歯科業界のアナログを変え、現場に輝きを届ける

株式会社Denshine 代表取締役   綛野 勇輝氏

株式会社Denshineは、歯科医院向けの予約管理システムを開発・提供し、DXによる業務改善や売上向上を支援する会社です。患者が来院するまでの流れから、治療後の継続的なフォローまでを自動化し、歯科医院と患者との関係づくりを支えています。本記事では、代表の綛野勇輝氏に、事業に込めた思いや会社設立の経緯、組織づくり、今後の展望について伺いました。

歯科医療を支えるDXの力

――現在の事業内容や特徴、他社には無い強みについて教えてください。

歯科医院向けの予約管理システムを開発・提供し、その後のDX化、つまり業務改善、売上向上まで支援しています。

経営方針として掲げているのは、日本一の予約管理システムをつくることです。実際に歯科医院の現場を見て、まだアナログな業務が多い業界だと感じました。予約管理システムも、全国で導入されている割合は35%ほどです。歯科業界に特化したシステム会社も決して多くないため、全国で最も知られるサービスをつくりたいと考えています。

他社のシステムは、患者さんが歯科医院へ来院してからの業務に強いものが多い印象ですが、弊社では来院前から治療後までの流れを支援できます。特に、新規患者の獲得だけを目的とするのではなく、既存の患者さんとの関係を重視しています。治療後も定期的にコミュニケーションを取り、定期検診を促すことで、患者さんの歯の健康を支える仕組みです。こうした来院前後のフォローを自動化できることが、当社の強みだと考えています。

――事業に掲げる理念には、どのような思いが込められていますか。

私は営業の仕事を約10年間経験し、そのうち5年ほどはWebや集客、マーケティングにも携わってきました。仕事の中でシステムを活用することで、自分の時間が大きく削減され、さまざまなアイデアを得られるようになった経験があります。

一方、歯科医院の現場を見ると、一人で悩みながら仕事をしている方が多くいました。歯科医療について学んできた方に、突然システムの運用や患者さんへのフォローを求めても、本来の専門とは異なるため簡単ではありません。だからこそ、私たちがその部分を支えたいと考えました。予約管理システムは、歯科医院と患者さんとの接点をつくるものです。そこを起点として現場に入り、働く方々の負担を減らし、より便利な環境をつくることが私たちの役目だと思っています。

人を大切にする経営の原点

――経営の道に進まれたきっかけ、貴社の立ち上げの背景について教えてください

これまでを振り返ると、班長や学級委員長、キャプテン、責任者など、常に先頭に立つ役割を担ってきました。もともと、人についていくよりも、自分が周囲を引っ張っていく方が合っていたのだと思います。

社会に出てからは、自分が大切にする理念と、所属する組織の理念が合わないと感じることもありました。私自身、人を大切にすることを軸に生きています。それならば、自分の理念を持って事業を展開し、代表として社会に貢献したいと考えるようになりました。

会社設立の直接的なきっかけは、現在のエンジニアとの出会いです。当初は、サロンや美容室向けの予約管理システムを考えていました。その後、歯科医院の現場を見る機会があり、美容業界以上にアナログとのギャップが大きいと感じました。自分たちが最も力になれる業界を考えた結果、歯科医院に大きな課題があると分かり、歯科医院に特化した予約管理システムの会社を立ち上げました。

――経営における判断では、何を大切にしていますか。

割と直感を大切にしています。ただ、最終的な判断の軸にあるのは、「相手のために何ができるか」です。たとえ費用がかかったとしても、相手のためになり、将来的にお互いが良くなる取り組みであれば、進めるべきだと考えています。経営者になり、これまで積み重ねてきた実績や信頼があれば、実現のための資金を集める方法もあると感じるようになりました。そのため、費用だけを理由に挑戦をやめることはありません。相手にとって良い変化を生み出せるのであれば、一歩を踏み出すことを大切にしています。

立場を越えて思いを交わす

――組織のコミュニケーションで意識していることを教えてください。

硬くならないことです。コミュニケーションは、一方的に言葉を伝えるだけでは成立しません。世の中、役職によって上下関係をつくりたがりますが、一人の人間として相手を見ることを大切にしています。社員や取引先の方が、どのような経験をし、どのような思いで自分のために時間を使ってくれているのかを考えます。私が社長になったからといって、偉くなったわけではありません。社員が相談しやすい環境をつくり、意見を受けたときには、一度自分の中で受け止めるようにしています。そのうえで、「自分はこう思うけれど、あなたはどう思いますか」と話し合います。お互いの考えを伝え合える関係を築くことを意識しています。

――今後、もし採用する上で、「この人と一緒に働きたい」と感じるポイントについて教えてください。

苦しい状況から逃げず、何かを成し遂げようとする人です。私は「下剋上人間」で、最初の1年間は全く仕事を取れないという時期も過ごしました。同じように、底辺を見て、負けず嫌いに、何かを成し遂げようとする人が、私は好きなんです。つらい経験を周囲の支えによって乗り越えた人は、周りへの感謝を持てると思います。仕事も環境も当たり前ではありません。今後、右腕となってくれる人も、周りには感謝の気持ちを持ち、苦難を共にし困難を一緒に乗り越えられる方と働きたいです。

歯科業界に輝きをもたらす

――今後の展望や挑戦したいことを教えてください。

現在は1期目ですので、まずは今の事業を成立させることが目標です。日本一の予約管理システムをつくり、歯科医院の方々に喜んでいただくことを目指し、5年目までの計画を立てて進めています。直近では、1期目で60医院への導入を目標としています。今、業界で勢いのある会社が1期目に導入した件数が53医院だったため、その数字を超えたいと考えています。実績をつくり、利用した歯科医院からの口コミにつなげていくことが狙いです。

また、私自身も会社を知っていただくための広告塔になる必要があります。歯の柄が入ったネクタイを身につけ、「歯のネクタイといえばDenshine」「歯のネクタイといえば綛野」と思い出していただける存在を目指しています。

Denshineという社名は、「デンタル」と、私の名前にある「輝」の意味を組み合わせたものです。歯科業界に少しでも輝きをもたらしたいという思いを込めています。

――仕事以外でのリフレッシュ方法を教えてください。

体を動かすことが好きで、定期的にジムへ通っています。
以前は旅行会社で働いていたため、全国各地を訪れたり、海外へ行ったりと、20代のうちにさまざまな経験をしてきました。そのため、旅行やカフェ、サウナといった一般的な過ごし方だけでは、以前ほど刺激を感じなくなっています。今は、行ったことのない場所へ行ったり、一人の時間に未経験のことへ挑戦したりしたいと考えています。

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