受け継いだ資産を地域の力へ――LAND INNOVATIONが描く土地活用の未来
株式会社LAND INNOVATION 代表取締役 庄子 信利氏
株式会社LAND INNOVATIONは、先代から受け継いだ土地を活用し、不動産経営を軸に事業を展開する企業です。賃貸物件の運営に加え、太陽光発電や障がい者グループホームなど、地域のニーズに応じた取り組みも進めています。本記事では、代表の庄子氏に、事業の成り立ちや土地活用への考え方、組織運営、今後の展望について伺いました。
受け継いだ土地を活かした地域密着型の事業展開
――事業を立ち上げた経緯を教えてください。
当社は2015年6月に設立しました。ただ、もともとのルーツは昭和27年頃から続く実家の材木業にあります。会社名や業態を変えながら続いてきた歴史があり、現在の事業につながっています。
私は以前、大手電機企業に勤めていましたが、2015年に両親が亡くなったことをきっかけに、父が残した土地をどのように活用するかを考え、各地に残された土地を開発し、地域に役立つ形で事業化していくことが、自分の役割と認識し取組んできたのが、私の事業の経緯です。
――事業の特徴や、他社にはない強みはどんなところでしょうか?
一番の強みは、やはり土地を所有していることだと思います。事業を始める際に新たに土地を購入する必要がなく、立地を活かしニーズに応えた事業展開に取組む事ができます。
私が所有している土地は、仙台市内中心部から車で30分圏内にある場所が多く、近いところでは10〜15分ほどで行ける距離です。住宅地や林地、雑種地などさまざまですが、ロケーションとしては非常に恵まれていると感じています。
また、土地があるエリアは現在も開発が進んでおり、人口増加が見込まれている地域です。そうした場所で、地域のニーズに応える事業を持続し、開発していきたいと思っています。
これまでの、約11年取り組む中で、活用できる土地については、ほぼ事業化を進めてこられたと思っていますが、他の土地も活用可能性を探っていきたいと思っています。
――御社の企業理念にはどのような想いが込められていますか?
父は、材木業が厳しくなっていく時代の中で、会社を何とか維持しようと土地を増やしていった人でした。
一度は金融機関に勤めましたが、祖父の病気をきっかけに家業へ戻り、大変な状況の中でも「自分で立て直さなければいけない」という強い気持ちで事業を続けてきたんです。
そうした父の姿勢が、今の私の考え方の土台になっています。親が築いてきた財産をしっかり引き継ぎ、次につないでいきたいという想いが、事業の根底にあります。
“地域に喜ばれる”を軸にした不動産経営
――経営判断の軸になっている価値観は何でしょうか?
土地を活用する上で常に考えているのは、「地域に喜ばれるものを作る」ということです。
例えば賃貸マンションやアパートであれば、「ここにこういう建物ができてよかった」と思っていただけることが大切だと考えています。
建物を作った後も、単に管理会社へ任せきりにするのではなく、自分自身もお客様と関わり続けたいんです。
もちろん全部を一人でできるわけではないため、管理会社と役割分担しながら、コミュニケーションを取り続けるようにしています。
――物件やお客様と向き合う上で、大切にしていることは何ですか?
私は、お客様とも物件とも長く付き合っていきたいと思っています。建物も、できるだけ長く維持できるものを作りたいんです。
不動産業界では、ある程度保有したら売却し、次の投資へ回すスタイルもあります。ただ、私はそうではなく、長く持ち続けながら地域に必要とされる形で維持していきたいと考えています。
事業自体は広げていきたい気持ちはありますが、無理に土地開発を進めようという考えはありません。地域やお客様に必要とされるものを、丁寧に作っていきたいですね。
家族経営だからこその難しさと向き合う組織運営
――現在の組織体制について教えてください。
当社は、先代から受け継いだ土地をベースに事業を行っているため、基本的には家族経営です。
妻や子ども、そして一名のスタッフを含め、私を入れて5人で運営しています。株式会社ではありますが、感覚としては個人事業に近い部分もありますね。
――社内コミュニケーションで意識していることは何ですか?
正直に言うと、家族で仕事をするのは難しい部分もあります。どうしても配慮が欠けたり、仕事の中に私情が入り込むこともあります。
最終的には自分が代表であり責任者なので、そこをマネジメントしていかなければいけません。みんながそれぞれ立場を理解しながら協力して働けるように、日々向き合って取組んでいきたいと思います。
――採用や、外部との関わりについてどのように考えていますか?
今の人数で十分回っているので、積極的な採用はあまり考えていません。もし誰かが抜けたり、新たに人手が必要になった時には検討すると思います。家族経営ということもあり、会社の内情を外部へ広く見せたいという感覚はあまりないんです。
ただ、経営者同士の交流は大切にしています。経営の話題について意見交換をしたり、「こういう考え方もあるよね」と話したりする時間は、自分にとっても大きな刺激になっています。
蓄電事業と福祉分野への挑戦
――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。
現在、野立て太陽光発電所を運営していますが、太陽光発電は天候によって発電量が左右されるため、今後は「蓄電」が非常に重要になると思っています。
私は電気関係の仕事をしていた経験もありますので、太陽光と蓄電を組み合わせた新しい取り組みにも関わっていきたいですね。
また、最近は障がい者グループホームにも取り組み始めました。今後は、障がいのある方も地域の中で一緒に暮らしていく流れがさらに進んでいくと思っています。
――それに取り組む上での課題や向き合い方を教えてください。
蓄電事業はまだ新しい分野なので、リスクマネジメントが非常に重要です。情報収集をしながら、先行事例を学び、多くの人と話しながら慎重に進めています。金融機関とも相談しつつ、リスクを抑えながら取り組んでいるところです。
障がい者グループホームについても、これまで日本では住まいが健常者と分離されていたものを、地域の中で共生していく流れへ変えていく動きがありますので、所有する土地がその流れに貢献出来たら良いなと思っています。
自分の事業を通じて、地域や社会に少しでも役立てるのであれば、それは大きな意味があることだと思っています。
人との出会いを力に変えながら歩み続ける
――これまでに影響を受けた人や出来事はありますか?
これまでの人生を振り返ると、「この人と出会わなかったら今の自分はなかった」と思う方が何人もいます。
就職活動の時に出会った大学の先輩や先生、そして会社員時代に将来について悩んでいた時に助言をくれた方々ですね。家業を継ぐべきか悩んでいた時も、そうした方々の言葉に支えられてきました。
人生は、人との出会いによって本当に変わるものだと感じています。