命を守る医療と夢を育む教育を両立──家族の想いから生まれた挑戦で、新たな価値を届ける
株式会社Euforia 代表取締役 瀬戸川 恵子氏
神奈川県平塚市で動物病院を中心に、ペットホテルやトリミングサービスを展開するとともに、東京都渋谷区でバレエ教室を運営する株式会社Euforia。同社が大切にしているのは、「本当に必要とされる環境をつくりたい」という想いです。地域で高度な獣医療を受けられる体制づくりや、利用者・働く人の双方に寄り添った環境整備を進めながら、家族の夢も一つひとつ形にしてきました。本記事では、事業へのこだわりや会社設立の経緯、今後の展望について瀬戸川恵子氏に伺いました。
目次
命を守るための設備と環境を整え、地域に安心を届ける
――現在の事業内容について教えてください。
現在は、平塚で動物病院を中心に、ペットホテルやトリミング事業を運営し、渋谷ではバレエ教室を展開しています。
動物病院では、一般診療に加え専門的な医療にも力を入れており、今年7月からは心臓外科チームによる手術も始まりました。これまでは湘南地域で心臓の手術を受ける場合、横浜や大学病院へ紹介されることが多く、飼い主様の負担も少なくありませんでした。地域で高度な治療まで受けられる環境を整えたいという想いから、今年7月より心臓外科チームによる手術を開始しました。
設備面にも注力し、手術時の出血を抑え、身体への負担軽減につながる医療機器などを導入しています。まだ導入例の少ない設備も積極的に取り入れ、より安全な医療を提供できる体制を整えています。
また、ペットホテルにはホテル利用の犬たちが散歩代わりに利用できるドッグランを併設しました。診療で来院された際にも利用でき、収益ではなく、動物たちが少しでも安心して過ごせる環境づくりを目的としています。
SNSでは病院の診療内容ではなく、ペットホテルやトリミングの様子を中心に発信しています。スタッフが施設の雰囲気や動物たちの日常を届けることで、安心して利用していただけるきっかけになればと考えています。
家族の夢を形にするため、一つずつ事業を育ててきた
――会社を設立された経緯について教えてください。
株式会社Euforiaとして最初に始めたのは、実はバレエ教室でした。
娘がバレエピアニストとして活動しており、その夫もバレエ講師として独立したことがきっかけです。当初は築地の小さな教室で運営していましたが、受験や転勤などで生徒の入れ替わりが多く、環境面にも課題を感じていました。より長く通える教室をつくるため、2年以上かけて新しい場所を探し続けました。
その後、ご縁があり渋谷の物件を紹介していただきました。当初は価格の高さに驚きましたが、実際に現地へ足を運び、街の雰囲気や立地を何度も確認する中で、「ここなら新しい教室をつくる価値がある」と確信しました。家族とも相談を重ね、最終的に現在の場所でスタートすることを決めました。
一方、動物病院は私にとって以前から実現したかった夢でもありました。息子が獣医師として独立を考えていたことも重なり、「家族の夢と私自身の想いを一緒に形にできる」と考え、動物病院の開設を決意しました。土地探しを進める中で現在の場所と出会い、国道沿いという立地であることも決め手となり、 「ここしかない」と感じて事業をスタートしました。現在は地域に根差した動物病院として、多くの方に安心して利用していただける施設を目指し、一歩ずつ歩みを進めています。
利益だけを追わず、人も動物も支える環境づくりを大切にする
――事業を運営するうえで大切にしていることを教えてください。
私が一番大切にしているのは、常に利用される方の立場で物事を考えることです。自分がお客様だったら何を求めるのか、どんな環境なら安心して利用できるのかを考えながら事業を進めています。
例えば、バレエ教室では保護者の方がゆっくり過ごせるラウンジを設け、コーヒーを飲みながら待てる空間や充電設備も整えました。私自身が親の立場だからこそ、「こういう場所があったら助かる」という視点を形にしています。
動物病院でも、飼い主様だけでなく、そこで働くスタッフが長く安心して働ける環境をつくりたいと考えています。動物医療の現場は責任が重い一方で、決して楽な仕事ではありません。だからこそ、頑張ってくれる獣医師や動物看護師には、それに見合った待遇を用意したいという想いがあります。
また、バレエ教室も利益を最優先にしているわけではありません。講師やピアニストなど芸術に携わる方々が安心して活動できる環境をつくりたいという気持ちが根底にあります。娘が芸術の世界で活動していたこともあり、この業界で働く方々の現状を身近に見てきました。そのため、少しでも支えられる存在でありたいと考えています。
会社として利益を出すことはもちろん大切ですが、それ以上に、人や動物を支えられる環境をつくることが私たちの役割だと思っています。その考えは、これからも変わることはありません。
地域に根差し、安心して頼られる存在を目指して挑戦を続ける
――今後の展望について教えてください。
現在は動物病院を開院したばかりということもあり、まずは地域の皆様に存在を知っていただくことが目標です。特にペットホテルやトリミングをきっかけに施設を利用していただき、「こんな動物病院があったんだ」と知っていただければ、診療にもつながっていくと考えています。
医療面では、心臓外科チームとの連携をさらに深めるとともに、エキゾチックアニマルの診療にも力を入れていきたいですね。犬や猫だけでなく、小動物の診療に対応できる病院はまだ多くありません。実際に需要もあるため、地域の皆様に安心して頼っていただける体制をさらに整えていきたいと思っています。
バレエ教室についても、生徒が安心して学べる環境づくりを続けていきます。講師体制の充実も視野に入れながら、一人ひとりが長く通える教室として成長させていきたいですね。
動物病院とバレエ教室、それぞれの事業を通して、その根底にあるのは「本当に必要とされる環境をつくりたい」という変わらない想いです。これからも地域に根差し、人と動物、そして芸術に携わる人たちを支えながら、安心して頼られる存在を目指して歩み続けていきます。
仕事を支える息抜きの時間を大切にしながら、地域に必要とされる存在を目指す
――仕事以外では、どのようにリフレッシュされていますか。
休日は旅行やガーデニングを楽しんでいます。もともと植物が好きで、現在はバレエ教室や動物病院の植栽も自分でデザインし、時間があると手入れをしています。植物に触れる時間は気持ちを切り替える大切な時間です。
また、映画やバレエ鑑賞も好きで、時間を見つけて劇場へ足を運んでいます。仕事から離れて好きなものに触れることで気持ちをリフレッシュし、新たな気持ちで事業に向き合えるよう心掛けています。
これからは、動物病院とバレエ教室を着実に成長させることに力を注いでいきたいと考えています。利用してくださる方々に安心して選んでいただける環境を整えながら、地域に根差した動物医療と芸術を支える場づくりを続け、人と動物、そして地域に必要とされる存在を目指していきます。