AI時代を支える技術者を育てる――ミラクルソリューションが描く、技術と人が成長する未来
株式会社ミラクルソリューション 代表取締役 長岡 路恵氏
サーバー・クラウド・AI・教育を強みとし、高い技術力と人材育成を軸に事業を展開する株式会社ミラクルソリューション。エンジニア教育に力を注ぎ、人材不足という社会課題の解決にも取り組んでいます。本記事では、代表の長岡路恵氏に、事業への想いや組織づくり、今後の展望について伺いました。
目次
世界最高の技術集団を目指して――技術力と人材育成が支える事業基盤
――現在取り組まれている事業の特徴について教えてください。
サーバー・クラウド・AI・教育を強みとする「クラウドインテグレーター」として、お客様のIT環境を支えています。
私自身、サーバーエンジニアとして、サーバーのインストラクターや技術サポート、SI業務やシステム構築の上流工程に携わってきました。そのため、会社を立ち上げた当初から、人材育成には特に力を注いできました。若手社員がサーバーやクラウドの基礎を身につけ、高い技術力を備えたエンジニアへ成長できる環境づくりを大切にしています。
長年にわたり、「SCSK」「NEC」「富士ソフト」「コムチュア」などの大手SI企業との取引を継続してきました。高い技術力とエンジニア教育、そして長年培ってきた信頼と実績が私たちの強みです。
――会社の理念やビジョンについて教えてください。
エンジニア出身の経営者として、「エンジニアの、エンジニアによる、エンジニアのための会社をつくりたい」という想いから起業しました。そして、その考えを形にしたのが、「世界最高の技術集団」という企業理念です。
IT技術を通じて社会に貢献することはもちろん、エンジニア不足という社会課題の解決にも力を尽くしたい。その一環として、教育コンテンツ「1カ月でエンジニアになる本」シリーズを制作し、これまで社内外で多くのエンジニアを育成してきました。技術を伝え、人を育てることも、私たちの大切な役割です。
挫折を糧に歩んだキャリア――エンジニアから経営者への道
――経営者になられたきっかけを教えてください。
もともとはソフトバンクで長く働き、会社に貢献したいという想いを持っていました。ただ、当時はサーバーインフラに特化したキャリアを築ける環境が限られていたことに加え、異動の辞令も重なり、このまま働き続けることは難しいのではないかと感じるようになりました。
転職も考えましたが、思うようには進まず、20代半ばで個人事業主として独立しました。その後、「Microsoft」のプレミアサポートや「IBM」の案件に携わる機会に恵まれ、インフラエンジニアとして着実に経験を積むことができました。仕事の依頼が増え、一人で対応するより会社という形で事業を進めたほうがよいと考え、2002年に会社を設立しました。
決して順風満帆ではありませんでしたが、さまざまな挫折を経験しながら一歩ずつ歩んできたことが今につながっています。
――経営をする上で大切にしている考え方はありますか。
もちろん技術は重要ですが、それ以上に成長し続ける姿勢を何よりも重視しています。私自身、文系出身で、パソコンも持っていない状態からエンジニアとしての勉強を始めました。だからこそ、最初から完成された人はいないと思っています。
時代とともに技術は進化し続けます。だからこそ、挑戦する気持ちや学び続ける姿勢を忘れないでほしいですね。そうした意欲を持つ人材を育てていくことも、経営者として欠かせない役割です。
強い組織は人がつくる――対話を重ね、次世代を担う管理職を育てる
――社員とのコミュニケーションで大切にしていることを教えてください。
社員と接するうえで大切にしてきたのは、お互いが理解し合えるまでしっかり話し合うことです。ただ、その考えを相手にきちんと伝えることの難しさも、これまで何度も実感してきました。
以前、業務の意図を理解してもらいたいという思いから、40分ほどかけて説明したことがありました。しかし、相手には「1時間説教された」と受け取られてしまったんです。良かれと思って伝えたことでも、相手によって受け止め方は違います。コミュニケーションに正解はないと感じています。
だからこそ、一人ひとりを理解しようとする姿勢を忘れず、私自身もコミュニケーションについて学び続けていきたいと思っています。
――組織運営において今後の課題は何でしょうか。
現在は社員数が100名ほどとなり、以前のように全員と密に関わることは難しくなってきました。これからは中間管理職の存在が重要になります。一人で目を配れる範囲には限界があるため、現場を任せられる人材を育て、会社全体が成長できる体制を築いていきたいです。
AI時代だからこそ問われる技術者の価値――人とAIが共に活躍する未来へ
――AI時代に向けて、どのような人材を育てていきたいと考えていますか。
AIが発達しても、エンジニアの役割がなくなるとは思っていません。ただ、AIを使いこなせないエンジニアにとっては、大きな脅威になり得ます。
だからこそ、AIを活用し、マネジメントできるエンジニアを育てたいです。AIは便利な一方で、誤った情報や不十分な設計のままシステムが作られる可能性もあります。だからこそ、要件定義や設計思想を理解し、セキュリティやガバナンスまで見据えられる技術者が、これからますます重要になってくると思います。
当社は「Microsoft」のガバナンス・セキュリティ技術にも強みがあります。今後も、その強みを生かしたサービスを提供していきます。
――今後の展望について教えてください。
現在の売上は約6億円ですが、将来的には10億円、さらに100億円規模を目指しています。私が退任した後も、この会社が長く続いていく組織であってほしいからです。IPOを目指し、優秀な人材を採用・育成し、次の世代へ会社を引き継いでいける体制を築いていきたいです。
また、「Miracle Learn」というeラーニングプラットフォームの展開も進めています。今後は自社の書籍コンテンツを順次追加するとともに、クラウドやAI、セキュリティ分野など、インフラ・クラウドエンジニアに必要な教育プログラムを充実させていく予定です。将来的にはAIによるコーチング機能の実装も構想しており、より学びやすい環境づくりを進めていきます。
心身を整え、挑戦を続ける――仕事と向き合うためのリフレッシュ習慣
――休日のリフレッシュ方法を教えてください。
休日は、美味しいものを食べたり旅行へ出かけたりして過ごしています。海外では美術館や文化に触れられる国を訪れることもありますが、日本各地の料理も好きです。食べた分はしっかり体を動かそうと、テニススクールにも通っています。
30代で起業したばかりの頃は仕事に打ち込みすぎて心身のバランスを崩しかけた経験もありました。そのため今は、休む時間も大切にしながら、自分自身をマネジメントすることを心掛けています。これからも心身のバランスを保ちながら、仕事に向き合っていきたいです。