血の通った金融を目指して――日本を前に進めるジャパン・ネクスト・デザインの挑戦

ジャパン・ネクスト・デザイン株式会社 代表取締役 大原 庸平氏

2025年7月に設立されたジャパン・ネクスト・デザイン株式会社は、「中小企業の経営支援および地方創生支援」と「経営人材支援」、そして「企業の撤退・紛争解決支援」の3つの事業を柱に掲げる企業です。大企業で長年にわたり新規事業創出や資金調達を担ってきた代表の大原庸平氏が、「経験とノウハウの差を埋める」ことを目的に立ち上げました。大企業と中小企業、都市部と地方、その間に横たわる見えにくいギャップにどう向き合うのか――構想の全体像を詳しく伺いました。

3つの事業モデルで挑む、経営支援の再設計

――現在の事業内容や方針について教えてください。

当社は、3つの事業を展開しています。いずれも単体で完結するものではなく、それぞれが相互に補完し合いながら、日本全体の成長に資するモデルを描いています。

1つ目は、中小企業をはじめとする企業様向けの経営支援および地方創生支援事業です。大企業と中小企業の間には、能力の差というよりも経験値やノウハウの差があると感じています。地方と都市部に関しても同様で、その差を埋めることを軸にしています。

例えば、大企業では当然のように活用されているスキームや意思決定プロセスも、中小企業では触れる機会すらないことがあります。そこにあるのは優劣ではなく、単に経験する機会があるかどうかの違いです。

地方では、「ファンドを組成する・証券化する」といった資金調達の手法を実際にやったことがないというケースが多い傾向にあります。私は東京の金融会社にいましたのでそれらを当たり前に感じていましたが、地方では、銀行員でも経験がないことがあります。そういった経験不足から生じるギャップは大きいでしょう。その結果、本来であれば実現できるはずの事業が、資金調達の方法を知らないという理由だけで前に進まないこともあります。

また、地方では宿泊施設の開発経験を持つ方は比較的おられますが、宿泊を伴わない集客施設、レジャー施設などの開発経験を持つ方は非常に少ないのも特徴です。金融機関にもノウハウがないような領域で当社が支援を行い、ノウハウの差を埋めたいと考えています。

対象は、特定の地域ではなく全国です。特定のエリアに限定せず、日本全国を対象にしているのは、どの地域にも同様の課題があると感じているからです。経験の偏在は一部の地域だけの問題ではありません。

――2つ目の経営人材支援事業についても教えてください。

特にミドル層やシニア層の方々に活躍の場を提供することです。日本の大企業では、60歳前後になると経済的処遇が大きく下がることがあります。しかし、能力がなくなったわけではありません。まだ現役で働ける方々に、能力に見合った仕事を供給するために、人材紹介も含めた支援を行います。

長年培ってきた経験やネットワークは、年齢とともに失われるものではありません。それにもかかわらず、活躍の機会が減ってしまうのは社会全体にとっても損失です。そうした人材と、ノウハウを必要とする企業をつなぐことに大きな意義を感じています。

――3つ目の撤退支援・紛争解決支援についても詳しく教えてください。

赤字会社の撤退や経営上の紛争に対する支援です。私自身が子会社の社長を務めていた際に赤字会社を売却する経験をしていますが、最終的に1円でしか売れない会社に対して、年収1,000万円を超える人材が1年かけて売却活動を行うという状況でした。

それであれば、早い段階で1円で買い取り、煩雑な作業や精神的負担から解放した方が合理的です。撤退作業は精神的にも厳しく、担当者が病んでしまうこともあります。そこで当社が早期に引き取って周辺への説明や整理を担うことで、メンタルケアを直接行うわけではなくても、実質的に大きなケアにつながると考えています。

この事業は、“予防”という意味合いが強い支援かもしれません。問題が深刻化する前に切り離すことで、企業も人も次の一歩に集中できる環境を整えることが、この事業の狙いです。

