毎日の笑顔を支える、手作りの食事と無駄のない運営

株式会社Kauri Forest 代表取締役 南澤 一右

障害者グループホーム「みんなのおうち」(https://minnano-ouchi.i-e.jp/greetings.html)の運営を手がける同社では、「毎日笑顔のために日々チャレンジする」という理念を掲げ、利用者とその家族が安心して日々を過ごせる環境づくりに取り組んでいます。「なんとかなる」という信条と、無駄を省く経営姿勢を軸に歩みを進める南澤氏に、事業の特徴や経営の道に進んだきっかけ、価値観などについて伺いました。

毎日の楽しみを支える、手作りの食事

——現在取り組まれている事業の特徴や、他社にはない強みを教えてください。

障害者のグループホームを運営しています。特徴は、毎回の食事を手作りにしているところです。一般的には、湯煎するだけのものや宅配のお弁当、冷凍食品など、すでに調理が終わっていて温めるだけ、提供するだけという形も多いと思います。

私自身も、グループホームを始める前にいろいろな食事を試食しました。ただ、やはり利用者にとって食事は毎日の楽しみのひとつです。食事がおいしくないと、日々の生活の楽しみが半減してしまうと感じました。

そのため、みんなのおうちでは材料を準備し、キッチンで調理して提供する形を取っています。実際に、他のグループホームの食事が合わなかったことを理由に、みんなのおうちへ移ってきた利用者さんもいます。手作りの食事は、当施設ならではの強みのひとつだと思っています。

——経営理念には、どのような想いが込められているのでしょうか。

福祉介護の仕事ですので、利用者さん、そして利用者さんのご家族、みんなが笑顔にならないと、この事業は続かないと思っています。ホームページに掲げている「毎日笑顔のために日々チャレンジする」という理念も、そうした想いから作成したものです。

グループホームは、ただ住まいを提供するだけではなく、日々の生活そのものに関わる仕事です。毎日の中で安心できること、楽しみがあること、家族にも安心してもらえることが大切だと考えています。

コロナ禍で変わった事業の道筋

——経営の道に進まれたきっかけや、会社の立ち上げに至った経緯を教えてください。

もともとは、今とは別の事業を始める予定でした。エステサロンのフランチャイズのような形で、東京で店舗をオープンする計画を進めていたのですが、直前にコロナ禍になり、予定していた事業が難しくなってしまいました。

その加盟先の本部が、障害者グループホームも運営していました。エステサロンの事業ができなくなったことで、加盟金などの初期費用を障害者グループホームの事業に流用する形で始めてみませんか、という話になりました。それが、この事業を始めるきっかけです。

もともと障害者グループホームをやろうと考えていたわけではありませんでしたが、結果的にこの事業に携わることになりました。

——経営判断の軸になっている価値観はありますか。

座右の銘は「なんとかなる」です。仕事は、トラブルを解決することだと思っています。順調に一度も問題なく進むということはほとんどありませんが、それが当たり前だと考えています。トラブルが起きても、一生懸命に解決しようとすれば、やはりなんとかなるものです。

障害者グループホームを始めてからは、毎日のように新しいことがあります。もちろん良いことばかりではなく、利用者同士のトラブルなどもあります。スタッフが「どうしよう」となることもありますが、私は「なんとかなる」と考えながら向き合っています。

もともとは研究開発の仕事をしていたので、根拠があるものを大事にする考え方でした。ただ、経営を始めてからは、無駄なことはなく、努力して困難を乗り越えようとしたときに、偶然のようなものが重なることもあると感じるようになりました。それは単なる偶然ではなく、頑張った結果として起きているものなのではないかと思っています。

顔を合わせて話すこと、話しやすさを大切にする組織づくり

——社内のコミュニケーションで大事にしていることはありますか。

できるだけ会って話をするようにしています。お茶を飲みながら、ランチをしながら話すこともあります。今はリモートも発達していますので、リモートで話すこともありますが、相談内容によっては、できるだけ直接会って、顔と顔を合わせて話すことを心がけています。

仕事の中では、内容だけを伝えればよい場面もありますが、実際には相手の表情や雰囲気を見ながら話すことで分かることもあります。そうした意味でも、直接話す機会は大切にしています。

大きくするだけではなく、安定して続けるために

——今後取り組んでいきたい新しい挑戦や展開はありますか。

事業を大きくすれば、うまくいけば収入面は上がるかもしれません。ただ、その分、時間は確実に減っていきます。私はゴルフが好きですし、将来的にはニュージーランドで過ごしたいという想いもあります。そのため、ただ事業を大きくすることだけを考えているわけではありません。

現在は、当初の予定よりも施設数が増えています。障害者グループホームは、普通の事業とは少し違い、人の命を預かる仕事です。

安定していなければ、利用者さんを路頭に迷わせてしまうことにもなりかねません。そのため、ある程度の規模や安定性は必要だと考え、時間を削りながら増やしてきた面もあります。

一方で、現在は日中支援型の障害者グループホーム、施設についても計画しています。準備中、企画中という段階ではありますが、今後の展開として考えている取り組みのひとつです。

——経営の中で、これだけは譲れないという想いはありますか。

仕事では、無駄なことをしないということです。プライベートでは、のんびり過ごしたり、無駄に時間を使ったりすることも好きですが、仕事では無駄を省くことを大切にしています。

グループホームの運営でも、効率を考えるようにしています。スタッフにも、効率や費用対効果を考えてもらうように伝えています。何かを導入する場合でも、それによって何時間を節約できるのか、他のことに時間を使えるようになるのかを考えます。時間もお金ですので、その点は徹底したいと思っています。

特に、福祉(障害者グループホーム)の仕事は、スタッフへの負担が大きく、効率を考えることで、スタッフの負担を少しでも軽減したいと考えています。

また、フレックス制も効率化の一環として導入しています。

ゴルフと映画、そしてニュージーランドへの想い

——お休みの日のリフレッシュ方法を教えてください。

休みの日は、のんびりするか、ゴルフをすることが多いです。ゴルフをしない日は、家族と出かけて映画を見に行き、食事をして帰ってくることもあります。映画を見ることは好きですね。

また、ニュージーランドには以前から縁があります。ニュージーランドの永住権を持っており、年金の積み立てや株、定期預金なども行ってきました。

親の介護や東日本大震災、リーマンショックなどもあり、なかなか行けないまま現在に至っていますが、将来的にはニュージーランドでのんびり過ごしたいという想いがあります。

仕事では無駄を省き、効率を考えながら、利用者さんが安心して暮らせるグループホームを運営していく。そして、今後計画している日中支援型のグループホームにも取り組んでいく。日々の現場に向き合いながら、これからも安定した運営に挑戦していきたいと考えています。

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