デジタルの力で企業と人の可能性を引き出す──伴走型支援で変化を生み出す経営のかたち
MindNow Consulting株式会社 代表取締役 佐藤 直樹 氏
デジタル活用が求められる一方で、導入や定着に課題を抱える企業は少なくありません。そうした企業に寄り添い、伴走型で支援を行っているのがMindNow Consulting株式会社です。本記事では、事業の特徴や創業の背景、組織の考え方、今後の展望、そして佐藤氏の価値観について伺いました。
目次
デジタル活用を軸に企業の成長を支える伴走型支援
――現在の事業内容について教えてください。
事業は大きく三つあります。一つ目がメインとなるAIDX伴走型コンサルティングです。中小企業に向けて、AIやDX、IT活用の支援を行っています。多くの企業では「何から始めればいいかわからない」「導入しても定着しない」といった課題があり、その部分に寄り添いながら伴走型で支援しています。
特徴としては、小さなステップで進めていく点です。いきなり大きな変革を求めるのではなく、段階的に進めることで、現場に無理なく定着させることができます。実際に社内には新しいことに興味を持つ社員がいるケースも多く、そうした人と一緒に取り組むことで、自然と社内にノウハウが蓄積されていきます。
デジタル人材がいない企業でも、既存のメンバーが活用できるようになることで、結果として組織全体の底上げにつながります。ツールも高度な開発を必要とせずに使えるものが増えているため、コストを抑えながら進められる点も大きいです。
こうした取り組みは単なる効率化にとどまらず、社員のエンゲージメント向上にもつながると感じています。「この会社で頑張りたい」と思える環境づくりにも寄与しているのではないでしょうか。
二つ目はWebコンテンツ制作です。支援を進める中で、ホームページなどの制作ニーズが自然と生まれるため、その流れで対応しています。
三つ目がAI健康エリアサービスです。手のひらを使って全身の状態を把握できる装置などを活用し、健康状態をチェックするサービスです。医療機関に頻繁に通えない方や、高齢者施設、日常的な健康管理の場面でも活用できると考えています。
30年以上のキャリアを経て踏み出した経営の道
――起業のきっかけやこれまでのご経歴について教えてください。
もともと20代の頃から「会社をつくってみたい」という思いはありました。ただ、当時はIT企業に勤めており、そのまま37年間働くことになります。主にハードウェア領域で、中央官庁や大企業の基幹システム、データセンター、スーパーコンピュータなどに関わってきました。
長年にわたり先端技術に触れてきたことで、技術の進化を現場で見続けてきました。一方で、それをどう活用するかという部分については、企業ごとに大きな差があるとも感じていました。その経験が現在の事業にもつながっています。
転機となったのは退職のタイミングです。長く働く中で、「別のことにも挑戦してみたい」という思いが徐々に強くなっていきました。若い頃に持っていた起業への気持ちが、時間を経て再び浮かび上がってきた感覚です。
当時すぐに踏み出せなかったのは、家庭の影響も大きかったと思います。子どもや生活の基盤を守る必要があり、リスクを取る選択は現実的ではありませんでした。ただ、子どもが成長し環境が変わったことで、改めて挑戦できるタイミングが訪れました。
長い時間を経ての決断ではありましたが、その分、自分の中で納得感を持ってスタートできたのは大きかったと感じています。
一人だからこそできる柔軟な関係性とつながり
――組織体制や働き方について教えてください。
現在は一人で事業を行っています。とはいえ、組織を大きくすること自体にはこだわっていません。人数を増やすよりも、どんな形で価値を届けられるかが自分にとっては大切なんです。
ただ、同じ方向を向いて取り組める人がいれば、一緒に動くことには前向きです。社員として抱えるというより、それぞれが自立した立場で関わり合いながら支え合う。そんな関係性が理想に近いと感じています。実際に「一緒にやってみたい」と声をいただくこともあります。
これまで築いてきた人脈やエージェントとのつながりも、大きな支えになっています。必要としている企業との接点が少しずつ広がる中で、「ここでなら役に立てるかもしれない」と思える場面も増えてきました。過去の経験が、今の仕事につながっている実感があります。
一人でやっているからこそ、判断は早く、動きも柔軟です。必要なときには外部の力も借りながら、より良い形をつくっていきたいと思っています。状況に応じて最適な人と組むことで、提供できる価値も高まっていくはずです。
固定的な組織に縛られるのではなく、その都度関係性を築きながら進んでいく。そのスタイルが今の自分にはしっくりきています。これからも無理に形を決めることなく、自分らしいやり方で価値を届けていきたいと思っています。
時代の変化に合わせて価値を提供し続ける
――今後の展望について教えてください。
会社は設立してまだ間もないため、まずは支援できる企業を増やしていくことを考えています。全国の中小企業に対して、デジタル化の支援を広げていきたいという思いがあります。
現在すでに支援している企業もありますが、まだ十分とは言えません。より多くの企業と関わることで、ノウハウの蓄積や提供できる価値の幅も広がっていくと考えています。
一方で、時代の変化が非常に速い分野でもあるため、今の事業がそのまま続くとは限らないとも感じています。AIの進化や新しい技術の登場によって、求められるものは常に変わっていきます。
そのため、状況に応じて自分自身も変化し続けることが必要です。例えば健康サービスの分野も、現在はまだ認知が高くないものの、将来的には一般化する可能性があります。そうした変化を見据えながら、先駆けて取り組むことにも意味があると考えています。
最終的に重要なのは、人と人とのつながりです。どれだけ技術が進化しても、その価値を活かすのは人であり、関係性の中で生まれるものだと感じています。
場所に縛られない働き方が生む新たな価値観
――リフレッシュ方法や日常の過ごし方について教えてください。
趣味は多くありますが、最近は車で移動しながら生活するスタイルを取り入れています。いわゆるカーステイで、車内でも仕事ができる環境を整えつつ、寝泊まりしながら各地を巡るような生活です。
月の半分ほどは外に出ていることもあり、関西や九州、北海道など、日本各地を回っています。場所に縛られずに仕事ができる環境だからこそ実現できる働き方だと感じています。
印象に残っているのは、九州の最東端を訪れたときの体験です。朝早く訪れたこともあり、周囲に人がいない環境で、自分一人だけがその場にいるような感覚になりました。日常ではなかなか味わえない感覚で、強く記憶に残っています。
仕事もオンラインで対応できるため、移動しながらでも問題なく進めることができます。場所を選ばずに働けることは、自分にとって大きな価値になっています。
こうした働き方を通じて、自分自身の視野も広がっていると感じています。これからも柔軟なスタイルを取り入れながら、自分らしい形で事業と向き合っていきたいと考えています。