大企業での経験が導いた、起業という選択

――会社設立に至った背景を教えてください。

私は、以前は大和証券に26年間在籍していました。在籍中には、経営企画部で新規事業の責任者を務め、エネルギーインフラ会社や農業会社を立ち上げました。中小企業向けの投資やファンド組成も行い、事業を拡大してきました。そして、新規事業を立ち上げるなかでは、資金調達や組織づくり、外部パートナーとの連携など、あらゆる局面に向き合ってきました。

新規事業というと、「10年かかってやっと黒字化する」といったイメージがあるかもしれません。しかし実際には、5年で大きな利益を出した事業もあります。また、農業会社の社長を務めた際には、もともと収支プラスマイナスゼロであった事業を2年で1億円以上の黒字にし、賃上げも実現しました。

これらは、「新規事業は儲からない」という固定観念を覆す経験でもありました。やり方次第で、短期間で利益を出し、従業員の待遇改善まで実現できることを体感しました。

ほかにも、資本提携や、コロナ禍での資金調達なども経験しています。沖縄で進めていたプロジェクトでは、人がいない状況から資金を集め、最終的に大きな資金調達を実現しました。この経験は、非常に印象に残っています。

こうした大企業で培った経営ノウハウを中小企業に活かすことで、企業も利益を出せて、従業員も豊かになると考えています。その実例もあるわけですし、そうした例を広げていきたいという想いから、当社を設立しました。

「人」がすべての起点――血の通った金融を目指して

――経営で大切にしている価値観は何でしょうか。

人です。なぜなら、会社は個人の集合体だからです。

企業同士が取引しているように見えても、実際に動かしているのは担当者個人です。その人が何を実現したいのか、どのような価値観を持っているのかが会社を動かしています。

大企業同士の取引であっても、最終的に意思決定するのは一人の人間です。その“個”を理解しなければ、本当の意味での連携は生まれないと感じています。

金融は冷たい世界に見られがちですが、担当者の想いや責任感、「失敗したくない」「評価されたい」といった気持ちなどが大きく影響する世界です。そうした感情を理解しながら仕組みを作ることが大切だと考え、“血の通った金融”であることを意識しています。

また、当社自体は固定的に人を雇用する形は取っていません。フリーランスのような形で活動する方々と、対等なパートナーとして連携するモデルです。私自身も一人で立ち上げましたが、これまでのキャリアで築いてきたネットワークを基盤に、紹介や信頼関係を通じて連携を広げています。

――パートナーに求めるものは何でしょうか。

専門性はそれぞれ違いますが、求めるのは誠実さです。独立しているからこそ、自分の利益だけを優先しないことが重要です。

数字やスキームだけでは物事は動きません。最終的には人の想いが物事を動かします。その前提に立っているからこそ、誠実であることを何より重視しています。

――協業先との関係で意識していることはありますか。

対等であることです。年齢や肩書きに関係なく、尊敬の心をもって接しています。若い方と組むことも多いですが、常に敬語で話しています。自信はありますが、必要のないプライドは持っていません。自信と謙虚さの両方を持つことを心がけています。

趣味を通して知る、「経営」と「自分自身」

――お仕事以外で何か情熱を持っていることはありますか。

ゴルフです。ゴルフは人柄が現れるスポーツだと思います。

変なところにボールが行ったとき、「届くかもしれない」と無理をしたくなりますが、実力が伴わないこともあります。そのときに理性で判断できるかどうか、着実にフェアウェイに置けるかどうか――こうしたところが、経営と似ていると感じています。

また、自分の癖もわかりますので、精神修行のようなものです。プレーを見ていると、その人の性格も見えてきます。そういう意味でも、ゴルフは自分を見つめる時間になっています。

経営も同じで、無理をせず着実に積み重ねること、そして自分の実力を正しく認識することが重要だと感じています。ゴルフを通して、その感覚を磨いています。

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