「真似されない価値をつくる」──研究開発に挑むベビー用品ECの現在地
株式会社ぽんぴー 代表取締役 杉井 景亮氏
中国輸入を軸にしたEC市場では、模倣と価格競争が激しさを増しています。そうした中で株式会社ぽんぴーは、研究開発に時間をかけ、自社ならではの商品づくりに挑み続けています。本記事では、ベビー・キッズ用品を手がける理由や、独立に至った背景、そして今後の展望について、代表の杉井景亮氏にお話を伺いました。
目次
研究開発に時間をかける、ベビー用品ECという選択
━━ 現在の事業内容と、会社として大切にしている考えを教えてください。
現在は、ベビー用品・キッズ用品を中心に、中国輸入による自社ブランドの商品をECで販売しています。昨年販売を開始した「ベビーカーフック オープンロックカラビナ」がグッドデザイン賞を受賞し、現在はその商品をメインに、楽天市場やAmazonで販売しています。
ビジョンとしては、親世代だけでなく、子どもたちが大きくなったときに「この会社の商品、使っていたな」と思い出してもらえる存在になることです。子どもの幸せには、親の笑顔や家庭環境が大きく影響すると思っていますので、ママのストレスを一つでも減らせる商品をつくることを大切にしています。
単に中国の工場にあるものを売るのではなく、「なぜこの商品をつくっているのか」が見ただけで伝わるようなものづくりを心がけています。
少数派の道で、自分の実力を試したかった
━━ 経営者になられたきっかけや、これまでの歩みを教えてください。
もともと、人に言われたことを学ぶのは好きでしたが、ある程度学び終えたら自分の力を試したくなる性格でした。サラリーマンとして働く中で、強い憧れがあったわけではありませんが、みんなが選ばない道に挑戦したいという気持ちはありました。
大学時代には、海外で暮らしながら働くことにも興味があり、パソコン一つでできる仕事として、AmazonやeBayを使った輸入販売に触れた経験があります。その後、訪問販売の営業も経験しましたが、体力的に合わず、ECのほうが自分に向いていると感じました。
前職ではEC関連の会社で社長と二人で働き、非常に充実した時間を過ごしましたが、働きすぎたことで体調を崩したことが大きな転機になりました。仕事と健康、生活のバランスを考えるようになり、自分で経営判断ができる形を選びました。
「誠実さ」を軸にした、ひとり経営というスタイル
━━ 組織運営や、今後の採用についてのお考えを教えてください。
現在は社員を雇わず、完全に一人で経営しています。今後については、3年後を目安に採用を検討していますが、いわゆる組織化というよりは、独立支援の形を考えています。最初から「数年後に独立する前提」で関わってもらうイメージです。
一緒に働くうえで重視したいのは、誠実さです。特定の経歴や分野ではなく、これまで何を大切にしてきたか、問題が起きたときにどう考え、どう行動するかを見ていきたいと考えています。
再現性のある成功モデルをつくる
━━ 今後の展望や、挑戦したいことを教えてください。
今の目標は、一人で勝ち切れる成功モデルをつくり、それを再現できるかを試すことです。模倣や価格競争が激しい業界だからこそ、「この会社がこれを出してきたか」と伝わる商品を生み出せるかが重要だと思っています。
AIの普及によって情報はさらに溢れると思いますが、足し算ではなく引き算の発想で、本当に必要なものだけを残す商品開発が、これからの時代に必要だと感じています。評価された商品をなぜ生み出せたのかを振り返り、次につなげていくことが今の課題です。
思考を止める時間が、次の発想を生む
━━ お仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。
一番のリフレッシュは、娘と過ごす時間です。これは今後も手放したくありません。あとは、知人経営者が参加している朝の瞑想会に参加することがあります。普段は思考が止まりにくいのですが、たまにしっくりくる瞬間があり、そのときは頭も体も軽くなった感覚があります。
考え続ける自分だからこそ、思考を手放す時間を意識的につくることが、結果的に仕事にも良い影響を与えていると感じています。
これからも、生活と健康、そしてものづくりのバランスを大切にしながら、自分にしかできない価値を追求し続けていきたいと考えています。