広報PRを経営戦略に連動させ、企業の成長基盤をつくる伴走型コンサルティング

emvalues合同会社 代表社員 關 文枝氏

2026年4月に法人を設立し、企業のブランディングと広報PRを支援している關氏。編集者、企業での広報、コンサルティング営業、広報部門の責任者などを経験してきました。現在は、ブランディング、広報PR、マーケティングの3つの視点を組み合わせ、戦略の策定から施策の実行までを支援しています。単なる露出獲得を目的とせず、経営戦略に連動した広報PRを重視する關氏に、事業への考えや独立の経緯、今後の展望を伺いました。

広報PRを事業成長につなげる伴走支援

――現在の事業内容について教えてください。

私は、企業のブランディングと広報PR活動について、戦略の策定から施策の実行まで一貫して支援するPRコンサルティングを行っています。

ブランディング、広報PR、マーケティングという3つの視点から、企業全体の戦略を設計できることが強みです。現在は私1人で事業を運営していますが、それぞれの領域で培ってきた知見を組み合わせながら支援しています。

――施策の実行には、どのように関わっていますか。

すべての業務を代行するのではなく、社内の担当者が施策を実行できるように支援する形が中心です。

例えば、広報経験のない担当者がプレスリリースを作成する場合には、何から始めるべきか、どのような情報を確認するべきかを整理します。作成した文章に対してフィードバックを行い、必要に応じて私が見本となる原稿をつくることもあります。

意見だけを伝えるのではなく、実務にも踏み込みながら、担当者が自ら業務を進められる状態をつくることを大切にしています。

――広報PRをどのような機能として捉えていますか。

私は、広報PRは単にプレスリリースを書いたり、宣伝や広告を行ったりする仕事ではないと考えています。

広報PRの本質は、企業を取り巻くステークホルダーとの双方向のコミュニケーションを設計し、良好な関係性を築くことです。施策や手段の1つではなく事業目標や経営目標と連動し、企業の基盤をつくる経営機能の1つだと捉えています。

露出を増やすという視点だけでは十分ではありません。世の中からどのように見られるか、どのようなメッセージを、どのタイミングとスピードで伝えるかという視点が必要です。

危機管理マニュアルの作成や、社内に専門的な知見が十分に蓄積されていない企業の壁打ち相手を務めることもあります。

編集、広報、営業の経験が現在の強みに

――これまでのキャリアについて教えてください。

私は編集者として働いた後、マーケティングリサーチなどを行う企業で広報を担当しました。同じ企業では、コンサルティング営業も経験しています。

お客様にはマーケティング部門や商品開発部門の担当者が多く、マーケティングを理解していなければ、お客様との業務上の会話が成り立たない環境でした。約15年間在籍するなかで、実務を通して広報とマーケティングの知見を積み上げました。

その後に転職した企業では、再び広報を担当しました。入社から半年ほどで、6人ほどの広報部門を部長として率いることになり、広報とマーケティングを連動させた戦略設計や採用広報にも関わりました。

――独立を決めた経緯を教えてください。

独立したいという考えは以前からありましたが、BtoBとBtoCの両方を経験してからのほうが、支援できる幅を広げられると考えていました。必要な経験を積んだ上で、2026年4月に法人を設立しました。最初からフリーランスとして活動することは、あまり考えていませんでした。

個人事業主としてではなく、法人として活動したほうが、信頼感や自分自身の動きやすさの面で合っていると感じたためです。1人で始める予定だったことから、現在の法人形態を選びました。

露出を目的にせず、経営戦略から考える

――仕事をする上で大切にしていることは何ですか。

私は、露出を増やすことだけを約束して契約することは、ほとんどありません。露出は目的ではなく、あくまでも手段だからです。全体の設計がないまま一時的に露出しても、継続的な成果にはつながりにくいと考えています。短期間で露出が増えたとしても、それが事業の成果につながるとは限りません。

だからこそ、まず企業の基盤を整え、事業戦略に沿って広報PR、ブランディング、マーケティングの戦略を組み立てる必要があります。その過程で露出が必要だと判断した場合に、露出獲得のための施策を設計します。

専門性を磨き、長期的に支援できる事業へ

――今後、力を入れていきたいことを教えてください。

まずは、現在持っている知見と経験をさらに深めたいと考えています。特にブランディングについては、すでに資格を取得していますが、現在は人に講義ができるトレーナー資格の取得を目指しています。

これまでも広報PRの業務を通じて、ブランドを高めるための施策に関わってきました。一方で、自分が体系的な知識をどれだけ身につけられているのかを確認する意味も含め、改めて学び直しています。

――事業の目標について教えてください。

今期の売り上げを1とした場合、3年後には3倍ほどにすることを1つの目安としています。そのためには、長期にわたってお付き合いできるクライアントとのご縁が必要です。現在は知人の企業や紹介などが仕事につながっています。

これからは単発の露出支援ではなく、企業の基盤づくりに継続して関われる案件を増やしていきたいと考えています。

情報から距離を置き、心身を整える時間

――仕事から離れる時間は、どのように過ごしていますか。

独立すると、平日と休日の境目が曖昧になりやすいと感じています。普段は常に多くの情報に触れているため、空いた時間には意識してデジタルデトックスをしています。私は長年、本格的な登山をしてきました。最近は以前ほどハードな登山はしていませんが、トレッキングに出かけたり、サウナに行ったりしています。

また、1日1回は必ず体を動かす時間をつくっています。現在は30分ほどのピラティスに通い、体調を崩さないように管理しています。

専門家との連携で支援の可能性を広げる

――将来的に、事業体をどのような形にしていきたいですか。

私は、大規模なPR支援企業にしたいとは考えていません。一方で、70歳くらいになっても仕事を続けたいという思いがあります。AIをはじめとする新しい技術が広がり、マーケティングの領域も細分化、専門化しています。将来は、自分1人の知見だけでは全体設計が難しくなる場面も出てくると思います。

例えば、広告運用のように私だけでは対応できない専門領域が必要になった際には、同じように1人で事業を運営している専門家とパートナーを組みたいと考えています。

組織を大きくすること自体を目標にするのではなく、必要な知見を持つ人と柔軟に連携することが大切です。これからも専門性を高めながら、企業により良い支援を提供できる体制を整えていきたいです。

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