頑張る人が進む未来は必ず明るい――飲食業界の伴走者として歩むミチノベースの挑戦

ミチノベース 代表取締役 小野塚 弘幸氏

人手不足や原価高騰、求人難など、多くの課題を抱える飲食業界。店舗運営に追われるなかで、本来取り組むべき人材育成や組織づくりまで手が回らない企業も少なくありません。そんな飲食店の課題解決を支援するために立ち上げられたのがミチノベースです。

飲食業界で25年以上の経験を積み、長年にわたり組織づくりや人材育成に携わってきた小野塚弘幸氏。現在は飲食店のマネジメント機能を外部から支援する独自のサービスを展開しています。今回は事業への想いや経営哲学、今後の展望について伺いました。

飲食店のマネジメントを外部から支援する新しい選択肢

――現在の事業内容について教えてください。

ミチノベースでは、飲食店におけるマネージャーやスーパーバイザー といった管理機能を外部から提供するサービスを行っています。

現在の飲食業界は、人手不足や人件費の高騰、原価や光熱費の上昇など厳しい状況が続いています。現場は日々の営業に追われ、改善しなければならない課題に着手できていない店舗も少なくありません。

私たちはそうした店舗に入り込み、課題の整理から改善の実行まで伴走します。単なる助言ではなく、現場で一緒に動きながら成果につなげることを大切にしています。

管理職を自社で育成するには時間もコストもかかります。しかし会社を成長させるためにはマネジメント機能が欠かせません。その役割を外部の専門家として担うことで、店舗の成長を支援しています

また、私たちのサービスは一般的なコンサルティングとも異なります。会議の設計やKPI設定、教育制度や評価制度の構築まで行い、店舗にとってのマネージャーや部長のような役割を担います。まさに飲食店の内部に入り込む伴走型の支援です。

「頑張る人が進む未来は必ず明るい」に込めた想い

――理念に込めた想いを教えてください。

私が飲食業界に入った頃は、長時間労働やサービス残業が当たり前でした。飲食が好きだからこそ頑張る人が多く、その犠牲の上で成り立っている部分もあったと思います。

実際、過去には「こんな業界ならなくなってしまえばいい」と感じたこともありました。しかし一方で、飲食が好きで一生懸命働いている仲間たちをたくさん見てきました。

だからこそ、そうした頑張る人たちの未来を明るくしたい。その想いを込めたのが「頑張る人が進む未来は必ず明るい」という理念です。

私自身、長年飲食業界に携わるなかで、キャリアの選択肢が限られてしまう現実も見てきました。店長やマネージャーになった先の未来が見えず、不安を抱えながら働いている人も少なくありません。

だからこそ、飲食業界で培った経験やスキルが他業界でも通用するような人材を育てたいと考えています。人間力やマネジメント力を身につけることで、働く人たちの可能性を広げていきたいですね。

愛を軸にしたマネジメントと文化づくり

――マネジメントで大切にしていることは何でしょうか。

私はマネジメントの本質は「愛」だと思っています。

仲間にどれだけ愛情を持てるか。提供する料理にどれだけ愛情を持てるか。お客様やお店にどれだけ愛情を持てるか。その想いによってお店は大きく変わります。

これまで営業成績が優秀な人や事務能力の高い人など、さまざまなタイプの管理職を見てきました。しかし本当に組織を良くしていく人は、人やお店に愛情を持てる人でした。

一方で、お金やオペレーションの管理は仕組み化しやすい時代になっています。だからこそ管理職には数字だけではなく、文化づくりやお店づくりに力を注いでほしいと思っています。

――採用で重視しているポイントを教えてください。

採用で見ているのは経験やスキルではありません。

「この人と一緒に働きたいと思えるか」。

その一点です。

なぜ飲食が好きなのか。なぜ接客が好きなのか。その背景にある想いや価値観を重視しています。同じ方向を向いて進める人であれば、経験は後からでも身につけられると考えています。

現在関わっている組織には約150名の従業員がいますが、教育マニュアルはありません。お客様のために何ができるのかをそれぞれが考え、意見を出し合いながら成長しています。その文化こそが飲食の面白さだと思っています。

経営者と現場をつなぐ架け橋として

――支援する際に意識していることはありますか。

最も大切にしているのは「話しやすさ」です。

外部の人間が現場に入ると、従業員は「社長にすべて伝わってしまうのではないか」と警戒されることがあります。そのため、まずは経営者の想いを現場に伝えたうえで、現場の声にも丁寧に耳を傾けています。

私はどちらかというと経営者側よりも現場側に立ちながらマネジメントを行います。現場が何を課題と感じているのかを把握し、それを経営者に伝えながら双方の認識をすり合わせていきます。

経営者が感じている課題と現場が感じている課題は一致しないことも少なくありません。そのズレを埋め、みんなで同じ方向を向いて進める環境をつくることが私の役割です。

そのため、自分の都合の良い組織づくりだけを求める経営者との仕事はお断りしています。利益だけを追求するのではなく、お客様や現場と真剣に向き合う経営者と一緒に取り組みたいと考えています。

飲食業界をもう一度憧れの仕事に

――今後の展望について教えてください。

コロナ禍以降、飲食業界は人材確保が難しくなり、以前ほど人気のある業界ではなくなってしまいました。

しかし本来、飲食は非常に魅力的な仕事です。お客様の期待に応え続ける難しさはありますが、その分、人に喜びや感動を届けられる仕事でもあります。

私はもともと独立志向がありましたが、今の時代だからこそ苦しんでいる飲食店を支えることに価値があると考えています。

素敵な人が働いているお店や、美味しい料理を提供しているお店が、何もできないままなくなってしまうのは本当にもったいないことです。

だからこそ、一店舗でも多くの飲食店を支え、頑張る人たちが希望を持って働ける環境を増やしていきたい。そして飲食業界をもう一度、多くの人が憧れる業界へと変えていきたいと思っています。

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