映像の先にある“ブランド価値”を創る――Loooxが目指す伴走型ブランディング支援
株式会社Looox 代表取締役 岩脇 幸平氏
2024年9月に創業した株式会社Loooxは、広告映像制作を中心に、企業のブランディング支援を行うクリエイティブカンパニーです。SNS広告向けの映像制作を主軸としながら、単なる制作会社にとどまらず、企業のブランドイメージ向上や市場でのポジショニングづくりに伴走する存在を目指しています。本記事では、代表取締役の岩脇幸平氏に、事業の特徴や起業の背景、今後の展望について伺いました。
目次
映像制作を起点に、企業のブランディングを支援
――現在の事業内容について教えてください。
当社は映像制作事業を中心に展開しています。主な領域は広告映像制作ですが、それだけではなく、バナーなどの静止画制作やWebサイト制作、各種SNSコンテンツ制作など、クリエイティブに関連する幅広い業務に対応しています。
現在はWeb広告向けの映像案件が大半を占めており、InstagramやFacebook、YouTubeなどのSNS広告に関する制作依頼が多い状況です。テレビCMなどの案件は現時点ではほとんどありませんが、企業のプロモーション活動を支える映像制作を中心に事業を展開しています。
――御社ならではの強みを教えてください。
映像制作会社は数多く存在しますが、当社は単に広告成果だけを追求するのではなく、企業のブランドイメージ向上や中長期的なブランディング支援を重視しています。
企業が市場でどのような立ち位置を築いていくのか、どのような印象を顧客に与えていくのかといった視点から企画・制作を行っていることが特徴です。短期的な成果だけでなく、その先にある企業価値の向上まで見据えた提案を行っています。
お客様は業界を問わず幅広いですが、不動産業界やSaaS企業、IT関連企業、金融関連企業など、無形商材を扱う企業との取引が比較的多い傾向があります。そうした企業の多くは、中長期的なブランド価値の向上を重視されており、当社の考え方と親和性が高いと感じています。
起業の原点は、業界構造への課題意識
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
以前はテレビCMの編集スタジオでエディターとして勤務していました。編集業務には携わっていましたが、戦略設計や企画立案といった上流工程に関わる機会は限られていました。そのため、もっと幅広い領域に挑戦したいという思いが次第に強くなっていったんです。
そう考えた時に、自分がやりたいことを実現するためには起業するか転職するかしかないと思いました。結果として、自ら会社を立ち上げる道を選びました。
もう一つの大きな理由が、映像制作業界の構造に対する問題意識です。業界には多重下請け構造が存在し、最終的にクリエイターへ届く報酬が非常に少なくなってしまうケースも少なくありません。その仕組みを少しでも改善したいという思いも、起業の原動力になりました。
「映像制作会社」から「ブランディングカンパニー」へ
――今後の展望についてお聞かせください。
今後は映像制作そのものを目的とするのではなく、企業のブランディング課題全体に伴走できる会社を目指したいと考えています。
企業にはブランドイメージ向上や認知拡大、市場でのポジショニング確立など、さまざまな課題があります。その課題を解決するために映像を活用するのか、あるいは別のクリエイティブ施策を行うのかを含めて提案していきたいと思っています。
お客様から依頼された内容を形にするだけではなく、潜在的な課題を顕在化させ、その解決策としてブランディング支援を行う。そうした提案型のパートナーとして価値を提供していきたいですね。
将来的には、いわゆる広告代理店というよりも、ブランディングに特化した会社として認知される存在になりたいと考えています。
――目標としている会社の姿はありますか。
三年後には現在の三倍程度の事業規模を目指しています。また、さらに長い目線では二十名程度の組織規模で運営していきたいと考えています。
大きく拡大することだけが目的ではなく、経営者として一人ひとりに目が届く規模感を維持しながら、質の高いサービスを提供できる組織をつくりたいと思っています。
クリエイティブの質と向き合い続ける
――現在向き合っている課題は何でしょうか。
一つは、クリエイティブにおける「質」と「量」のバランスです。
制作数を増やせば効率は上がりますが、一つひとつの品質を維持することは難しくなります。一方で、品質にこだわればこだわるほど制作できる本数は減っていきます。このバランスをどう取るのかは、常に向き合っているテーマです。
また採用面にも課題があります。映像業界は比較的独立しやすい業界でもあるため、人材を育成しても将来的に独立していく可能性があります。そのため、採用や組織づくりについては慎重に考えています。
営業面では競合の多さも課題です。映像制作会社は数多く存在するため、どのように差別化し、自社らしい価値を打ち出していくかを常に模索しています。
丁寧なコミュニケーションが生まれる社会を目指して
――事業を通じて実現したい社会について教えてください。
私は映像やクリエイティブを、企業と顧客をつなぐコミュニケーションの手段だと考えています。
近年はAIの発展もあり、コンテンツ制作の効率化が進んでいます。その一方で、企業と顧客とのコミュニケーションが雑になってしまうケースも増えているのではないかと感じています。
だからこそ、企業と顧客、ブランドと生活者の間にあるコミュニケーションを、今よりもっと丁寧なものにしていきたい。その実現にクリエイティブの力で貢献していきたいと考えています。
AIそのものには大きな可能性を感じていますし、当社でも企画や競合調査など制作前の工程で積極的に活用しています。ただし重要なのは使い方です。便利なツールだからこそ、人が責任を持って活用し、より良いコミュニケーションを生み出すために使うべきだと思っています。
ドライブで得る新たな発想
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
休日はドライブを楽しむことが多いですね。観光地というよりは、少し田舎の地域へ足を運ぶのが好きです。愛知県内だけでなく、三重県や静岡県、福井県などへ出かけることもあります。
車を運転している時間は、クリエイティブなアイデアが浮かびやすい時間でもあります。道路沿いの看板広告や街中のサイネージ、電車内広告なども日頃から意識して見ています。
企業と顧客のより良いコミュニケーションを生み出すために、日常のあらゆる場面からヒントを探し続ける。その姿勢が、現在の仕事にもつながっているのかもしれません。