日本のエネルギー自給を、住宅単位から変えていく──MINZ CREWが挑むインフラ普及のかたち
株式会社MINZ CREW 代表取締役 小野寺 勇氏
日本のエネルギー自給率の低さや、災害の多い国土という課題に向き合いながら、住宅単位でのエネルギー普及に取り組む株式会社MINZ CREW。再生可能エネルギーの中でも太陽光に着目し、個人レベルから日本のインフラを支える事業を展開しています。本記事では、同社の事業の背景や理念について、小野寺氏にお話を伺いました。
目次
住宅単位からエネルギー自給を考える──MINZ CREWの現在地
――現在の事業内容や、会社として大切にしている考え方について教えてください。
弊社では、エネルギー事業を中心に取り組んでいます。日本は地震や台風などの自然災害が多く、インフラの在り方が、そのまま生活の安定性に直結する国だと考えています。
一方で、日本のエネルギー自給率は2割を下回っており、海外の先進国と比べても非常に低い水準にあります。私自身、海外の状況を知る中で、この差に強い問題意識を持つようになりました。
ヨーロッパなどには、エネルギー自給率が非常に高い国もあります。そうした国々と日本を比べたとき、その違いを強く実感しました。島国であり、なおかつ災害が多いという条件を踏まえると、エネルギーインフラの整備は、より一層重要だと感じています。
そうした背景の中で着目したのが、「住宅単位で何ができるか」という視点でした。
再生可能エネルギーには、水力や風力、バイオマスなど、さまざまな選択肢があります。ただ、家庭レベルで導入できるものは限られています。その中で、個人や家庭単位で現実的に普及できるのが太陽光でした。
弊社では太陽光を軸に、住宅単位からエネルギーの自給自足を支えることで、日本のインフラ課題に貢献していきたいと考えています。
――エネルギー事業を通じて、どのような価値を届けたいと考えていますか。
私が考えているのは、エネルギーの自給自足は単なるコストの話ではなく、社会全体の安定性につながるということです。エネルギーを自分たちで賄える仕組みが整えば、災害時のリスク軽減や、事業・生活の継続性にもつながっていきます。
また、エネルギー自給への取り組みは、長期的に見ればコスト競争力の維持にも影響してくる要素だと捉えています。
だからこそ弊社では、エネルギー事業を一時的な流行としてではなく、日本の未来を支えるインフラとして位置づけ、地道に普及させていくことを大切にしています。
住宅という身近な単位からエネルギーの在り方を変えていく──それが、私たちMINZ CREWの現在の立ち位置であり、事業の根幹です。
大学中退から営業の世界へ──小野寺勇が選んだキャリアの原点
――大学を中退し、営業の世界へ飛び込んだ背景について教えてください。
私は大学を中退していますが、いわゆるインターンを経て社会に出たわけではありません。外国語学部に在籍しており、当初は「英語の先生になれたらいいな」という、かなり漠然とした考えで大学に進学しました。強い夢があったというよりは、「一旦その道を目指してみよう」という感覚に近かったと思います。
ただ、英語が思うように身につかず、これは留学しなければと思い、留学を決断しました。現地では多くの出会いや刺激があり、「選択肢は一つではない」ということを実感しました。一方で、費用面などの現実にも直面し、その経験を経て、帰国する少し前には「大学を辞める」という決断を自分の中で固めていました。
帰国後はすでに大学3年生のタイミングでしたが、退学届を提出し、その後はご縁をきっかけに営業会社へ中途入社しました。就職活動で大きくつまずいたというよりも、比較的スムーズに営業の世界へ足を踏み入れた、という感覚に近いですね。
――営業としてのキャリアは、どのようなスタートだったのでしょうか。
営業として最初に携わったのは、NHKの契約業務でした。テレビを設置しているご家庭に対して契約を案内する仕事で、正直、一般的には敬遠されやすい業務だと思います。決して喜ばれることばかりではなく、社会人としての厳しさを最初に体感した経験でした。
その後、私が所属していた会社は営業代行を行うBPO企業で、扱う商材は非常に幅広いものでした。ITやシステム関連、通信分野など、さまざまな商材の営業を経験する中で、営業という仕事の基礎と応用を積み重ねていきました。代表自らが営業を担う環境の中で、実践を通じてスキルを磨いてきたことが、現在のキャリアにつながっています。
「営業は聞く仕事」──組織づくりと人との向き合い方
――組織運営や社員との関係性で、大切にしていることを教えてください。
