誠実さとスピードを強みに、新たな保証事業へ――LAST SOLUTIONSが描く次の成長

株式会社LAST SOLUTIONS 代表取締役 羽田 圭佑氏

株式会社LAST SOLUTIONSは、補助金を活用した資金調達支援で中小企業の成長を支えてきた会社です。代表の羽田 圭佑氏は、大手損害保険会社でリスク審査の支払実務に携わった経歴を持ちます。いまその知見を土台に、介護施設向けの利用料保証サービス「エル保証」を新たな主軸として育てています。「保証人がいない」を理由に、受け入れたくても入居を断らざるを得ない――介護の現場にあるその構造的な課題に、保険で培った与信・回収の技術で応えようとする挑戦です。本記事では、創業からの歩み、保証事業への想い、そして組織づくりで貫く誠実さについて伺いました。

コンサルティングを軸に築いた事業基盤

――現在の事業内容について教えてください。

現在は、介護施設向けの利用料保証サービス「エル保証」を主軸に育てているところです。あわせて、創業以来続けてきた、補助金を活用した資金調達の支援も手がけています。

補助金支援は2020年の創業当初から取り組んできた事業で、採択されて初めて報酬をいただく成功報酬型で行っています。コロナ禍で復興支援の補助金が増え、制度を必要としている経営者が多いと感じたのがきっかけでした。5年間で扱う案件の規模も大きくなり、「こんな制度があったのか」と喜んでいただく機会も多くあります。補助金は、事業者が設備投資や新規事業に踏み出すときの、確かな後押しになります。

どちらの事業も、根っこは「事業者のお金とリスクをどう扱うか」という点で地続きです。補助金が“必要な資金を引いてくる”支援だとすれば、保証は“お金の取りこぼしを防ぎ、事業を守る”仕組み。いまはこの保証事業を、会社の新しい主軸に育てていきたいと考えています。

――御社ならではの強みはどういった点にありますか。

強みは、リスクと機会を見極める専門性と、スピード、そして誠実な対応の3つです。これは、どの事業にも共通する、当社の土台です。

私はもともと大手損害保険会社で、代理店営業として、引受時のリスク審査に携わってきました。どのリスクを、どのような条件で引き受けるかを見極めます。数字だけでは測れない事情を抱えたお客様と向き合うなかで、「断るための審査」ではなく「引き受けられる形をつくる審査」の大切さを痛感してきました。保証事業に必要な力は、まさにこの引受の実務のなかで育ててきたものです。

そして、どちらの事業でも、案件には私自身が全体を管理する立場で関わり、お客様をお待たせしないレスポンスを徹底しています。見極めは慎重に、しかし判断と対応は速く。この両立こそが、当社の一番の強みだと考えています。

会社員からの独立――事業を1からつくる

――経営の道に進もうと思われたきっかけを教えてください。

自分で考え、主体的に物事を進める働き方が自分に合っていると感じたことが、独立を決めた理由です。組織のなかで働くよりも、自分自身で判断しながら事業を動かしていくほうが、自分の性格にも合っていると考えています。

もともと大手企業に勤めていましたが、入社2年目くらいから将来的な独立を考えていました。結婚などでライフステージが変わる前に行動したいという思いもあり、27歳のときに事業を始めました。

――創業当初、特に苦労したことは何でしょうか。

一番は、顧客をゼロから築くことと、資金繰りでした。会社員時代のような安定した給与はなく、自分で売上をつくらなければ何も始まらない。創業から1、2年は、どう信頼を得て顧客を増やし、事業を続ける資金を確保するかに向き合い続けました。

ただ、この時期に「約束を守り、素早く応えることでしか信頼は積み上がらない」と体で理解できたことは、いまの事業の土台になっています。お金とリスクを扱う仕事だからこそ、その基本を誰よりも徹底する。創業期の苦労が、その原点になっています。

能力以上に大切にするのは「誠実さ」

――現在の運営体制を教えてください。

役員2名を中核に、専門領域ごとに信頼できるメンバーと組む、少数精鋭の体制です。案件に応じて最適なチームを機動的に編成し、AIも積極的に活用することで、少人数でも質とスピードを落とさない運営を実現しています。

なお、保証事業では会社の履行力が何より問われます。保証の履行にあてる資金は運転資金と分けて管理し、いざというときに確実にお約束を果たせる体制を整えています。

――組織運営で大切にしていることは何ですか。

最も大切にしているのは、能力以上に「誠実に仕事へ向き合う姿勢」です。約束した期限を守ること、相手を待たせず迅速に応えること。この基本の徹底こそが信頼を生むと考えています。

完成度の追求ももちろん重要ですが、それ以上に、約束と時間を守るという当たり前を、当たり前にやり切る。保証という、信頼が前提の事業だからこそ、この姿勢を組織の芯に据えています。

――今後、一緒に働きたいのはどのような方でしょうか。

誠実に仕事へ向き合い、約束と時間を守れる方です。能力はもちろんですが、レスポンスの速さなど、仕事への価値観が合うことを重視しています。

AIの進化で任せられる業務は今後さらに広がりますが、人にしかできない判断や、ディレクションが必要な領域は必ず残ります。そうした領域を担える方とは、事業の成長に合わせて、一緒に組む仲間を増やしていきたいと考えています。

「断らない」を、仕組みにする――保証事業を主軸へ

――今後、特に伸ばしていきたい事業について教えてください。

介護施設向けの利用料保証サービス「エル保証」です。

介護の現場では、「保証人がいない」「身寄りがない」という理由だけで、受け入れたくても入居をお断りせざるを得ない場面が数多くあります。一方で、支払いが続かなくなったときの未収は、施設にとって決して小さくない損失になる。受け入れたい気持ちと、経営上のリスクとの板挟み――この構造を、保険で培った与信と回収の技術で解けるのではないか。そう考えたことが出発点でした。

エル保証は、施設様のご負担を0円としながら、未収が起きたときの立替から督促・回収までを当社が引き受けます。しかも、支払いが滞っても退去を前提とせず、その方が住まいに留まれるよう立て直しを図る。「断らない体制を、施設とともにつくる」ことを目指すサービスです。

いまはサービス設計と審査基準を固め、施設様への導入を一件ずつ丁寧に進めている段階です。保証は信頼が前提の事業ですから、規模を急ぐよりも、確実に履行できる体制を積み上げることを優先しています。これまで接点のなかったこの分野だからこそ、私自身も現場に足を運び、施設長や相談員の方々に課題を教わりながら、商品に磨きをかけています。

――今後どのような会社を目指していきたいですか。

補助金支援で培ってきた「事業者のお金に向き合う」基盤を大切にしながら、エル保証をその上に立つ主軸へと育てていきます。

目指すのは、「保証人がいない」を理由に、誰かが行き場を失うことのない社会に、仕組みで貢献する会社です。一つひとつの導入を着実に積み上げ、施設様にも入居者様にも「この会社に任せてよかった」と言っていただける保証を、確実に届けていきたい。誠実さとスピードという創業以来の姿勢を貫きながら、社会に必要とされる事業を育てていきます。

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