地域と企業の「価値の核」を磨き続ける――バリュー・コア・コンサルティングの挑戦
株式会社バリュー・コア・コンサルティング 代表取締役 弥左 大志氏
AIやDXの波、人口減少や地域格差の拡大など、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。こうした中で、企業と地域が持つ「価値の核(コア)」を磨き上げ、売上・利益向上と地域活性化を同時の実現に挑戦しているのが、株式会社バリュー・コア・コンサルティングです。今回は、代表取締役の弥左大志氏に、不動産営業からコンサルティングファームを経て独立した背景、成果に徹底的にコミットするコンサルティングのスタイル、そして人と地域への思いについて伺いました。
地域と企業の価値を高める総合コンサル
――御社の事業内容と、コンサルティングの特徴を教えてください。
当社は戦略立案から実行支援まで一気通貫で伴走する総合経営コンサルティング会社です。一般的なパッケージ販売ではなく、すべてフルカスタマイズで支援している点が特徴です。業種もあえて絞らず、これまで18業種以上のクライアントを支援してきました。
コンサルティングの価値は、最終的には売上と利益をどれだけ伸ばせたかで測られると考えています。実際に、多くのクライアントで売上20%以上の伸長につながっています。
事業会社に加え、ファンドからのバリューアップ案件や事業再生、地方銀行など金融機関本体への支援、事業承継のサポートなど、「成長」と「再生」の両面から企業を支える仕事が中心です。
――弥左さんのご経歴と、現在の事業テーマについてはいかがでしょうか。
以前は不動産会社に勤めており、そこで約10年、居住用・事業用の営業を経験しました。その後、コンサルティングファームに転職し、PMI(M&A後の統合支援)の案件に多数携わりました。そこで「外部環境が人と企業の可能性を大きく左右する」ことを痛感し、現在は売上・利益の向上と企業価値の最大化、地域活性化をテーマに活動しています。
社名には、企業や地域が持つ価値の核を一緒に磨き上げたいという思いを込めました。
提供価値にこだわり、外部環境を変えていく
――仕事をするうえで大切にしている価値観を教えてください。
一番大切にしているのは「提供価値を常に問い続けること」です。幼少期は喘息で何年も夜中の発作に悩まされ、社会人になってからも営業成績が下位スタートだったこともあり、自分に自信が持てない時期が長く続きました。だからこそ、「自分の価値は十分か」「本当に役に立てているか」を人一倍気にしてしまいます。
印象的な出来事の一つは、不動産会社時代に育成した部下が、異動先の環境が合わず退職してしまったことです。今も毎年連絡をくれますが、「外部環境次第で人の可能性は大きく変わる」と痛感しました。
もう一つは、前職であるクライアントから「他社のノウハウはいらない」とパッケージ提案を一刀両断されたことです。そこからゼロベースで夜中までインタビューを重ね、その会社だけのプランを作り上げた経験が、今のフルカスタマイズ型の原点になっています。
当社では「成果が出なければ、プロジェクト終了後も無料でやり切る」というスタンスを基本としています。納品して終わりではなく、売上・利益という結果が出るまで伴走することを重視しています。
少数精鋭で『やりきる力』を引き出す
――組織体制や、メンバーとの向き合い方について教えてください。
現在のコアメンバーは約5名という少数精鋭の体制です。私はメンバーをクライアントに近い存在と捉え、クライアント企業の社員にお伝えしている「目標設定」「成長支援」「案件管理」「モチベーションマネジメント」のフレームをそのまま適用しています。
週1回以上はノウハウ共有の場を持ち、多業種で蓄積した事例をメンバーに還元しています。クライアントに「こうすればできます」と伝える以上、自分たちも同じように行動する必要があります。
提供価値を高める仕組みが、そのままメンバー自身の成長にも跳ね返るような構造を意識しています。
――一緒に働く人に求める資質は何でしょうか。
最も重視しているのは「やりきる力」です。やり方やノウハウは当社でいくらでも用意できますが、最後まで諦めずにやり切る姿勢だけは本人の意思が不可欠です。「本人さえ諦めなければ、自分も絶対に諦めない」というスタンスで伴走しています。
地域から海外へ、ノウハウを広く届ける
――今後のビジョンや、取り組んでいきたい挑戦について教えてください。
直近2〜3年では「地域活性化」に本格的にコミットしていきたいと考えています。すでに地方銀行などとは取引がありますが、より上流から地域に関わるため、行政ルートの開拓も進めています。当社は入札の統一資格を取得しており、行政・金融・企業が連携する形で、特定地域のGDPをどこまで引き上げられるかを一つの指標にしています。
一方で、支援を受けてほしい中小企業ほどコンサルフィーの負担が難しいという現実もあります。そこで現在、AIエージェントやeラーニングの開発を進め、大手企業向けに提供しているレベルのノウハウを、より多くの地域企業にも届けられる仕組みづくりに取り組んでいます。少数精鋭でも影響範囲を広げられるよう、生産性と品質の両立を目指しています。
仕事も人生も、諦めないグリットで
――影響を受けた人物や、リフレッシュ方法について教えてください。
考え方の面では、アドラー心理学に影響を受けています。『嫌われる勇気』に象徴される、自分の人生を自分で選び取る姿勢は、経営やコンサルティングにも通じると感じています。
また、前職時代から交流のある経営者の言葉に救われることも多く、「案件が取れなくても、もともとなかったものだから気にしなくていい」といった一言が、今も心の支えになっています。
プライベートの時間は正直多くはありませんが、合間を縫ってボクシングで体を動かしたり、経営者仲間と食事をしながら情報交換をしたりする時間が良いリフレッシュになっています。
これまでの経験から「人は外部環境で大きく変わる」と痛感してきました。だからこそ、企業や地域の環境を少しでも良くすることで、そこで働く人たちの選択肢や可能性を広げたいと思っています。
どんな案件でも、どんな状況でも諦めずにやりきる――そんなグリットを武器に、これからも地域と企業の「価値の核」を磨き続けていきたいです。