自然な笑顔と一生の記憶を残す――キキフォトワークス夫婦ふたりがつくる特別な一日
キキフォトワークス株式会社 代表取締役 池田 敬子氏
キキフォトワークスは、フォトウェディングや七五三・お宮参りなどの家族写真を中心に、出張撮影を行うフォトサービスです。夫婦2人で運営するアットホームな体制のもと、「見ているだけで幸せな気持ちになる写真」をコンセプトに、撮影そのものを一生の思い出として提供しています。本記事では、代表の池田氏に、事業の特徴や経営の考え方、今後の展望について伺いました。
目次
出張撮影で実現する“体験価値”重視のフォトサービス
――現在の事業内容とサービスの特徴を教えてください。
基本的には出張撮影を中心としており、大きく「ウェディング」と「ファミリー」の2つに分かれています。
ファミリーでは、お宮参りや七五三、入学・卒業といった節目の撮影が多く、神社、公園など、お客様のご要望に合わせて場所を選びます。スタジオではなく屋外や生活の場で撮ることで、その人らしい自然な姿を残せるのが特徴です。
また、全国対応で撮影を行っており、出張費は別途いただく形になりますが、内容に対して価格以上の価値を感じていただくことが多いです。リピートでご利用いただく方も多く、お子さまの成長を継続して撮影できる点も特徴の一つです。
ただ写真を撮るのではなく、その日1日を思いきり楽しんでもらうことを重視しています。撮影の時間そのものが思い出になり、後から見返したときに、その空気や感情まで思い出せるような写真を届けたいと考えています。
――写真の提供方法やプラン設計にはどのような工夫がありますか?
分かりやすさを大切にしており、ホームページを見れば内容が一目で理解できるようにしています。海外の方からの依頼もあるため、誰が見ても迷わない設計にしているのが特徴です。
撮影した写真は基本的にすべてデータでお渡ししており、ファミリーでも200枚以上、ウェディングでは1000枚を超えることもあります。パスワードで何度でもダウンロードできる仕組みにしているため、ご家族全員で共有できます。
当社の強みは、フォトグラファーとしての技術力にあります。同じような構図を何枚も撮るのではなく、似たカットは2〜3枚に抑え、その分さまざまなシーンや表情を残すようにしています。
さらに、20ページの写真集も必ずセットにしており、撮影から45日後にはデータと写真集の両方をお届けできる形です。
夫婦で立ち上げた事業と独自の成長プロセス
――創業のきっかけとこれまでの歩みを教えてください。
もともと夫は18歳からカメラマンとして経験を積んできました。一方で私は、趣味で写真を撮ることはあっても、それを仕事にするつもりはありませんでした。
転機になったのは、趣味でホームページを作ったことです。2人で撮影した写真を掲載していくうちに、そこから依頼が入るようになりました。その流れで夫が独立を決め、「それなら私が会社を立ち上げる」という形でスタートしています。
当初は夫婦2人で日本全国の結婚式場を回り、当日の流れに密着する形で撮影を行っていました。花嫁の支度には私が入り、新郎には夫が付き添うなど、それぞれに寄り添いながら撮影できる距離の近さが強みでした。
事業は5年ほどで軌道に乗り、その後は出産を経ながらも仕事を継続しています。現在は子どもが3人いることもあり、以前のように現場に出続ける形ではなく、体制を広げながら今のスタイルへとつながっています。
――御社ならではの強みはどのような点にありますか?
他社がまだ取り組んでいない段階から、屋外でのロケーション撮影や神社での出張撮影に取り組んできた点です。先に動くことを常に意識しており、後から追いかける形では長く続かないと考えています。
また、従業員を増やさず夫婦2人で意思決定を行う体制にしているため、お客様の要望に対してすぐに対応できる柔軟さも強みです。
最後まで満足してもらい、「楽しかった」で終われる体験を提供したいという思いで運営しています。
「また会いたい」と思われることを軸にした経営
――経営において大切にしている理念や価値観は何ですか?
「また会いたい」と思ってもらえる存在であることを大切にしています。写真を見る前の段階で、「この人にお願いしてよかった」と感じてもらえることが理想です。
良い写真を撮るのはフォトグラファーとして当然のことなので、それ以上に人としての関わり方を重視しています。
実際に、写真を見る前に口コミを書いてくださる方も多く、「楽しかった」「対応が良かった」といったお声をたくさんいただいています。
――お客様対応で特に意識していることを教えてください。
お客様の心の動きを細かく感じ取ることを意識しています。例えば、ご家族の中で誰かが少し困っている様子や、これから笑顔が生まれそうな瞬間を先に読み取ることが重要です。
撮影に参加される全員に目配り・気配りを行いながら、その場の空気をつくっていきます。
また、自然な笑顔を引き出すために、会話や動きの中で撮影することも大切にし、一組ごとに手書きの手紙を添えるなど、お客様とのコミュニケーションを常に意識しています。
柔軟な組織と信頼関係で支える現場運営
――外部スタッフとの関わり方やコミュニケーションの工夫はありますか?
カメラマンは関西圏のメンバーを中心にしており、研修を行ったり、一緒に食事をしたりしながら関係を築いています。みんな近いエリアにいるため、顔を合わせながらコミュニケーションを取りやすい体制です。
夫とフォトグラファーの関係は、どちらかというと先生と生徒に近いものがあります。一方で私は、年齢も近いことから、友達のような感覚で何でも話せる関係を大切にしています。
写真を通じて文化と価値を伝える今後の挑戦
――今後、新たに力を入れていきたい取り組みを教えてください。
神社や寺院に関する文化やマナーを伝えていく活動に力を入れています。参拝の意味や作法を知らないまま撮影に来る方も多いため、撮影の中で自然に伝えています。
また、フォトグラファー向けのセミナーも行っており、ルールを知らないことで起きるトラブルを減らしたいと考えています。神社との関係性を守りながら、文化としての価値も広げていきたいです。
企業向けには、写真の撮り方や活用方法の指導も行っています。自社で発信できる力を身につけることで、より良い情報発信につながると考えています。
――今後の事業の中で、特に重視していきたい分野は何ですか?
子どもの撮影には特に力を入れていきたいと考えています。七五三やお宮参りは非常に専門性が高く、対応できる人が限られる分野です。
現在は秋に依頼が集中しているため、時期の分散も課題です。神社の考え方も含めて、正しい情報を伝えながら、より柔軟な利用ができるようにしていきたいと考えています。
また、ウェディングでは家族参加型の撮影にも力を入れています。チャペルで入場や指輪交換、ベールアップなどの流れを再現し、ご家族にも参加していただくことで、写真撮影でありながら結婚式のような時間を過ごせるのが特徴です。
ドレスやヘアメイク、ご家族の衣装、200枚以上の写真とフォトブックまで含めたプランを用意しており、結婚式ができなかった方や後から撮影を希望される方、シニア層の利用も増えています。