国内初のLinkedInを活用した営業支援――「負けに勝ちあり」の経営哲学

株式会社Emooove 代表取締役CEO 藤澤 諒一 氏

国内で初めてビジネス特化型SNSのLinkedInを活用した営業支援を展開し、その分野で国内トップクラスの地位を確立した藤澤氏。「負けに勝ちあり」という信念のもと、IPOと「遠くへ行く」ための組織づくりに邁進する同氏に、独自の経営哲学と今後の展望を伺いました。

国内で初めてLinkedInを活用した営業支援を提供

――御社の事業内容を教えてください。

当社の中心事業はBtoB企業様の営業支援、特に商談獲得のサポートです。最大の特徴は、国内で初めてLinkedInを活用した営業支援を提供している点です。LinkedInはFacebookに近いビジネス特化型SNSで、実名制で大手企業の役職者や決裁者が多く利用しています。テレアポやフォームメールでは受付にブロックされがちですが、LinkedInを用いればダイレクトにアプローチすることができるため、非常に営業効率が高いという強みがあります。

――創業の経緯をお聞かせください。

学生時代からリーダーとして物事を引っ張っていくことや、ゼロから何かを作り出すことにやりがいを感じていたため、漠然と起業を意識していました。新卒では起業の訓練として大手企業やスタートアップの新規事業開発コンサルティングを行うベンチャー企業に入社しました。そこで事業立ち上げに必要な実行力、つまりテストセールスやテストマーケティングといった営業・マーケティング支援の全般を経験しました。入社から約3年が経った頃、同期にも独立を考える者がいたため、「一人よりも複数いた方が立ち上がりやすい」という判断で、仲間と一緒に起業しました。

「負けに勝ちあり」の経営哲学

――起業以来強く印象に残っている出来事はありますか。

この2年数ヶ月ですでにオフィスを3ヶ所目に移動するなど、組織がどんどん拡大していく感覚が一番印象的です。また、創業当初は競合が多いテレアポ代行などをやっていましたが、その中でLinkedIn営業という独自のポジションを取れたことも印象的でした。これによって既存の営業代行の枠を超え、通常では接触できなかったお客様ともお話できるようになりました。ポジションニング・ブランディングが上手くはまったことが、最も嬉しかった点です。

――経営において大切にしている価値観を教えてください。

一つは「負けに勝ちあり」という考え方です。一発で成功することはなく、失敗を繰り返す中でこそ成功や成長があるというスタンスに立つと、全てが苦しくなく、辞めない限りどこかで成功するという確信が生まれます。もう一つは「人が大事」という価値観です。私はよく「早く行くなら一人で、遠くに行くならみんなで」という言葉を使います。小さく成功するだけなら一人でもできますが、大きなことを成し遂げるには仲間が必要です。メンバーがいるからこそ大きなことができるということを、いつも心に置くようにしています。

評価制度やバリューで主体性を引き出す

――組織の主体性を引き出すために意識されていることは何でしょうか。

苦戦している部分もありますが、2点取り組んでいます。1つ目は評価制度です。評価項目に「主体性」や「自ら提案する姿勢」といった要素を取り入れ、それに対して明確にインセンティブを出すことでメンバーの意識を引き出そうとしています。もう1つはバリューの浸透です。ミッション・ビジョン・バリューの中に「自分の意思でやっていく」という内容を反映し、常に組織全体に浸透させるよう努めています。

――現在直面している最も大きな課題と、その対策はありますか。

最も大きな課題は「組織課題」です。具体的には、私の代わりにお客様との商談で高い品質を担保できる優秀な人材の確保です。現在、商談担当は私以外に1名のみとなっており、ここが成長のボトルネックになっています。対策としては、採用ブランディングの強化や求人による募集に加え、私自身の商談ノウハウをまとめた60ページのマニュアルを作成してオンボーディングに活用することで、メンバーが速やかに高いレベルで立ち上がれるように工夫しています。

拡大路線で2~3倍成長をコンスタントに目指す

――今後の展望についてお聞かせください。

基本方針として売却は考えておらず、拡大路線で進め、数年以内にIPOする目標も立てています。事業面では現在の営業代行を伸ばしつつ、営業という軸で事業ポートフォリオを拡大させます。具体的には代行だけでなく、営業を内製化しつつ強化したいという顧客ニーズに応えるためのSaaS(営業DXツール)開発を進行中です。将来的には、人材紹介や教育など、営業に関連する多角的な事業展開を目指しています。

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