西宮市北部で、子育て世帯に寄り添う不動産会社へ――地域の暮らしを支える秋山グループの挑戦
秋山グループ株式会社 代表取締役 池田 節氏
秋山グループ株式会社は、2023年11月に創業し、不動産売買の仲介を中心に事業を展開しています。現在力を入れているのが、「西宮市北部」と「子育て世帯」に特化した地域密着型の取り組みです。自身も西宮市北部で暮らし、4人の子どもを育てる代表の池田節氏に、独立の背景や経営で大切にしていること、今後の展望について伺いました。
目次
西宮市北部と子育て世帯に特化した不動産会社へ
――現在の事業内容や特徴について教えてください。
中心となっているのは、不動産売買の仲介です。条件が合えば当社で物件を直接購入して販売することもありますが、メインは仲介になります。
現在は「西宮市北部」と「子育て世帯」に特化した不動産会社という位置付けで事業を展開しています。西宮市北部は地域に根差して継続的に情報発信する不動産会社がまだ少ないと感じており、そこに特化することで、地域の方に身近に感じてもらえる会社を目指しました。
また、私自身にも子どもがいて、スタッフにも現役のママさんが多くいます。そうした経験を活かし、子育て世帯が相談しやすい不動産会社を目指しています。
――子育て世帯に向けて、どのような取り組みをされていますか。
SNSやチラシでの情報発信に加えて、店舗には専門家にも入ってもらって作ったキッズスペースがあります。そこでキッズ写真撮影会を開催したり、子育てや教育に関するセミナーを企画したりしています。
不動産の用事があるときだけではなく、地域の方が気軽に来られる場所にしていきたいと思っています。
暮らして気づいた、西宮市北部の魅力
――現在のコンセプトに至った背景を教えてください。
私自身、西宮市北部に住んで10年ほどになります。もともとは会社員時代に仕事中心の生活をしていたため、妻の実家の近くへ引っ越したことが、この地域に住み始めたきっかけです。
住む前は不便なイメージがありましたが、実際に子どもと暮らしてみると印象が変わりました。大きな公園や川、山などの自然が身近にあり、車を使えばレジャーにも出かけやすい。住宅も、ほかのエリアと比べて価格を抑えながら広い家を選びやすいと感じています。
「こうした魅力を知らない人も多いのではないか」と思ったことが、今の方向性につながっています。
――創業当初から、現在の方向性だったのでしょうか。
最初は「何でもできます」という一般的な不動産会社として始めました。ただ、それだけでは知名度のない当社を選んでもらう理由になりにくいと感じました。
そこで、自分の強みや本当にやりたいことを考え直し、「なぜ自分は北部に住んだのか」というところまで掘り下げた結果、西宮市北部と子育て世帯に寄り添う不動産会社という現在の考えにたどり着きました。
家族との時間を求め、会社員から経営者へ
――経営の道に進まれたきっかけを教えてください。
祖父が会社を経営し、現在は父が2代目として建設会社を経営している家庭で育ったため、独立や経営は身近な存在でした。同年代にも会社を経営している人が多く、自然と自分でもやってみたいと思うようになりました。
新卒で入った不動産会社では社長秘書等の内勤業務を経験しました。その後、独立には営業経験が必要だと考えて28歳で転職し、不動産売買仲介の営業を7年経験してから独立しました。
――独立には、ご家族との時間も影響しているのでしょうか。
大きく影響しています。会社員時代はほとんど家におらず、上の3人の子どもが小さかった頃の時間をあまり一緒に過ごせませんでした。
収入を得ることはできても、家族との時間がないことに疑問を感じたことが、独立を考える一つのきっかけでした。
今も決まった休みはほとんどありませんが、仕事をする時間や場所は以前より調整できます。子どもの送り迎えや、一緒にご飯を食べる時間をつくれるようになり、以前より充実していると感じています。
「子どもにとって良いか」を判断の軸に
――経営判断で大切にしていることはありますか。
「会社として次につながるか」と「子どもにとって良いか」という点です。
自分自身のためだけにお金を使うことは少なくなりました。
例えば自分のために使うのであれば、その分をキッズスペースなどに使った方が子どもたちに喜んでもらえる。子育て世帯に寄り添う方向性を決めてからは、その軸に沿って判断するようになりました。
――お客様やスタッフとのコミュニケーションで意識していることを教えてください。
お客様に対しては、報告・連絡・相談を当たり前に行うことです。「金曜日までに回答します」と伝えたのであれば、できれば木曜日に返す。間に合わない場合も途中経過を伝える。そうした積み重ねが信頼につながると考えています。
スタッフに対しては、相手の立場を理解することを大切にしています。現役のママさんも多いため、子育てや家事との両立も考えながら、できることをできる範囲で話し合っています。
地域で働きやすい環境をつくる
――採用では、どのような方と一緒に働きたいですか。
社員やアルバイトであれば、地域の近くに住んでいる子育て世帯のパパさんやママさんと働きたいと考えています。
現役のママさんの中には、能力があっても家庭の事情で働き方が限られている方もいます。そうした方が力を発揮できる仕組みをつくれれば、お互いにとって良い形になると思っています。
当社は子育て世帯に特化した不動産会社なので、子育て経験のある方であれば会社の価値観にも合いやすく、お客様も相談しやすいのではないかと考えています。
「街の何でも屋さん」を目指して
――今後の目標や展望を教えてください。
まずは、もっと当社の存在を知っていただくことです。創業当初は自宅の4畳半ほどの一室から一人で始め、紹介をいただきながら少しずつ仕事を増やしてきました。
今後はSNSや紙のチラシなどの発信にもさらに力を入れていきたいです。認知が広がり、お客様が増えてくれば、営業を担当できる方や、リフォーム・インテリアの提案ができる方も必要になると思っています。
売上では1億円規模を一つの目標にしていますが、何億、何十億という規模だけを追いかけたいわけではありません。
将来的には「街の不動産屋」から「街の何でも屋さん」のような存在になりたいと思っています。不動産やリフォームだけでなく、子育て世帯への情報発信や、地域のおじいちゃん、おばあちゃんの困りごとなど、地域で必要とされることに関わっていきたいです。
――経営するうえで、これだけは譲れないというものはありますか。
やはり、子育て世帯にとって良いかどうかです。
目先の利益だけを考えれば、儲かる選択肢もあると思います。ただ、それが子育て世帯にとって良くないのであれば、これまで積み重ねてきた会社の方向性がぶれてしまいます。
「子育て世帯に特化した不動産会社」という軸は変えず、地域の方に安心して利用してもらえる会社にしていきたいと思っています。