業に寄り添う——SVAION(スヴァイオン)鈴木海吾氏が貫く伴走型の経営
SVAION 代表 鈴木 海吾氏
SVAION(スヴァイオン)は、EC領域の知見とAI活用を掛け合わせ、クライアントの事業を伴走で支える取り組みを進めています。代表の鈴木海吾氏が大切にするのは、短期の利益よりも信頼と共鳴を広げること。本記事では、その意思決定の軸と、これからの挑戦を伺いました。
目次
ECとAIを掛け合わせ、現場を支える伴走型サービス
――現在の事業内容と特徴を教えてください。
当社はいま、主に2つの軸で動いています。1つはECコンサルとブランドマネジメントです。私はECに携わってきた経験があり、ブランド立ち上げや商品づくりを支援してきました。そうした背景から相談が集まり、現在の主事業になっています。
もう1つはAIを活用したアプリ開発です。いま特に進めているのがAIのロープレで、例えばホテルの新人研修など、人同士で行うロールプレイをAIで実装することを目指しています。来年ぐらいから実装できれば、安定したビジネスになっていく手応えがあります。
――社名に込めた想いは何でしょうか?
「SpreadingHarmony(広がる調和)」を実現したい、という思いが原点です。世界を回ったとき、争い事が絶えない現実も見ました。その中で、日本は文化として調和が取れていると強く思いました。そんな調和の文化を広げたい。
SはSpreadingの頭文字、VIONは日本語の「倍音」から取りました。音が重なって共鳴し、豊かに広がっていく——そのイメージを、パートナー企業との関係に重ねています。
利益より信頼を重ね、調和を広げる意思決定
――経営者になられた経緯を教えてください。
もともとは訪日客向けに、日本文化の根底にある考え方を伝えるサービスを構想していました。そのために前職を退社し、世界1周をしました。特にヨーロッパの富裕層に日本文化を伝えるには、彼らが受けている一流のサービス水準を知らなければならないと考え、リゾート地のホテルなども巡りました。
その旅の途中で語学学校に2ヶ月ほど通ったのですが、そこでAIを使って課題を提出するのが当たり前になっていた現実に直面しました。日本ではまだ想像しにくい光景で、「AIを日本でももっと使わないと大変だ」と思い、帰国後にECの強みとAIを掛け合わせた事業へ大きく舵を切りました。
――経営判断の軸になっている価値観は何ですか。
私は、良い哲学やミッションを持つ方を応援したいと思っています。AI領域では助成金を活用した研修ビジネスも増えていますが、上限に合わせて価格を設定し、本来そこまで必要のない内容を提供している例もあると感じます。制度自体を否定するのではなく、税金が原資であることも含め、企業も、その先のお客様も納得できる関係が大切だと思っています。
儲けることよりも、信頼を積み重ね、共鳴を広げる仕事を選ぶ。そこが私の意思決定の軸です。
人の力を信じ、任せることで組織を育てる
――コミュニケーションで大切にしていることは何でしょうか。
当社は私1人で、開発やデザインなどはパートナーの皆さんと進めています。人数は全部で10名くらいです。
いま大事にしているのは「人の力を最大限信じること」です。前職でチームを持っていた頃、私は部下を詰めてしまう最低な上司だったと思います。ただ、あるきっかけで自分自身を再構築する中、『任せ方の教科書』に出会い、考え方が大きく変わりました。
任せるために方針を示し、フォローする。その姿勢に切り替えたことで、部下の空気も成果も変わり、部署の数字も回復した経験があります。だからこそ、相手の可能性を信じて支える姿勢を軸にしています。
AIを基盤に、新たな挑戦の循環を描く
――これからの展望をどのように描いていますか。
課題は収益基盤の安定化です。いまは単発の仕事も多いため、サブスクモデルの事業をしっかり構築したい。そのためにAIロープレやWEBアプリ開発を軸に、まずは1社で運用を成功させ、手応えを掴んでから広げていこうと考えています。
営業代行会社とも商談を進めており、来期はスピードを上げていきたいと思っています。
自然に身を委ねて心身をリフレッシュ
――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
海が近い実家で1人暮らしをしていて、歩いて5〜6分で海に行けます。学生の頃から続けているサーフィンに加え、アウトリガーカヌーやスタンドアップパドルもします。自然に触れることが、心身を整える一番の方法ですね。
調和を起点に、信頼を重ね、共鳴を育てる――その積み重ねこそが、自分の歩む経営の道だと思っています。