「心に効く」空間ブランディング――インテリアの持つパワーを広めるライフワーク
LEE PLANNING 代表 三好 里香 氏
単なる店舗設計やインテリアデザインを超え、「空間ブランディング」という独自のメソッドを確立し、空間が持つ心理的な力を最大限に引き出す取り組みをされている三好氏。長年の経験と震災をきっかけに芽生えた「心に効く空間を作る」という使命感のもと、空間ブランディングコンサルタントとして活動を始めた同氏に、挑戦の軌跡とビジョンを伺いました。
「空間」でブランディングする
――御社の事業内容を教えてください。
LEE PLANNINGでは、店舗設計や内装デザインをベースにしながら、独自の「空間ブランディング」と「インテリアセラピー」のメソッドで空間づくりを行っています。
一般的な建築設計との決定的な違いは、「女性視点の感情設計」、そして結果を出す空間に特化している点です。内装デザインだけでなく、ディスプレイ、スタイリング、ショーイング(商品の並べ方)まで、一つの世界観・コンセプトをぶらさずにトータルでプロデュースしていきます。
――特に強みとしているのはどのような点ですか。
一つは、女性集客を得意とした空間メソッドを持っていることです。視線の流れや動線、色や素材の選び方など、心理的な心地よさを踏まえてデザインすることで、空間への投資がハイリターンを生む“集客装置”になるような提案を行っています。
結果、クライアントは広告や営業に頼らなくても、お客さまのリピートやグッドレビュー(口コミ)によって自動的に集客できる状態を実現できます。
もう一つの柱として、「空間がメンタルに影響する」という前提に立ち、長年の実績から空間が人の気分やモチベーションに大きく関わっていることを体感してきました。それをメソッド化したものが「インテリアセラピー」で、心地よさや前向きさ、自己肯定感の回復など、人にとってプラスの影響をもたらす空間づくりを提案しています。
「売れる空間」と「心に効く空間」を両立させることが、LEE PLANNINGの大きな特徴です。
震災が人生を方向づけた
――ご経歴を教えてください。
キャリアのスタートは、広告業界でのインテリアスタイリストから。建築資格がないことを弱みだと感じていた時期もありましたが、今振り返ると、広告業界のコンセプトありきビジュアル重視の世界で「どう見せれば人の心が動くのか」を追求し続けた経験が、現在の強みに直結しています。
そこで培った“見せ場をつくる視点”が、「空間でブランドを伝え集客する」という現在の空間ブランディングのデザインポリシーにつながりました。
――どのような経緯で創業されたのでしょうか。
大きな転機は、阪神・淡路大震災でした。被災地で目にした、機能のみで心休まらない仮説住宅に衝撃を受け、空間が人の心や人生に与える影響の大きさを痛感しました。派手な広告の仕事を続ける一方で、「この仕事は本当に人の役に立っているのか」という違和感が大きくなり、「空間で人の人生を支える仕事がしたい」という想いに繋がりました。そして心に効く空間という考え方「インテリアセラピー」を独自メソッドとして確立しました。
その後ブランド価値を高めるための『空間ブランディング』と、人の心を整え力を与える『インテリアセラピー』という二つの視点からクライアントをサポートする覚悟を決め,今に至ります。
「空間が持つ力」を伝えていく
――経営において大切にしている価値観を教えてください。
最も大切にしているのは「信用」と「質」です。相見積もりで価格競争に巻き込まれるような仕事ではなく、質の高いサービスを提供するよう努力しています。最初の投資で良い結果を出し、「次も必ずお願いしたい」と心から思っていただける関係性を築くこと、そのうえで、空間ブランディングやインテリアセラピーの視点を惜しみなく提供することが、結果としてクライアントにとってのハイリターンにつながると信じています。
――今後の展望についてお聞かせください。
「空間が持つ力」を、もっと広く遠くまで届けていくことを、ライフワークとして考えています。
そのために、個別プロジェクトだけでなく、セミナーや講座、書籍執筆といったかたちで、空間ブランディングとインテリアセラピーのメソッドを「空間で人生に違いを作る」コンテンツとして多くの方に届くよう発信していきたいと考えています。
「空間コンサルタント」としてクライアントを支援
――具体的な事業の構想はありますか。
今後は、この考え方をより多くの企業や個人が活用できるよう、コンテンツビジネスとして展開していくことを目指しています。
例えば、経営コンサルタントに相談しても数字や経費の話ばかりで結果が出ない企業や店舗のケース、そうした現場では「空間」という重要な要素が抜け落ちているケースが多々あります。そこで、図面や写真を基に空間のどこに課題があり、それが集客や収益をどう止めているかを判断できる「空間診断」という商品を提供します。
空間ブランディングの視点で「売れる空間」を、インテリアセラピーの視点で「心の負担になっている要素」を見極めることで、具体的な改善ポイントを提示していきます。
――「空間診断」を軸としたビジネスの計画をお聞かせください。
今後は「空間コンサルタント」として、クライアントの伴走者になるポジションに注力していきたいと考えています。 具体的には、セミナーや空間診断で課題の原因を明確にしたうえで、
「大きな改装をせずに、家具やディスプレイ、レイアウトを見直すことでコンセプトと世界観を再構築するケース」 「内装の全面改修や、2号店・3号店といった多店舗展開の際に、新たなコンセプトでのデザインを一貫して担当するケース」など、
空間ブランディングで「選ばれる理由」をつくり、インテリアセラピーで「そこで働く人・訪れる人の心が整う空間」に変えていくこと。その両方を実現できるパートナーであり続けることが、私の目指す「空間コンサルタント」の在り方です。