「遊び」を軸にユーザー体験を拡張する――オーテ株式会社が描くアプリ事業の進化と挑戦

オーテ株式会社 代表取締役 早瀬 優希氏

オーテ株式会社は、スマートフォン向けアプリ「パズルで検証シリーズ」を中心に、エンターテインメント領域で独自のサービスを展開している企業です。累計2000万ダウンロードを超える同シリーズを基盤に、OEMによる協業モデルや海外展開など、新たな成長戦略にも積極的に取り組んでいます。本記事では、代表取締役の早瀬優希氏に、事業の特徴や成長の背景、今後の展望について伺いました。

アプリ事業を軸に広がる3つの展開

――現在の事業内容について教えてください。

現在の事業は大きく3つの軸で構成されています。

1つ目が、主力である「パズルで懸賞シリーズ」というスマートフォンアプリの開発・運営です。これは、パズルを解くことでポイントが貯まり、そのポイントで懸賞品に応募ができる仕組みのアプリで、従来の紙媒体の懸賞付きパズル雑誌をデジタル化したようなサービスです。累計ダウンロード数は約2000万に達しており、現在も基盤事業となっています。。

2つ目はOEM型の協業モデルです。自社には無いユーザー基盤やマーケティングチャネルと、自社のアプリ開発リソースを組み合わせ、共同でサービスを展開しています。既存のリソースを活用しながら新しいユーザー層を獲得できる点が特徴です。

3つ目が海外展開です。これまで国内中心だったサービスを海外にも広げ、ユーザー基盤の拡大を図っています。日本市場で培った仕組みを活かしながら、新たな市場への挑戦を進めています。

――ビジネスモデルについて教えてください。

収益の中心は広告モデルです。ユーザーがパズルを解いたり、応募を行ったりする際に表示される広告から収益を得ています。広告主とメディアをつなぐアドネットワークを活用し、プログラマティックに収益化が行われる仕組みです。

ユーザー体験を損なわずに広告を組み込むことが重要なポイントになっています。

社内起業とM&Aが導いた経営への道

――経営者になられた経緯を教えてください。

もともとは親会社である企業に所属し、広告事業に携わっていました。その中で、動画リワード広告サービスの立ち上げに関わり、事業を成長させた経験があります。この経験などが評価され、社内の事業家育成プロジェクトに参加する機会を得ました。

その後、本プロジェクトにてアプリ企業の買収案件の話が上がり、自ら事業計画を策定して関わることになりました。結果としてその企業に参画し、代表取締役として経営を担うことになりました。ゼロからの起業ではなく、M&Aを通じて経営の道に進んだ点が特徴です。

――経営者としてのターニングポイントはどこにありましたか。

最も大きな転機は、買収時の事業計画の策定です。既存のサービスに対して、どのように自社のリソースを掛け合わせて成長させるかを事前に明確にしていました。この計画が、その後の成長に大きく寄与したと感じています。

また、買収後にコロナ禍が重なり、ユーザーの在宅時間が増えたことでアプリの利用が伸びた点も追い風となりました。外的要因も含めて、複合的に成長が加速したタイミングでした。

成長の鍵は「プロダクト」と「マーケティング」の両立

――今後注力していく領域について教えてください。

現在はOEMと海外展開の2つに特に注力しています。パズルde懸賞シリーズの国内市場でのシェア拡大が一定の限界に近づいているため、新たなユーザー接点を持つ企業との協業が重要になっています。また、海外市場に目を向けることで、より大きなユーザー基盤の獲得を目指しています。

――現在直面している課題は何でしょうか。

一つは既存シリーズのユーザー獲得の難しさです。累計ダウンロードが増えたことで、新規ユーザーの獲得効率が低下しています。また、市場全体としてもユーザーの可処分時間の奪い合いが激しくなっており、競争が激化しています。

もう一つは海外展開における課題です。各国の文化や法規制への対応、ローカライズのコストなど、国内とは異なるハードルがあります。サービスがその国で受け入れられるかどうかを見極める必要があります。

「遊び」を社会に届けるというミッション

――事業を通じて実現したい社会的価値について教えてください。

「いつまでも楽しめる遊びを作り広める」というミッションを掲げています。エンターテインメントは生活必需品ではありませんが、あることで日常に楽しさや彩りを加える存在です。ちょっとした余暇の時間に、このアプリがあってよかったと思ってもらえることを目指しています。

また、一度使って終わりではなく、記憶に残るサービスでありたいと考えています。ユーザーの中で思い出として残るような体験を提供することが重要だと捉えています。

経営哲学と組織づくりへの想い

――経営者として大切にしている考え方を教えてください。

大きな軸として「反骨精神」があります。親会社には強いリーダーシップで事業を成長させてきた経営者がいますが、それに対するリスペクトと同時に、自分自身で新たな成功を生み出したいという思いがあります。

また、組織運営においては距離の近さを大切にしています。異なるバックグラウンドを持つメンバーが集まる中で、調和を図りながら新しいカルチャーを築くことが重要です。M&A後は特に、既存の文化を引き継ぐだけでなく、自分たちなりの価値観を明確にすることを意識してきました。

自然の中でリセットする時間

――リフレッシュ方法について教えてください。

アウトドアが好きで、キャンプや登山によく行きます。自然の中で過ごす時間は、日常のデジタル環境から離れることができ、非常にリフレッシュになります。また、キャンプの帰りにサウナや温泉に立ち寄ることも多く、心身ともにリセットする時間になっています。

普段は常に情報に触れている状態なので、あえて不便な環境に身を置くことで、思考を整理するきっかけにもなっています。

経営の選択肢を広げるメッセージ

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

起業だけが経営の道ではなく、M&Aや社内プロジェクトを通じて経営に関わるという選択肢もあります。リスクを抑えながら経営経験を積める点は、大きな魅力です。

一方で、買収後の組織づくりは簡単ではありません。異なる文化を融合させ、新しいミッションやビジョンを明確にすることが重要です。そのプロセスを丁寧に行うことで、組織は自分たちのものとして機能し始めます。

経営する立場に自分の身を置くことで、一従業員ではできない経験をすることになり、それが私の視座を強制的にアップデートしてくれました。

今後、起業を考えている場合でも、会社に属していくつもりの場合でも、こういった経験を積むことで1人の人材として強化されると思います。

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