変化への対応力を不動産仲介に活かす、合同会社メドリエスト・山本氏の経営

合同会社メドリエスト 代表 山本 浩司氏

不動産の売買・賃貸仲介を手がける合同会社メドリエスト。医療系物件をはじめ、一棟収益物件、区分マンション、土地、ホテルの売却物件など、幅広い不動産を取り扱っています。展開しているのは、物件管理や買取再販ではなく、仲介手数料を中心とした事業です。化学メーカー、コンビニエンスストア本部、調剤薬局と異なる業界で経験を重ねてきた山本氏に、これまでのキャリアや現在の事業、今後の展望について伺いました。

仲介に徹し、幅広い不動産ニーズに対応する

――現在の事業内容について教えてください。

私は現在、不動産の仲介業を中心に行っています。管理物件を持ったり、物件を買い取って再販したりすることは、現時点では行っていません。あくまで仲介に徹し、手数料収入を中心に事業を運営しています。

取り扱っているのは医療系物件だけではありません。一棟収益物件や区分マンション、土地、ホテルの売却物件なども扱っており、対象を限定せず幅広く対応しています。

――医療系物件を扱っている背景を教えてください。

以前、調剤薬局で店舗開発を担当していたり、コンビニエンスストア本部で働いていたりした経験があり、それが現在の仕事にも役立っています。どちらの仕事でも、立地や人の流れを読むことが重要でした。

調剤薬局の店舗開発では、不動産だけを見ていればよいわけではありません。病院へ営業に行ったり、経営者と話をしたりする必要もありました。そうした経験は、現在の立地選定などに関する提案にも活かせていると思います。

異業種で重ねた経験が、変化に対応する力を培った

――これまで、どのような仕事を経験されてきたのでしょうか。

業種はいろいろ経験してきましたが、私自身は、やってきたことにそれほど大きな違いはないと感じています。化学メーカーでは購買業務からスタートしました。工場やプラントをつくる際には、プラントメーカーや工事業者などと調整しながら、プロジェクトを組み上げるような仕事をしていたのです。

その後、コンビニエンスストア本部では加盟店の経営指導や店舗開発に関わり、調剤薬局でも店舗開発を担当しました。加盟店の経営指導はコンサルティングに近い仕事ですし、店舗開発では現場だけでなく、経営者と話をしながら物事を進めることが必要です。業種は異なっていても、そこで培った経験は現在の仕事にもつながっています。

――長い勤務経験のなかで、特に求められたことは何でしょうか。

私は、何か強いポリシーを決めて仕事をしてきたわけではありません。ただ、環境の変化に対応しなければならない場面は非常に多かったと思います。

調剤薬局では制度改定があり、それまで利益が出ていたところでも、制度が変われば利益が出なくなることがあります。それにあわせて出店戦略も変えなければなりません。コンビニエンスストアも、日々の変化への対応が求められる業界でした。

約40年の勤務経験を振り返ると、比較的、環境の変化に対応することを求められる仕事を多く経験してきたと思います。

――独立を考えたきっかけを教えてください。

60歳の定年が見えてきたことがきっかけです。役職もそろそろ外れる時期になり、給与も相当下がることが想定されていました。

それなら勤務先に残るよりも、まだ力のあるうちに、これまでの経験を活かした仕事をしようと考えたのです。そうして独立し、現在の事業を始めました。

1人で運営するからこそ、形を固定しすぎない

――現在の組織体制について教えてください。

現在は私1人で運営しています。将来的に自社で物件を所有するようになり、賃貸管理やマネジメントの業務が入ってくれば、人手が必要になる可能性はあります。

ただ、その場合もすべてを自社の社員で行うのか、業務提携という形で進めるのかは決めていません。私は、なるべく人を抱えず、それぞれの専門分野を持つ人や企業が機能ごとに分かれながら連携していく形もよいのではないかと考えています。

――これまでの経験から、人や組織についてどのように考えていますか。

勤務時代にはマネージャーも経験しました。そのなかで、人については当たり外れが大きいと感じてきました。手塩にかけて育てた人が辞めてしまうこともあります。

だからこそ、何でも自社のなかだけで完結させるのではなく、それぞれの専門分野で機能を分けて連携する方法もあると思っています。現在は1人で経営しているため、そのときどきの状況にあわせて柔軟に動けることも1つの特徴です。

仲介の先に見据える、不動産所有という選択肢

――今後、どのような事業展開を考えていますか。

まずは、日々の仲介業をきちんと続けていくことです。その上で資金がたまってくれば、自社で投資用不動産などを少しずつ所有していきたいです。不動産を事業として続けていくなら、最終的には所有する方向も必要だと思っています。

一方で、物件を買ってすぐに転売するような単純な買取再販は、これから厳しくなるでしょう。不動産価格が上がりすぎており、転売価格に簡単に利益を上乗せできる状況ではありません。

そのため、優良な不動産をしっかりと所有していくような形を目指す必要があると考えています。

――事業規模を大きくしていきたいという考えはありますか。

私は、事業規模を特別に大きくしたいとは考えていません。何か大きな目標を掲げるというより、まずはビジネスが円滑に回る状態をつくれればよいと思っています。

不動産では人脈も非常に重要です。私自身、交流会には相当参加しています。立ち上げたばかりの段階では、そうした場に行かなければ接点をつくれないことも少なくありません。

仕組みだけではなく、人脈や取引先との関係を積み重ねていくことも必要です。そうした基盤を少しずつつくっていきたいと考えています。

決めすぎず、そのときどきの状況にあわせて動く

――仕事以外の時間は、どのように過ごされていますか。

私は、これといった趣味はあまりありません。ゴルフもやりませんし、決まったルーティンをつくって、そのとおりに過ごすということも特にしていません。

仕事でも、もちろん手順はあります。ただ、「こうでなければいけない」という決め事はあまりつくらないようにしています。決め事をつくりすぎると、それが崩れたときに何もできなくなってしまうからです。

私は、そのときの状況にあわせていくことが一番よいと思っています。

――これまでの働き方にも、その考えは表れていますか。

そう思います。勤務時代から、オフィスにいることを前提とした働き方ではありませんでした。コンビニエンスストア本部でも調剤薬局の店舗開発でも直行直帰が多く、オフィスへ行くのは会議のときくらいだったのです。コンビニエンスストア本部にいた頃には、オフィスに自分の机がなかったこともあります。

今も1人で経営しているからこそ、そのときどきの状況を見ながら動いています。あらかじめ形を固定しすぎず、環境の変化にあわせていく。これから事業の形が変わっていくとしても、その姿勢は大切にしていきたいと考えています。

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