空き家に新たな価値を――選択肢を広げる「活用型不動産」の挑戦

合同会社藤孝 代表社員 藤川 孝太郎氏

全国的な社会課題となっている空き家問題。その解決に真正面から取り組み、独自のビジネスモデルで再生と活用を実現しているのが合同会社藤孝です。あいち空き家活用センターの運営を通じ、所有者の悩みに寄り添いながら、空き家を収益資産へと転換する取り組みを続けています。本記事では、代表社員の藤川孝太郎氏に、事業の特徴や起業の背景、今後の展望について伺いました。

空き家問題に向き合う事業モデル

――現在の事業内容について教えてください。

空き家という社会問題を解決したいという想いから立ち上げた事業で、現在は約5年になります。空き家で困っている方からご相談をいただき、活用方法の提案から活用までが主な取り組みです。

収益の柱は大きく2つあります。一つは空き家を買い取り、賃貸住宅や倉庫などとして運用する方法です。もう一つは、手放したくないというオーナー様から物件を借り受け、当社負担でリフォームを行い賃貸として活用する、いわゆるサブリースの形です。賃料収入の一部をオーナー様に還元することで、双方にメリットのある仕組みを構築しています。

――このビジネスモデルの強みはどこにありますか。

同様の取り組みをしようとする事業者はおりますが、業として成立させるには時間も労力もかかるため、簡単に真似できるものではありません。特に一件ごとの対応に手間がかかるため、大手企業では難しい領域だと感じています。

当社では「選択肢を提示すること」を重視しています。売却、買取、賃貸活用といった複数の方法を組み合わせることで、お客様に納得感のある意思決定をしていただける点が特徴です。※売買や仲介は宅建業者であるグループ会社、株式会社プロパティリンクにて取り扱い

独立の背景とビジネスとの出会い

――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。

もともとは不動産会社に勤務し、投資用や事業用物件を扱っていました。しかし大手企業では地方の空き家は収益化が難しく、相談があっても断るケースが多かったのです。そこに可能性を感じました。

地元である愛知県知多市は、名古屋に近く賃貸需要もある地域です。空き家が増えている一方で、活用の余地があると考えました。さらに、空き家を借りてリフォームし賃貸化するビジネスモデルに出会ったことが、独立の決め手となりました。

――経営において大切にしている考えは何でしょうか。

無理なく自分ができることを続けることです。派手さはありませんが、人がやらないことや面倒だと感じることにこそチャンスがあると考えています。実際に自分で内装作業を行うなど、現場にも深く関わっています。

空き家に宿る「物語」と顧客ニーズ

――印象的なエピソードについて教えてください。

空き家にはそれぞれ背景があります。特に多いのは、相続によって空き家を所有した女性からの相談です。実家を離れて暮らしており、思い出があるため手放せない一方で、管理も難しいというケースです。

荷物がそのまま残されていることも多く、整理が進まないまま時間だけが過ぎてしまう。そうした状況の中で「第三者に任せたい」というニーズが生まれ、当社にご相談いただく流れが多く見られます。

――物件の利用者にはどのような方が多いのでしょうか。

戸建て賃貸の需要としては、家族世帯やペットを飼っている方、高齢者の方など、一般的な賃貸では条件が合いにくい方が中心です。またDIYが可能な物件では、職人の方が自分で手を加えながら住むケースもあります。

売却が難しいエリアや古い物件でも、賃貸としての需要は一定数存在しており、そこに価値を見出しています。

今後の展望と課題

――今後取り組みたいことを教えてください。

空き家の活用方法をさらに広げていきたいと考えています。例えば民泊としての活用や、倉庫事業との組み合わせなど、新たな選択肢を増やしていく予定です。

また、荷物の保管サービスと組み合わせることで、空き家をスムーズに活用できる環境づくりにも取り組んでいます。

――現在直面している課題は何でしょうか。

法規制や制度面の課題が大きいと感じています。建築基準法の改正やアスベスト対策など、対応すべき事項が増えています。また、空き家バンクなどの制度が十分に機能しておらず、官民の連携がスムーズでない点も課題です。

情報の流通が改善されれば、より多くの空き家を活用できると考えています。

一人で挑む経営と将来像

――今後の会社の姿について教えてください。

基本的には一人で事業を続けていく方針です。ストック型のビジネスとして物件を増やし、将来的には労働に依存しない収益基盤を築きたいと考えています。
今は戸建てが中心ですが、今後はアパートやビルなどにも展開していきたいと思っています。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

自分が無理なくできることを、地道に続けることが大切だと思います。人がやらないこと、面倒だと感じることに取り組むことで、結果としてビジネスにつながるケースは多いです。

大きな会社が手を出さない領域にも可能性はあります。コツコツと積み重ねることで、信頼や仲間も増えていきます。そうした積み重ねが、事業を成長させる力になるのではないでしょうか。

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