私が一貫して大切にしているのは、「営業のイメージを回復させる」という考え方です。世の中には、営業に対して「押し売り」「騙される」といったネガティブな印象を持つ方が一定数いるのも事実だと思っています。だからこそ、エネルギー事業やセールスコンサルを含め、弊社が展開するすべての事業において、営業の本来の価値や存在意義を正しく伝えていきたいと考えています。
そのために社員に伝えているのが、「営業は話す仕事ではなく、聞く仕事だ」ということです。商品やサービスのメリットを一方的に伝えるのではなく、お客様が何を求め、何に不安を感じているのかを理解することを何より重視しています。いわば“理解者になる”という立ち位置を取れなければ、どれほど価値のある商材であっても提供すべきではないと考えています。この考え方は、日々の研修や日常の指導の中でも繰り返し伝えています。
――「相手の立場に立つ」ことについては、どのように伝えていますか。
前提として、「人の考えを100%理解することはできない」ということを伝えています。だからこそ、目に見える情報から丁寧に相手を知ろうとする姿勢が大切です。視覚的な情報や雑談を通じて理解を深める中で、行動経済学の考え方も取り入れています。人が無意識に取る行動や癖を知識として蓄積することが、営業の質を高める要素になると考えています。
――これから仲間を増やしていく中で、どのような人材を求めていますか。
求める人物像はシンプルで、「夢があり、それを言葉にできること」「素直であること」「元気であること」の三つです。スキルは会社側が用意すべきものだと考えているからこそ、その環境を自分の力に変えられるかどうか、その前提としてこの三つを重視しています。
人材を起点に広げる成長戦略──MINZ CREWが描くこれからの展望
――今後の成長に向けて、どのような方向性を描いていますか。
今後の展望について、私が最優先だと考えているのは「人材の拡充」です。売上や事業規模を拡大していくうえで最も重要なのはリソースであり、人が増えれば実現できることは大きく広がると考えています。実際、今期は前期比で約2.5倍の成長を掲げており、その実現に向けて人材の確保と育成は欠かせません。
顧客数を無理に増やすのではなく、まずは社内の体制を整えることを重視しています。その結果として、自然と事業の拡大につながっていくという考え方です。現在も、紹介や訪問営業を通じた引き合いは増えており、事業の土台は整いつつあると感じています。
――営業手法や事業の広げ方については、どのように考えていますか。
営業手法は、訪問営業と紹介を軸にしつつ、今後はテレアポも取り入れていく予定です。すでにリストは蓄積されており、別部隊として本格的に動かしていく計画です。一方、広告については過去に試したものの、現時点では効果を感じにくかったため、当面は実施しない方針です。営業体制は基本的に内製化を重視し、分業を進めながら、空いたリソースを新たな取り組みに振り分けていきます。
――人材育成という観点では、どのような未来を見据えていますか。
弊社では教育そのものを強みと捉えています。一人ひとりに可能性があるという考えのもと、若い世代はできる限り内製で育てていく方針です。将来的には分社化も視野に入れ、育成してきた人材に事業やプロジェクトを任せていく。そのための教育と環境づくりに力を注ぎながら、弊社は次のフェーズへ進もうとしています。
仕事も遊びも全力で──未来世代へ向けた情熱の行き先
――経営以外も含めて、ご自身が最も情熱を注いでいることを教えてください。
私の情熱の源は、「仕事か遊びか」といった区分を超えたところにあります。個人的なモットーは「仕事も遊びも全力」。何事にも本気で向き合うという姿勢は、経営の場面に限らず、人生そのものに対するスタンスだと思っています。
その中でも、特に強い思いを持っているのが「教育投資」という考え方です。私が見据えているのは、目の前の成果だけではありません。30年後、自分より30歳年下の世代が30歳を迎えたとき、その社会がどれだけ生きやすいものになっているか。そこに対して、今の自分の行動がどのような影響を与えられるのかを、常に考えています。
――教育投資という言葉には、どのような意味が込められていますか。
私が大切にしているのは、未来の社会において「頑張っている人が正しく評価されること」です。一方で、資本主義が行き過ぎた結果として、マネーゲームのような側面が強まっている現状には、強い違和感も感じています。政治や環境の変化に振り回されすぎることなく、自分の力で道を切り拓ける社会であってほしい。そのために、今できることを一つひとつ積み重ねていきたいと考えています。
取り組んでいる事業や人材育成も、すべてはその延長線上にあります。直接的な結果でなくても、自分の活動が良い影響として波及していくこと。それこそが、今もっとも情熱を注いでいるテーマです。
仕事にも人生にも全力で向き合いながら、未来の世代へ何を残せるのか。これからも、その問いを胸に、私は挑戦を続けていきます。